13
アレンside
「はぁ…何とかなった。カオス、君が底抜けに鈍感な人で助かったよ。それに、まぁ君と似たような能力で殺される運命になるなんて、思わなかっただろうしね?」
そう、俺は彼にある魔法をかけた。
これが効くかどうかは一か八かのカケだった。
そう幻想を見せた。
彼は幻想をも得意としていると俺は結論漬けていた。
まぁサポーターという役割でもあるのかもしれないが、
岩から泥人形を作り出しそれを演奏家に変えた。
この時点で幻想、幻術には長けていると推測できる。
だから、一か八かの賭けだった。
99.9パーセントこちらの不利なのに対し、
0.01パーセントを望みに賭けた。
賭けているものもあるよ?
勿論、命だ。
ギャンブラーの楽しみってこういうことを言うのかな?
凄くスリリングだった!
「一か八かの賭けだったよ。俺も命掛けてるしね。」
もう一段階上の技をカオスが仕掛けてきた時
ロギンと位置を交代した。
その際、俺に刃を向けられたならそのまま跡形もなく消されるつもりだった。
魔法で防げるんじゃない?なんて思うかもしれないけど、
それは不可能。
俺の魔法をリベルトさんは解いたのだから。
そう、俺の魔力はここでは不安定なんだ。
そして、援助中に気づいたことがある。
防御系の魔法が使えなくなっていることに──。
「というわけだよ。こっちに攻撃が来た時は、あー死んじゃう?なんて思ったけど…。とにかく…賭けは俺の勝ちだ。寸前で俺は運を味方につけた。カオス。君はこれで退場だ。」
カオスはカクンと意識を失った。
そうすれば全てが消えた。
あの暑いマグマも…周りを囲んでいたマグマも不安定な
岩も。全てが消失した。
その場に残ったのは、
背骨から腹まで斬り取られたカオスに、
両目両耳両手両足に赤い鋭い刃物が刺さって瀕死の重体ではなく既に死亡しているだろうホワイトレッドリベルトさん。
そして、高らかに笑うリベルトさんに俺とロギン。
「待たせたなぁ?糞ガキ」
「ちょうどいい感じ、じゃないかな?」
「へぇ…少しはいい面構えになったみてぇだな?おい!そこの坊主!コイツは俺の獲物だ、邪魔はすんなよ?」
ロギンはコクンと頷くと、
ラッセルやネロ達がいる所へと移動した。
「思わぬ邪魔が入ったが…これからが本番だ。」
「そうだね、望むところだよリベルトさん。」
そして、俺とリベルトさんの
最後の戦いが幕を開けようとしていた。
アレンside
「はぁっ!!!」
柄にもない声をあげてるから、自分で不自然極まりないと思うけど。傍から見たら、その場面に相応しい掛け声だと思う。
絶賛、リベルトさんと交戦中なうである。
「おいおい?餓鬼。こんなもんじゃねぇだろ? 」
「それを言うなら、リベルトさんもじゃない?」
「ハッ!分かってんじゃねぇか。」
「それぐらい分かるよ。」
そんな言葉を交えつつ、俺は剣で。
リベルトさんは、Tagを使って殺し合いをしている。
「まだまだ!!ていうか、遅い!!」
「フンッ!じゃあ、これはどうだろうなぁ?」
ニタリと笑った瞬間。
リベルトさんが打ってきた銃弾が、素早くなった。
光っているように見える。
これは…また。
「でも…見抜ける!!」
目の前にきた直後、銃弾を斬った。
真っ二つに。
「まぁ。こんなもんか。」
何とかなった。と思ってたら…頬に痛みが出来た。
痛みのある右頬を触る。
「血がついて…る。」
「油断大敵だぜ?」
一体…いつ?
なぜ気づけなかった?
そんなことを考えている場合ではない。
そこまで気にならないし、いい。今は。
そうそれが…命取りになるとは思ってもいなかった。
数十分後────。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
俺は冷や汗が止まらず…片方の脚…腕が少しずつ動かなくなっていった。
「おいおい?こんなもんかよ?どうした?なぁ?」
「ははッ…」
「何とか言いやがれ!」
ガキンッ!!
「ぐっ…!!」
なんだろう。これは。
手が重くなって…上手く動かない。
冷えてきているような…そんな感覚に陥る。
回復魔法を唱えても、治らない。
これ、ホントにまずいな…。
「ボーッとしてんな!!」
リベルトさんの素早い攻撃は止まることを知らない。
「まだまだだァ!!!」
「ぐっ!!うぐっ!!」
受け止めるだけで、精一杯になっていった。
もはや、同じ土俵にすら立てていない。
そして、みぞおちに1発重い一撃を食らった。
「かはっ…!?」
すんごい痛い。
痛いだけじゃなくて、苦しい。
鉄の味がする。
これは血の味だ。
俺、吐血したのか。
さっきまで普通に戦えていたのに。
なんでだ?
なんで?
何故?
どうして?
一体どこで何を見落とした?
「つまんねぇな?」
ズザァァァァァ!!!
という音と共に吹き飛ばされた。
「…うぐ……。俺…に…何をした…」
「今更、気づいたのかよ。おっせぇなァ?」
とても良い顔で
ゆっくりとリベルトさんが近づいてきた。
「餓鬼。テメェの敗因は頬の傷を受けたことだ。」
「なんだっ……て…?」
「お前の血に融合したんだよ。 」
融合…?どういう意味だ。
「まぁ、その様子じゃ適正ではなかったらしいがな?」
一体…どういう事だ……。
「俺の血を混ぜてやったんだよ。」
「ま…ぜた…?」
「俺の血は操ることが出来るんだよ。それで、お前の頬の傷から侵入してやったんだ。ま、ここまでしか言わねぇがな?」
それで分かった。
例えば、輸血する際にA型の血にAB型やB型の血は適合出来ない。O型なら、抗原がないから問題なく輸血出来るが。
そう組み合わせの違いで、大変なことになるのだ。
「そう…いうことか…カハッ…!」
また、血が口から出てくる。
あぁ、怖い…死にたくない。
こんな所で…
嫌だイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ…!
死なんて怖くないと思っていた。
なぜなら死んだことがあるから。
「ははは!!いい表情だな?」
でも、死ぬって怖い。
俺は無敵でもなんでもない。
ただ、魔法の力がある程度使えるただの人間だ。
あぁ…目の前が…真っ暗になる…。
苦しい…苦しい苦しい……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
そこでプツンと意識が途切れた。
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