54話 内乱中のタルカ情勢
タルカの主要拠点と要衝を抑えたサブロー・ハインリッヒは、勝手に反オダ派と親オダ派と名乗り内乱を始めた馬鹿どものせいで民の矛先がオダへと向く可能性をモリトキから聞く。
サブロー「であるか」
モリトキ「お館様は、どのように動かれるおつもりですか?」
サブロー「ふむ。何かをするつもりはない。好きにさせておけ」
モリトキ「それでは、タルカ領の民の恨みがお館様に向かいかねませぬ」
サブロー「構わぬ。時勢が読めず物事を考えられず悪戯に乱を起こした側でなくこちらへ矛先が向くと言うのなら、そんな愚かな民は必要ない。もう下がるがよい」
モリトキ「くっ」
モリトキだけでなくレイヴァンド・ローを始めとした主要な面々も此度のサブロー・ハインリッヒのタルカ領の民への対応に頭を抱えていた。
ロー「モリトキ、戻ったか!して、若は?」
モリトキ「悪戯に乱を起こした側でなく、こちらに矛先が向くのならそんな愚かな民は必要ないと仰せだ」
ロー「若は、一体何を考えられている!ここは、俺が一言ガツンと」
ジャガ「待てよローのおっさん。モリトキのおっさん、サブロー様が本当にそう言ったんだな?」
モリトキ「あぁ」
ジャガ「民は国の礎…だが時には敵ともなる…まさか、民ですらふるいにかけるつもりなのか?」
テキーラ「民をふるいにかけておるじゃと?」
ジャガ「あぁ、俺の考えが正しければサブロー様はおそらく民ですら必要な人間と必要ではない人間を分けようとしている。全く恐ろしい人だ」
ロー「だが民が減れば、遠征に伴う兵糧の確保が難しくなる。民までふるいにかける必要などあるまい?」
ジャガ「いや、民の中にも俺がそうであったように頭の回る奴はいるはずだ。そいつらは、元凶をきちんと見極めるだろう。そして、真っ先に動き、同じ考えの奴らで集まる。貴族の中にも反オダ派や親オダ派に付かず自らの領地の民を守るために動く奴もいるだろう。そういう気概のある奴を見極めてる。だからこそ、動くべきではないと判断したってところか。この見極め方は、一歩間違えれば全ての憎悪がサブロー様に向く。だからこそ慎重に動くタイミングを見極めてるんだろうよ」
ロー「それならやっぱりまずいではないか!今すぐに若に動くように進言せねば!」
テキーラ「ワシもそう思う」
マッシュ「ふむ。そのような博打はやめさせておくべきだろう」
ジャガ「いや、やめておいた方が良い。そもそもサブロー様は言って聞くようなタマか?進言してものらりくらりと交わされるだけだぜ」
席を立とうとした面々も今や全体の軍師としての立場にあるジャガ・イモの言葉を受けて、座り直してどうするべきかと頭を抱える。
その頃、サブロー・ハインリッヒは。
ウマスキ「以上が私たち軽騎兵斥候部隊が仕入れてきた各タルカ領内の勢力図です」
ウマスキによって広げられたタルカ領の地図を見ながらサブローが気になったことを聞いていく。
サブロー「反オダ派と親オダ派であったか。それの中間地点にあるココはどちらにも所属していないようだが、ココに城や砦など無かったとタルカを昔から知るマスク夫人から聞いていたのだが、ウマスキよ。お前の報告では、城のようなものがあったのだな?」
ウマスキ「はい」
サブロー「この辺りは確か。タモンヤマと呼ばれていたのであったな?」
ウマスキ「私は、地名の名前に詳しくないのでわかんないです」
サブロー「であるか。して、反オダ派や親オダ派などと言い煽っている貴族どもに与していない貴族については?」
ウマスキ「はい。地図で示すとこの辺りの貴族は与せずに民たちを守り抵抗を続けています」
サブロー「ふむ。全く使い物にならない奴らばかりでなくて行幸だ。ウマスキも疲れたであろう下がるが良い」
ウマスキ「はい」
サブローは静かに立ち上がると鎧を着て、下知を下す。
サブロー「皆の者、出陣じゃ!タモンヤマを目指すぞ!」
ロー「若、お待ちください!タモンヤマ?あんな何もないところに何をしに行かれるのです?それよりも内乱をどのように治めるべきか」
サブロー「ワシは伝えた。では、行く!」
テキーラ「ちょっとお待ちくだされ!我々はまだ何も支度を…」
ジャガ「ハハッ。全く何考えてるかわからないほど恐ろしいものはないよな。テキーラのおっさん、ローのおっさん、マッシュのおっさんもすぐに準備しねぇと見失っちまうぞ」
各々が急ピッチで急ぎを進める中、外では。
ヨコヅナ「お待ちしておりましたでごわす」
セル「いつでも出陣できるようにとのことでしたので!」
ウマスキ「休ませてくれるんじゃ無かったんですかサブロー様!」
スナイプ「俺の弓兵部隊は、いつでもサブロー様の敵を撃ち抜く準備はできてますぜ」
サブロー「フッ。では、行くぞ!ついて参れ!」
ヨコヅナ「腕がなるでごわす」
セル「重装歩兵隊の力を見せ付ける時です!」
ウマスキ「セルたちがきちんと防いでくれてる間にウチらが横っ腹を貫いてあげるからね〜」
スナイプ「援護は任せろ!」
頼もしいサブロー麾下の兵たちと共にタモンヤマを目指すサブロー・ハインリッヒであった。
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