接触
ライザたちがⅡを画像で確認してから数週間。
Ⅱ号は次のフェーズの為、SOLRから安全距離を保ち静止していた。
「さぁ、ここからが本番よ!!!」
既に船外では数十機のドローンが飛び交っている。
「ライザ、すまん、トラブル発生だ」
ギルからの報告にキュッとしながらも、落ち着いた声で返す。
「お父さんどうしたの?」
「ガイドパイプ#8、ドローン同士の接触により破損」「修復に3時間程度」
ペタルのガイドパイプを船外作業で組立中だ。構造上並列作業できないため、このトラブルのため3時間のサスペンドとなる。
「了解お父さん。一度休んで、もう12時間ぶっ通しよ。」
他のメンバーも一息。
「ちょうど皆そろってるわね。もう一度手順の確認よ」
ギルお願い。
「ガイドパイプは36分割されてカーゴベイに積んである。3セグメントずつ接続して一つのユニットを作る。その中央セグメントには超伝導コイルが組み込まれている。」
「それを、12セット作る。」
「最後にそれを組み立てる。で、8個目が破損した」
後はジュンが一番詳しいわね。ライザが促す。
「はい。ガイドパイプの超電導コイルでペタルの軌道を拘束することにより、ガイドパイプの中心にシードを誘導します。」
「そして、船内のⅠエネルギーを全て放出。Ⅱより得られるエネルギーを充填します。全て入れ替えることにより、位相変換器は不要となります。」
「そこまでで、捕縛完了ってことね。後は私の仕事ね」
「そして、フルスピードで地球に戻る」
私も、皆も家族のもとへ帰れる。
ピンピロリん。ギルの腕時計端末のアラームが鳴る。
「#8修理できた。残り4個だ。」
それを合図に持ち場に戻る面々。
数時間後、作業は滞りなく完了。宇宙空間に巨大なリングが浮かんでいる。
ライザがギルに指示を出す。
「ギル、やって」
「了解。もう後戻りはできないぜ。」
ギルがバルブを操作し、船内のⅠのエネルギーを残らず放出する。
船体後部から放出されたエネルギーが虹色の輝きを放ちながら霧散していく。
「ここからはバッテリーだけが頼りだ。頼んだぜ、艦長」
SOLRエネルギーを放出し、バッテリーのみで微速前進するⅡ号。




