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『ナツキちゃん〜ひとりごと〜』Ⅰ

 ヤッホー、千鳥ナツキだよ〜

 この番組って、おかしな幕間? それとも変な番外編? まぁ……私もよく分かんないんだけどね。

 とにかく、あのバカ作者が『ナツキちゃん~ひとりごと』なんてタイトルをつけちゃったから、そういうことでよろしく。


 さて、ひとりごとって言っても、何をお喋りしたらいいのかな?

 みんな、本当は今頃、瑞希みたいな美少女(一応私もだけど!)が見たいんでしょ?

 残念でしたー。瑞希はクール系美少女だから、来てくれないんだよねぇ。

 作者が土下座したって来やしないの。ぷっ、可哀想に~

 はぁ!? 私が安上がりってどういうことよ!? あいつがあまりにも哀れだから、仕方がなく出演してあげてんの! 誰かが構ってあげなきゃダメでしょ?

 私以外だったら、それこそ菫くらいしか来てくれないっての。

 あ、そうだ。菫はまだ本編に出てきてないんだったわ。

 ……やっべ、ネタバレしちゃった。

 ドジだね、あたし~

 コホン、今のナシ。何も聞いてないってことで。


 そういえば、瑞希の足の怪我、もうすぐ治りそうなのよね。ってことは、あの鬱陶しい「青春ドキュメンタリー」の撮影任務がまた始まるってわけ。

 はぁ、疲れる。

 やっぱり、一体誰が委員長にお嬢様&メイドなんてネタを吹き込んだのか気になるなぁ。でも瑞希は聞くなって言うのよね。なんでだろ?

 実は私も、自分の見立てが間違ってたって認めざるを得ないんだよね。瑞希のこと、てっきり誰もが認める王道ヒロインだと思ってたから。

 こうして付き合ってみると、彼女は彼女で色々と苦労してるみたい。

 もし今回、ヒールを穿いてたのが私だったら、誰かがわざとサイズを間違えるなんて陰湿な真似、絶対されなかっただろうしね。


 そこで突如――!


 クラスの普段は目立たないモブ男子が急に立ち上がって瑞希を庇い、そこからあれよあれよと甘酸っぱい展開を経て見事美少女をゲット――

 ふん、このナツキちゃんがいる限り、そんなテンプレ展開は許さないんだからねー!

 王道ラブコメ禁止!

 なんで普段はただの背景モブのくせに、こういう時だけしゃしゃり出てこれるわけ!?

 筋が通らないでしょ!

 何、何かに憑依でもされたの? それとも急に変な能力に覚醒したの?

 だから――もし何かあるなら、瑞希のことは私が守ってあげる。

 ん? ナツキちゃん、実はツンデレ?

 はぁ――!?

 べ、別にツンデレなんかじゃないし! あんたのためにやったわけじゃないんだからね!

 あれ? なんか不可解な力に操られておかしなセリフを言わされたような……あいつ、自分の性癖をねじ込みやがったな……ケダモノ!

 執筆の途中でSNSの雑談配信を聴きに行っちゃって、戻ってきたら後半のプロットを忘れたからって、私を無理やり引っ張り出して場繋ぎさせるなんて!

 ほんと使えないんだから……。

 でも、そのおかげで私に一つ貸しができたから、ナツキちゃんは自分の名前の命名理由を語る権利を勝ち取ったのだー!

 あんたの目には、ナツキってどういう意味に見えてる?


「夏に希望」――夏希。


 ふふん、どうよ! 素敵でしょ!

 ジャジャーン!

 ナツキちゃんの真名、ここに解禁!


 千鳥夏希――!


 パチパチパチパチ。


 おい、真名は転校生じゃないわ! ぶっ飛ばすよ?

 あ、瑞希に呼ばれた。じゃあ、お喋りはこれくらいにしとこうかな。

 ……っていうか、私と瑞希の絡み、ちょっと多すぎない?

 そろそろ、こう……ゴホン、私にも男主人公を配置するとかさぁ……。

 なーんて、冗談冗談!

 バイバ〜イ! また明日ねー!

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