SOLR-Ⅱ
完成したリングを牽引するⅡ号。
SOLR-Ⅱとのコンタクトまであと数キロ。
もう窓から肉眼で視認できる。
「…キレイ」ジュンが思わず呟く。
スノードームの様に虹色にきらめいているシード。
その周りを3.33㎐でペタルがグルグル回っている。
ここからはジュンが作戦の指揮を執る。
「シードの中心を正確にロックして。さらに減速して前進。」
ビーに指示を出す。
「ニャウニャウ」
「コンタクトは5分後。」
窓から見えるⅡがだんだん大きくなっていく。
バッテリー駆動の為いつもより薄暗い船内に射し込む
虹色の影。
やがて、コンタクトポイントに到着。Ⅱ号が静止して、反転。牽引していたリングを前に出す。
「ギルさん、聞こえていますね。準備できました。よろしくお願いします。」
「ぅおっけい。超電導コイル起動。」
「一発勝負だ、しっかりやんな。」
「ペタルの移動周波数安定している。トリガーポイント設定。」
「ペタルとガイドパイプのシンクロ率100%」
「ビー出番よ」
「ニャニャ」
船の位置を調整し、ガイドパイプの中心をシードにロックオン。
設定値ピッタリで船を接近させる。
「流石です。ビー」
「ギルさん、合図して下さい。」
「あいよ。」
「3」
「2」
「1、今だ!」
「ロック解除!逆噴射!」
「ほいっ」「ニャーウ」
切り離されたガイドパイプ。慣性でSOLR-Ⅱで近づいていく。
ガイドパイプには一か所だけ、意図的に閉じていない開口部がある。
そこからペタルを迎え入れ、軌道拘束を開始する。
固唾をのむ一同。ゆっくりパイプが近づく。
「ギルさんとビーなら大丈夫です。」
自分に言い聞かせるように言うジュン。
スッ
あまりにもあっけなく一か所だけ空いたパイプの隙間から中に入るペタル。それにより、シードもガイドパイプ中心部に留まる。
「ジュン、最後の仕上げだ」
ハッと我に返るジュン。
ビーに急ぎ指示。
「回り込んで、正面へ」
「ニャーン」
素早く正面に回り込む。
「ギルさん!」
ドローンを操作しパイプを閉じる。
「艦長。これでひと段落です。後は簡易コンジットパイプで接続するだけです。」
「了解。よくやったわ。ジュン」
「ありがとうございます。艦長」
大きく息を吐くジュン。
「よくやったな、ジュン。後は俺に任せとけ。」
引き続きドローンを操作し簡易コンジットパイプを接続。船体と固定する。
「接続完了。Ⅱのエネルギー充填開始」
「艦長、すべて順調。予定通りだ。」
Ⅱエネルギーで満たされた船内。照明も明るくなり、帰途に就く。




