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魔王城の人姫  作者: 川輝 和前
第一章 『混沌の魔王城』
13/35

13 作戦会議

魔王ユウシンから正しい情報を聞きだす為、エルフであるメヴィアと力を合わせることになった私は彼女の部屋に訪れていた。


「凄い!自然って感じがします!」

「私は普通の部屋じゃ落ち着かなくてな。自然豊かな部屋にしてくれって頼んだのさ。レンカは特に注文はしなかったのか?」

「私は…割とあの部屋で満足してしまって…今思えば、もう少しわがままを言っておけばよかったて後悔しそうです。」


メヴィアの部屋は花が沢山咲いており、壁も床も緑一面といった感じで、森の中を想像させられるようなとてもいい匂いもする素敵な部屋だった。

自分の部屋とは大違いだ。注文すれば、自分の好きな感じの部屋に住めると分かってさえいれば、私も沢山の本をもっと部屋に置いてもらえたかもしれないのに勿体ないことをしたなと思う。


「満足しているならいいじゃないか。無理に飾る必要なんてないんだし。何か置いてほしいものでも思い出したのか?」

「図書室のような、本一面の部屋にしてほしいって頼めばよかったなって。本の読めるベットに、本の読めるお風呂場、本の読めるお手洗い、本の読める台所…あぁ、本当に勿体ないことをしました…」

「それはもう図書室に住んだ方がはやくないか?」

「図書室はまた別なのです。」


メヴィアは不思議そうな顔をして首を傾げる。昔からだ。親や親友だった人にもこれを話した時同じように不思議そうに首を傾げられ


「それって…何が違うんだ?」


同じようなことを言われた。逆に言いたい。本一面の部屋と図書室が同じになるはずがないだろうと。趣味の部屋と聖なる場所では何もかもが違うというのに。

ずっと同じ部屋に住んでいた私からすれば、本とは別世界の入口なのだ。それが沢山ある図書室は、まさに私に色々で沢山の世界を教えてくれる神様のようなもの。


「いいですか、図書室というのは、古今東西ありとあらゆる書物が揃っているような場所なんです。そこで一緒に昼夜を共にして暮らすなんて…私には!できないっ!いや!したいけども!」


と、ここまで話すと笑われるか唖然とされるのだが、メヴィアは後者のほうだった。


「レンカ…私、この部屋に住んでからさ、よく変わり者って言われるんだけど、理解できてなかったんだ。普通だろって。むしろ毎日四六時中ずっと花の匂いが嗅げるんだぞ?羨ましいだろって。でもなんだか、あんたをみていたら分かった気がする。」

「いま私、ものすごく失礼なこと言われていませんか?」


すごく遠回しに、いやかなり直接的にお前は変わり者だと言われた気がするのだが、勘違いだろうか。


「いやいや、悪い意味で言ったわけじゃないよ?ただ同じだなって!仲良くなれそうだ。」

「それ…どういう意味です?でも、仲良くなれそうなのは同感です!」


初対面でこれだけ遠慮なしに喋れる人ができたのは、嬉しいことだ。まだまだ知らないことばかりだし、先輩であり友人とも呼べる存在ができたのは、幸先良いと言って間違いないだろう。


「それは嬉しいね。それでだ、お互いのことを少し教えあったところで、本題に入ろうか。」

「そうですね。と言ってもやる事はすごく単純なことだけですけど。」


メヴィアの言っている本題というのは、ユウシンがこの魔王城をどこまで把握しているのか、なぜ隠すのかを聞きだす作戦のことだ。

後は、メヴィアの嘘を見抜く風の力というのをユウシンから本当のことを聞きだすことで、本物の力であると証明することも裏の目的としてある。


「風の力は、皆に言っても誰も私の力を信じない。まあこの力を扱えるのが#私しかいないから__・__#しょうがないんだけどさ。皆王に救われて、ここで楽しい思いをしているからか、この暮らしの場を何も疑わず生活している。でもやっぱりここは何かおかしい。だから私は待ってたんだ。まだこの暮らしに染まっていない子がくるのを。一緒に探ってくれる人を。気にならないか?これほどの魔王城と、皆に適当言っている王の真実に。」


酒場であの後にメヴィアに言われた言葉だ。これを聞いて、私は彼女に全面協力する事を決めた。

何故するのか?と問われれば、私も気になるのと、少し楽しそうだからとしか言えない。そうして詳しい作戦会議をするため、彼女の部屋に訪れて今に至るわけだが。


「それで?レンカの言う単純な作戦って?」

「メヴィアの風の力が本当であることを前提とした作戦ですが、事前に聞きたいことを私が頭にいれ、私がどうにかしてユウシンを外に連れ出し、用意した聞きたいことを聞くので、その際ユウシンの中を通った風を、メヴィアがユウシンに存在を隠しながら全力で拾う。そして嘘の返しがあったら、適当な風を操ってもらって私に当てて知らせてください。そしたら私が深く探りをいれてみせます。それを繰り返す!もう、これだけです。」

「確かに単純だけど、それすごく難易度高くない?それに、流石にしつこく聞いたら怪しまれると思うんだけど。」

「そうですか?私は意外といけると思うのですが。だって、聞いてくるのは昨日今日来たばっかりのお姫様ですよ?来て間もない今の私だからこそ、怪しまれることなく、そして遠慮もせずに聞けると思うのですが。」


むしろ今は無敵状態のようなものだと私は考えている。この魔王城で唯一無知を武器にできるのが私だ。でも、これも時間が経つと使えなくなる。

そして二度目は絶対に通用しない手だ。やるなら今日中に気になることを迅速に纏め、明日にでも二人っきりの状態をつくり実行するのが理想的だろう。


「気づかれたらどうするんだ?私が誘っといて言うのもなんだが、気づかれた後に、レンカは王と気まずい関係になったりしないか?」

「気づかれたら、その時はメヴィアと私、二人で新人の悪知恵でしたごめんなさいってユウシンに謝って、もう正々堂々と正面から聞いちゃいましょう。何隠しているんですかって。話せー!って。」


一応真剣に言ったつもりだったのだが、メヴィアはそれを聞いて少し驚いた顔をした後


「ぷっ、あははは!そりゃあ確かに、単純でいい作戦だわ!それなら凄く気楽にやれそうだ!」


腹を抱えて笑うメヴィアをみて、私は疑問に思う。そんなに面白いことを言っただろうかと。


ともかく


「じゃあ、その作戦だと明日にでもやっちまった方がいいな。今日中にまとめて、明日やっちまおう。レンカもそれでいいか?」

「ええ、やってやりましょう!」


何を聞くのか。何が知れるのか。どうやって外に出すか。こうして、こちらに来て初めて出来た友人との心躍る作戦会議は、夜まで続くことになり、

私達はそれぞれ目的を持ち、明日を迎えることになった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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