重力
発進から数時間、ライザが船内にアナウンスする。
「こちらライザ。加速度安定。地球への影響圏から離脱。コレより人工重力リングの回転を開始する。回転が安定し1G発生までは30分の見込み。それまでマグネットブーツは着用を推奨。」
「みんな転ばないでね。」
猫に指示する。
「ビー、お願い」
「ニャウン」
音声コマンドは正しく認識され、居住区がゆっくり回転し始める。
やがて、1Gで安定し、地表と変わらない重力下となる。
サロンでこの船最初の食事。
ライザが音頭。
「みんな聞いて頂戴。改めてこれから3年、いや6年の長い航海になるけど、よろしくね。」
頷く一同。オレンジジュースやミルクだったり、昆布茶だったり、各々のグラスを傾ける。
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2日後火星近傍を通過中。
ジュンから報告が入る。
「火星探査基地より入電。映像で確認せよ、とのことです。」
ライザが指示を出す。
「何かしら。火星基地の映像を適正倍率で中央画面へ」
火星基地のサーチレーザーが明滅する
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ライザが首をかしげる。
ジュンが小さく笑って、
「73です。『幸運を』という意味ですよ。」
ライザも笑う。
「ありがとう。」
そして小さく呟く
「必ず帰るわ。」




