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信長英雄記〜かつて第六天魔王と呼ばれた男の転生〜  作者: 揚惇命
3章 タルカ侵攻作戦

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61話 親オダ派の傭兵隊長

 サブロー「さぁ、お前たちに最初の仕事を与えよう。牢屋の中の掃除とそこのゴミを片付けるのだ」


 反オダ派たち「は、はっ!」


 親オダ派首領「なぁ?アンタ。ちょっと良いか?」


 サブロー「そうであったな。ここにはもう1人捕えられていることをすっかり忘れていた」


 親オダ派首領「アンタ鬼だよ。そいつらの元隊長や仲間をゴミ呼ばわりして掃除させるなんてよ」


 サブロー「ククッ。敵から鬼呼ばわりされるなら本望よ。俺が守りたいのは、この国であって、隣国では無いからな」


 親オダ派首領「俺もそいつとは面識、いや同郷の者として、テメェに言いたいことがある」


 サブロー「良かろう」


 親オダ派首領「お前さん…良いね〜最高だ!」


 サブロー「ん?」


 親オダ派首領「俺たちは傭兵だ。金払いが良い方に付く。だが傭兵ってのは戦場じゃ悲しい生き物でなぁ。いつだって盾扱い…最前線で逃げることすら許されねぇ」


 サブロー「ふむ」


 俺の知る傭兵と少し違うな。

 鉄砲傭兵団としてその名を馳せた雑賀衆は、いつだって俺の前に立ち塞がったが形勢不利と判断すると逃げ足も早かった。

 この世界では、前線で使い潰されるだけということか…これは良いことを聞いた。

 そういう状況を幾度となく生き残った強者は、鍛え抜かれた精鋭と言えよう。


 親オダ派首領「で、俺たちはガルディアン王国の上の連中に人質契約で縛られてて、もっと安い賃金でこき使われてるわけだ」


 サブロー「人質契約?」


 親オダ派首領「要するに俺たちが裏切ったり、帰らなかったら人質になってる大事な人が…まぁ…その…な。酷い目に遭うわけよ。な?わかるだろ?」


 サブロー「ククッ。要は、大事な人を守るために俺と交渉がしたいということか?」


 親オダ派首領「まぁ、そんなところだ。俺の名はジャックス。貴族じゃねぇから家名みたいなのはねぇ。人質に取られてるのは妻と娘だ。俺が帰らなきゃ。まぁ…その…性奴隷として上の連中の慰み者になっちまうわけよ」


 サブロー「それが真実かどうか俺に判断できない時点で交渉材料として、弱いがな」


 ジャックス「そんなことは百も承知だ。だから情報と一つ約束できることがある」


 サブロー「ほぉ。話してみよ」


 ジャックス「ガルディアン王国とマジカル王国が繋がっているのは、お前さんの推測通りだ。いや、もっと言うなら上の連中の何人かは、中身が変わってる」


 サブロー「中身が変わってるとは?」


 ジャックス「元々のガルディアン王国は、騎士道を重んじ、義理と忠節を大切にしていた国だった。それこそ、アイランド公国と手を結びながら裏でマジカル王国と一緒にアイランド公国を貪るなんて真似は絶対にしない。それが変わった辺りから上の連中の一部の言動が明らかにおかしい。微かな違和感ではあるがな」


 サブロー「成程。お前、さては王族の1人か?」


 ジャックス「!?さぁ、どうだろうな。俺は昔から剣一本で生きてきた男だ。女に油断して痺れ薬を盛られる愚かな…な」


 サブロー「それも作戦であったように思うが…キチョウたちからお前の動きは終始おかしかったと聞く。おとぼけたかと思えば、動きの読みやすい激昂で、大振りして、隙を作ったと」


 ジャックス「へぇ。よく見てるじゃねぇのあの嬢ちゃん。女にしておくのは惜しいな」


 サブロー「認めるんだな?」


 ジャックス「あぁ。認めるよ。俺は何とかして、最近頭角を現したアンタとコンタクトが取りたかった。ガルディアン王国に蔓延る悪を追い出すためにな」


 サブロー「それだけじゃないだろう?妻や娘を人質に取られたと言ったが…自ら城の方へ向かったのではないか?」


 ジャックス「!?見てないのにどうしてわかった?」


 サブロー「これは、俺の独り言だ。この大陸のずっと北にある大陸にな。魔王という存在がいるそうだ。そいつは、魔族や魔獣と呼ばれる異形のモンスターを多く抱えているそうだ。その中にな。女を誑かす奴も居ると聞く。お前の口ぶりから消えたのは女だけなのだろう?そして、間も無くガルディアン王からこう言われた…お前たちの妻は人質として預かった…返して欲しくば新たな契約を結べと」


 ジャックス「ハハッ。こりゃ、マジカル王国の宰相なんかしてるアイツも警戒と同時に頼もしさを覚えるわけだ」


 サブロー「ほほぉ。マジカル王国でも同様のことが起きておるのか?」


 ジャックス「いや、向こうは今までの政策から180度変えられたって話だ。国民は混乱しつつもまるで薬漬けにでもされてるみたいだって嘆いてたよ」


 サブロー「両方の国とも阿保ばかりでないことがわかって何よりだ」


 ジャックス「ハァ。阿保か。確かにな。昔から知る人間の考えが180度変わるなんてこと普通じゃ考えられねぇよ」


 サブロー「洗脳の類か若しくは本当に中身が変わっている可能性もある。成り変わりとかな」


 ジャックス「いやいやいや、振る舞い自体に変化はないんだ。明らかに言動に少し違和感を抱くだけで」


 サブロー「ふむ。これも昔聞いた話で俺の独り言だ。北の大陸に住むアマゾネスと呼ばれる亜人たちは、死霊遣いという男に大切な者たちを殺され使役されて戦わされたそうだ」


 ジャックス「な!?まさか、そいつが上の連中の何人かを操り人形にしてるってことか!?」


 サブロー「さぁな。俺が知る情報は話した。お前からも良い情報を得た。交渉は成立だ。後、これも餞別にくれてやろう。真ん中のボタンを押している間だけ通話できる魔道具だ」


 ジャックス「な!?恩にきる!こちらでも何かあれば報告する」


 サブロー「戦場で会えば敵同士だが、知らせてくれれば善処しよう」


 ジャックス「へっ。流石にあの武器を向けられると全滅は免れないからな。そうしてくれると助かる」


 フッ。

 1人は、馬鹿で。

 1人は、救国の英雄であったか。

 まぁ、こちらも良い情報を得た。

 俺も気をつけるとしよう。

 ここまでお読みくださりありがとうございます。

 ブックマーク・良いね・評価してくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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