異変
ライザがPCと格闘しているころ政府内ではSOLRに関する緊急招集がかけられていた。
12の地域代表エネルギー担当大臣クラスの面々が量子通信により、ネット空間に一同に会している。
スーツ姿の大臣たちに交じって異彩を放つ宇宙局の制服姿の男も居た。
司会役が口火を切った。
「数週間前より12系統全てで出力変動が確認されています。」
皆が一斉に声にならない叫び。会議システムにより自動的にミュートされる。
数秒の沈黙の後、司会役が続ける。
「現地南極から技術担当が説明致します。」
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「皆さんがご存知の通りSOLRは前時代に南極地下300mで発見されました。」
「シードを中心としてペタルがガイドパイプ中を3.33Hzで周回しています。ガイドパイプには超伝導コイルがあり、その発生する磁場によりペタルの軌道を制限しています。コイルはあくまで軌道をガイドパイプに収めるためだけであり、周回方向はフリーとなっておりますが、数百年の間、周回周期は安定していました。」
「しかし、この周期に揺らぎが発生しています。」
「揺らぎにより各コンジットの出力が変動。各地域において瞬断や電圧の変動が発生しています。」
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「SOLRの安定利用が実現されて以降、こんな事態は初めてだぞ。」
「今後の見通しは?!復旧はできるのか?!」
「現時点で原因調査中です。復旧の見込みは………不明です。」
場が静まり返る。
しばしの沈黙の後、宇宙局のシローが重たい口を開く
「……一つ、気になる報告があります。」
「太陽系外縁部で未知の光放射が確認されているんですが…」
「それがどうしたって言うんだ…!」
大臣の一人がイラつきをシローにぶつける
「SOLRの周期と同期しているんです」
落ち着いて話すシロー
「同期だって?!どういう事だ」
「周期の誤差は観測限界以下です」
シローがやれやれと首を振りながら重ねて言う。
「遥か、太陽系の端で同じ周期の光放射を確認しました。」
「どういう事だ」
「それが今回の件と何の関係が…!」
各自が勝手に発言するため、マイクオンラインを示すランプが
SOLRのペタルの如くぐるぐる回っている。
「今わかっていることは500億キロ離れた2つの光放射がシンクロしているってことです。」
「つまり……もう一つSOLRがあります。」




