二つ目
「それで、その二つ目と地球のSOLRがどう関係しているんだ」
苛立ちを隠さない大臣の問いにシローが冷静に答える。
「何も分かっていません。500億キロ離れた場所にSOLRと同期した存在が見つかった。。。それだけです。」
技術担当が更に畳みかける
「SOLRですら、我々が制御しているわけではないのです。我々がやっているのは、超電導コイルの磁場によりペタルの軌道をガイドパイプ内に留めている、それしかしていないのです。」
「なぜ無尽蔵のエネルギーを取り出せるのか、実は解らないことの方が多いのです。」
「A国が取り決めの1/12よりも多くSOLRのエネルギーを使ってるからじゃないのか!」
「オタクのところこそ、SOLR管理局にスパイを送り込んで情報を独り占めしようとしていたって過去があるじゃないか」
喧々諤々の議論とも呼べない喧噪のなか突如、会議システムがシャットダウンする。
「量子通信網が影響を受けて不安定なようです。」
「後日改めて一席をもうけます。」
各国にメッセージを送信したのち
シローに目くばせをする司会役のSOLR管理局長。
先ほどまでの喧騒が嘘のように全くの無音になるホログラムドーム。
シローが局長に問う
「実際のところどうなってるんです」
「我々にもわからない。ただ、二つの存在が互いに影響しているのは間違いない」
「それで、ウチにできることは?」
局長は口元をわずかに緩めた。メガネの奥の目は氷柱の様に冷たく鋭い。
それだけは言わないで欲しかったシローの淡い期待を簡単に裏切って、局長の口から最も恐れていた単語が紡がれる。
「取りに行く」
間違いだとの淡い期待を込めながらシローが問う
「………何を?」
「もうひとつのSOLRを」




