56話 運命は巡り巡る
サブロー・ハインリッヒが反オダ派と親オダ派などと名乗り合いながらくだらない内乱を続ける馬鹿どもに呆れていた頃、敵情視察をしていた女性だけの軽騎兵団の隊長を務めるウマスキから面白い砦があると聞き、供回りを連れて出陣し、タモンヤマに着いた。
サブロー「ほぉ。まさかこの時代で、今は亡き義父が整備した稲葉山城を見ることになるとは…フハハハハ」
サブローは、タモンヤマと呼ばれる地で自身も本城にした懐かしの城と出会い感心し、ボソボソと呟いた後、大笑いした。
ロー「若、突然笑われるなどどうなされましたか!?」
サブロー「ロー爺よ。心配させてすまない。こっちの話ゆえ気にするな。では、ここの城主とやらにお会いするとしよう(さて、誰が出てくるやら…ここまで城を完全再現するなど俺が過ごした世界からのまれびとであろう。金柑頭か義父殿かはたまた竹中半兵衛か。誰が出てきても昔話に花を咲かせることになろうな)」
ここで、説明しよう!
金柑頭とは、本能寺の変で織田信長を裏切った明智十兵衛光秀の事である。
義父殿とは、稲葉山城を本格的に整備し、織田信長に娘の帰蝶を嫁がせ友好関係を築いた斎藤道三別名を蝮の道三と言い、戦国時代を代表する群雄の1人である。
そして竹中半兵衛は、通称の半兵衛で知られている竹中重治のことで、ハゲ鼠こと豊臣秀吉に仕え、その知謀の冴え渡り、三国時代の名将の1人諸葛孔明の再来と言われ、今孔明と言われた天才策略家である。
竹中半兵衛については、織田信長が家臣に誘いたいと豊臣秀吉に勧誘をさせたとか、稲葉山城について物凄く詳しかったらしく、僅か17名で奪取したという話もあるんだ。
以上、説明終わり。
ポンチョ「じゃあ、ここはおいどんに任せて欲しいでごわす。城主殿は御在宅でごわすか?オダの領主、サブロー・ハインリッヒ様が御目通りをとお伝えして欲しいでごわすよ!」
ポンチョのよく通る野太い声を聞き、リドルたちが本物かどうか確認し合っていた。
リドル「な!?本当にオダの領主様なのか?」
マッスル「間違いないんだなぁ。あの人こそオイラの憧れている相撲チャンピオンことオダの領主様の親衛隊の1人ポンチョ・ヨコヅナさんなんだなぁ!」
スタンリー「向こうに見えるのは、弓を扱うものならオダの領主様のお世話係との名勝負を知らない人間は居ないとまで言われた俺も憧れている的当てチャンピオンのスナイプ・ハンターさんだ!」
リドル「2人が言うなら間違いないんだな!良し」
リドルはスゥと息を吐き。
リドル「オダの領主様方の来訪を我ら一同心待ちにしておりました。今姫様にお伝えしてきますので、もう暫くお待ちいただけますでしょうか?」
サブロー「姫?まさかな」
ポンチョ「とのことでごわすが如何するでごわすかサブロー様?」
サブロー「あぁ、待たせてもらうとしよう」
ポンチョ「承知したでごわす。ゴホン」
ポンチョは咳払いをすると返答を返す。
ポンチョ「我らはここで待ってるので、そちらも早く姫様とやらに伝えに行くと良いでごわすよ」
リドル「御心遣い、感謝致します!」
サブロー「まぁ、この地を治めているのが女性であれば身嗜みに気を使うのも無理はない。キチョウにそう伝えるが良い」
この時、義父殿・稲葉山城・妻という単語が混ざり合い、サブロー・ハインリッヒはここにいるのが自身の知る帰蝶である事をほぼほぼ確信していた。
キチョウ「あらあら、殿の事だからもう少し驚いて下さるかと思いましたのに、残念だわ。ふふっ久しぶりですわねうつけ殿」
サブロー「フハハハハ。俺をうつけと呼ぶなどやはりお前であったな帰蝶!」
ロー「あの姫君は確か、チャルチ領主アダムス・プリストの娘…今はそのプリスト卿の弟でマリーカ領主リチャード・バルケスの養女であったはず。若と面識は無いはずだが…この親しげな様子はどういう訳だ?」
ジャガ「さぁな。まぁ、敵じゃ無いってんなら今はそれで良いんじゃねぇか。しかし、このクラスの砦を作れるのはサブローの旦那ぐらいだと思ってたが他にもいたとはねぇ」
テキーラ「イモよ。お前の目から見てもやはりこの砦は凄いのか?」
ジャガ「あぁ、凄いなんてもんじゃねぇ。防衛機能としてもそうだが居住空間まで考えられて作られているのが外から見てわかるんだからよ。そしてそれが城じゃなくて砦なんだぜ。恐ろしい話だ」
ロー「そういうものか」
サブロー「お前たち、何をしている!帰蝶が案内してくれるそうだ。ついて参れ、迷子になっても俺は知らんぞ。ワハハハハハ」
ロー「若、お待ちを!まだ罠の可能性も…あ!ちょっと!ええい、皆何があっても警戒は怠らぬようにしてついて来るのだ!」
帰蝶の案内で、まずは厩に案内される。
キチョウ「ここで馬を世話してもらっていますのよ。そちらのお嬢さんは、前にもこの辺りに来たことがあるから知っているわよね?」
ウマスキ「な!?な!?な!?何で、知ってるの!?」
サブロー「ウマスキよ。そう狼狽えては、それが本当だと相手に伝えることになるぞ。まぁ、昔からあんな経験ばかりしている帰蝶の前では、バレバレであろうがな」
キチョウ「そうね。あっちでも何度も殺されかけたけどこっちではその倍は殺されかけてるから、知らない人の動きには敏感なの。ごめんなさいね。変な動きしてたら殺されてたかも」
ウマスキ「変な動きって例えば?」
キチョウ「そうねぇ。馬に見惚れて手を伸ばすとか」
ウマスキ「あ、危なかったっす!もう少しで可愛い馬だなぁって触っちゃうところだったっす!」
サブロー「帰蝶よ。俺の大事な軽騎兵の隊長を揶揄わないでもらえるか?」
キチョウ「あらあら、殿が庇うなんて大層お気に入りなのね。クスクス」
まさか、こっちでも俺が1番愛した女に会えるとは、ということはお前もあっちで死んでしまったのか…信忠はお前によく懐いていた…今頃大層悲しんでいるのだろうな…俺と帰蝶の分まで強く生きて、織田のことを頼むぞ信忠。
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