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歪んだ輪舞曲(ロンド)〜鉄の処女と白銀の駿馬〜 ――私の婚約者(馬車)が、元婚約者の婚約者(馬)と不倫していました。※乗れません  作者: 山田りく
1章 私の婚約者(馬車)が、元婚約者の婚約者(馬)と不倫していました。

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背徳のダブル・リンク

それから数ヶ月後の、湿った午後。


 エドワードは、最愛の婚約者の車軸アクスルに特製の潤滑油を注そうと、ボトルを片手に裏庭へ忍び足で向かっていた。


 だが、生い茂る木々の向こうから、世界の崩壊を意味する声が聞こえてきた。


『……あ、ああああっ……! だめ、アレクサンダー……そこは、私のいちばん繊細な前車軸フロントアクスルの旋回部分よ……っ!』


 エドワードはピクッと耳をそば立て、潤滑油のボトルを地面に落とした。


 ガタゴト、ゴトゴトと、不自然に車体を上下に揺らすマリアンヌの音が響く。


「ブルルルル……(気にするなマリアンヌ、俺の強力な飛節ひせつの推進力に身を任せるんだ。お前のゴム引き車輪を、俺のひづめで極上の快楽へと導いてやる)」


『ああっ! 激しいわ……! エドワードのお抱え御者の、優しい手綱さばきとは全然違う……! アレクサンダーの野生の牽引力トラクションが、私の車体ボディの隅々まで響いていく……!』


「何をしているんだああああああーーーっ!!!」


 エドワードは頭を抱え、フェンスを飛び越えて叫んだ。

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