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魔王城の人姫  作者: 川輝 和前
第一章 『混沌の魔王城』
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26 魔法教育⑵

魔法とはなにか。魔法を教わるにあたって、魔法をどこまで理解しているのか。


「レンカ、魔法をどのように思ってる?」


まず初めに、メヴィアから聞かれたことだった。魔法を扱うには、魔法の正しい在り方を知る必要があり、極めて重要なことらしい。


「うーーん、凄く便利な、未知の力?でしょうか?私には、そうみえてしまっています。」


私はそう答えた。空を飛んだり、風を操ることができたり、遠いところに一瞬で行けたりと、便利すぎる力なのに、どうしてそんなことができるのか?という一番大事な部分が分からないなんて、何ともおかしな話だ。これを未知と言わずとしてなんと言うのか、勿論、それが魔法だと言われてしまえばそれまでの話なのだが。


「未知の力…か。残念だけど、そうじゃない。魔法は未知の力でもなければ、理解できない力でもない。それなら、知らなければ理解できない力と言った方が正しい。」

「…知らなければ理解できない力?」

「そう、その実態を知ってる者からすれば、なんてことない真実がある力ということなんだ。ただ、扱いを知ってるか知っていないか。レンカと魔法使いの違いはそこだけだよ。」

「実態のある力…」


実態があるからといって、それが理解できるものなのかどうかは分からないような気もする。それに、だとしたら、どうして魔法だなんて呼ばれ方をしているのか。

魔法とは、奇跡のような力を言うと本には書いてあったが、理解される力ならば何故そう呼ばれているのか。


「真実があって、理解できる魔法とは、魔法と呼べるものなのですか?」


疑問に思ってしまうことだった。理解できるのなら、なぜ奇跡と同等に語られる魔法と呼ばれているのか。今から教わるもの、それは本当に魔法と呼べるものなのか。


「魔法と呼ばれているのは、魔法がまだ世界一般になっていない時に呼ばれていた名がそのまま使われているだけだよ。というか、そんなに不思議な話じゃない。扱える力を調べるのは当然のことだろ?扱えるのに正体が分からないは、不気味すぎるからな。魔法に期待しまくっていたレンカの前でこれを言うのは辛いけど、魔法はとっくの昔に解明されている。」

「えっ…あーー、なるほど。そういうことですか。」


そこで、初めて気がついた。私の故郷にあった書物は全て古いものだったのだと。

ここに来てから何度か、自分が選ばれた者として、特別な場所で暮らしていた時、暇つぶしで読んでいた書物で得た知識と噛み合わない話や情報があるとおもっていたのだが、今回ので確信した。


(考えてみれば当然だった…空の壁で閉ざされていたのに、外の新しい情報なんかあるはずがなかったんだ…あそこにあったのは、空の壁ができる前に中に持ち込まれた物だった。そして私は、古い本で得た知識を参考にしていたから、全てを新しく感じたんだ。)


本の中でしか視たことのない種族に、話の中でしか知らない魔法という奇跡の力、そして竜という存在、それら全てに周りが特に大きな反応をしていなかったのも、私だけが驚いていたのも、そう考えれば全て納得がいった。


「レンカ?ボーとしてどうかした?」

「いえ、少し故郷にイラついていただけです。すみません。」

「えっ?!ど、どうしたの?」

「いや、本当に大丈夫です。すみません。」


選ばれし者を神に捧げろとか言っといて、外の世界に完全に置いていかれていた国が私の故郷だったなんて、知らない方が良かったまである新真実だった。


「そうか?まぁ説明を続けると、魔法の正体は#惑星__ほし__#の力だったんだ。」

「ほしの力…?」

「そう、この世界は#宇宙__そら__#と呼ばれる場所にあって、私達が生きているこの空間もまたその一部。普通は目に視えない力だ。が、本来なら干渉不可能なその力を借りて、色々な現象をおこすのが、一般的な魔法だ。」

「…んん?」


少し、理解が追いつかなかったが、惑星や宇宙については本でみたことがある。この世界は一つのとてつもなく大きな球体の中にあると。そしてその球体もまた、宇宙と呼ばれる果てしなく広い場所にあると。


「まあかなり大雑把に説明すると、視えない世界の力を借りて、色んなことをできてしまうのが魔法って話さ。」


大雑把すぎる上に、結局なにが必要なのかが全く分からない。


「あの…メヴィア、話の規模がでかすぎるので、そういうものだと考えることで、話を進めるのですが、結局何が必要なんです?その力を借りるには。」


視えない力を一体どうやって借りるのか。色々と聞きたいことはあるが、今は魔法を扱うという要点のみに集中する。


「簡単さ。まずはこの世界の何と相性がいいのかを調べる。やっぱり力を借りるにはそれなりに関係を築かないと駄目だからな。そしてその後は、それを自分の思った通りに動かしたり、変化させたりできるかを試す。できなかったらできるまで試す。それだけだよ。」

「…んんん?待ってください。先程から説明が雑くないですか?できるまで試すって聞こえたんですが?」

「ん?その通りだぞ?普通にできるまで試すんだ。かなり難しいけど、一度できたら後はすぐにかしてくれるからそこまでが問題だな。」

「そんなぁ…私の中で思い描いていた魔法がどんどん崩れていきます…」


認めたくない。なんでもできちゃうような、夢のような力である魔法が、まさかそんな、できるようになるまでやろう精神で取得できてしまうなんて。


「はは、意外と魔法って根性論みたいなとこあるからね。とはいえ、まだ問題はある。それは、人間が魔法を取得する場合、使える魔法の候補が少ないという点だ。人間は争いで自然を壊しまくってるから、あまり自然から好かれていない。よって、自然系の魔法はかなり厳しいと思っといた方がいい。」

「えっ?!私、自然様から嫌われてるのですか?!何もしていないと思うのですが!」

「レンカが嫌われてるんじゃくて、人間がね。私達エルフは森の守護者だったから、生まれた時から風と緑とは持ちつ持たれつの関係だったのもあって、その二つの魔法はすぐ扱えるようになるんだけど、人間は争いで自然を壊しまくってるから、その逆、避けられるんだ。普段壊しているくせに力を貸してくれなんて都合がいいだろう?それに貸すことで、また破壊されるかもしれないしで、自然側にメリットがないんだ。」

「…うぅ、それを言われてしまうとなんの反論もできませんね…」


事実であり、正論なので、それならしょうがないと思うしかなかった。


「では…私に魔法は厳しいということですか?」

「いや、そうじゃない。今のは、なんでもできるというわけじゃないという話だ。この世界には色々な力がある。力を貸してくれるのは自然だけじゃない。」

「自然以外…他に何があるのですか?」

「魔法にはいくつか種類がある。全部で八種類の属性に分けられるが、主に使われている魔法は五種類。火、水、木、雷、氷だ。使用者の多い自然属性と呼ばれているやつだな。そして使用者は少ないが光と闇というのもある。さらに、使用者は世界で数人と言われてるが、#空__から__#という無属性もある。以上がこの世にある魔法だ。だから、レンカの場合、光、闇、空のどれかと相性が良ければ魔法の使用は可能だ。」


私は悟った。これは無理なやつではないかと。普通に考えて、光、闇、空と一体どうやって相性を確かめればいいんだ。それに、この中だと光以外と相性が良いなんてことになったら喜んでいいのか分からないではないか。


(闇は絶対に嫌…暗いやつだと思われそうだもん(偏見)。てか、空って何…何と相性を確かめればいいの…)


魔法を教えて貰えるということで、頂点まで上がっていた私の気分は、かなり盛り下がっていた。こうなった場合、私に残された選択肢は一つ。何がなんでも光と仲良くなることだった。


「ひ、光の魔法ってどんなことができるの?」

「そうだなぁ…有名なので言えば、治療や浄化とかかな。」

「治療と浄化…治療は分かるけど浄化って何するの?」

「汚染された土地を治せたり、生物を苦しめる毒や呪いを解除したりすることができるんだ。」


光一択。何がなんでも光魔法を取得する。


「へーー、凄い!光魔法いいかも!光魔法にする!」

「おっ、光に興味あるのか?でも他に闇と空もあるぞ?一応闇と空の説明もあるけど、聞いとく?」

「ううん!光!光でいい!光でお願いします!」

「そ、そっか。そこまで言うなら光で試してみようか。じゃあ、魔法の相性を確かめることができたり、訓練することのできる部屋があるから案内するよ。今からでいいんだろ?」


私は頷いた。想像していたものと違ったとはいえ、いざ始めるとなるとやはりワクワクする。


「よし、じゃあ行こう。場所は白の七番、魔法領域と呼ばれる場所だ。」


こうして私の、魔法取得に向けての日々が始まった。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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