位相
36時間後地上の管制からレスポンスが返ってきた。
「こちら管制。やっぱり来たか。Ⅱ局でも意見は一致している。準備でき次第、Ⅱとの位相同期作業を進められたし」
「Ⅱ船、ライザ了解。これより作業に入る。完了次第連絡します」
この通信が地上に届くころには結果が出ているんだろうな、と思いながら送信ボタンを押す。
腕の端末を操作し、クルーに集合をかける。サロンで皆が顔を合わせる。
「これまで、詳細は言ってなかったわね。」
「我々の船は地球でSOLR-Ⅰのエネルギーを充填してここまで来た。」
「でも、もうⅡのそばまで来てる。それにより、地上で起きてる変調がこの船にも起きてるの。しかも、地球より影響力はもちろん強いわ。」
ギルが続ける
「本船は全システムをシャットダウンする。そして、位相変換器を起動し、Ⅱの位相に同期させる形で再起動する。これでうまくいくとワシもⅡ局も見解は一致してる」
「ただし、変換器の容量は限られておるからの、今後のエネルギーフローの限界値はおおよそ今の2/3じゃ。」
「ま、やってみなきゃわからんが、な!」豪快に笑うギル。
「さぁ、持ち場に戻って!急いで準備よ。システム再起動は60分後!」
それぞれが準備に走る。日頃の訓練の成果が出て再起動予定時刻の5分前には準備が終わりサロンに全員が揃う。
「準備整ったようね。じゃギル、頼んだわ」
「よし、シャットダウン。」
居住区の回転が徐々に遅くなり、重力が弱まる。
浮かび上がるペンと分厚いマニュアル。
30分程で回転停止し、照明も消える。
機関部で作業しているギル。照明も消えているため、ヘッドライトのみが頼りだ。
「よし、これで変換器接続完了。」
腕時計型端末で呼びかける。
「ライザいつでもOKだ」
「了解ギル。ありがとう」
続けてジュンに指示する
「システム再起動!」
ピポッ
再起動の度にこの音が鳴る理由をライザ達は知らない。
機関部から報告が入る
「エンジン出力安定。変換器動作順調。順調に推移している」
暗闇だった船内、ブロック毎に照明が復旧する。
モニターを監視していたジュン
「再起動完了。人工重力発生開始します」
30分で重力も安定。
位相変換策は無事に終わる。ギルからも報告を受けて地上のシローに通信を送るライザ。
「無事に終わったわ。システムは今のところ順調。工程の修正も必要なさそう。ギルやジュン、他のみんなのおかげよ」
細かな軌道修正のみ行い、「ニャン(ビーのおかげ)」
Ⅱ号に日常が戻る。




