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信長英雄記〜かつて第六天魔王と呼ばれた男の転生〜  作者: 揚惇命
3章 タルカ侵攻作戦

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42話 語られる言葉

 モリトキは上手いことやったようだな。

 これで密猟団の殲滅は完了……残すは『デビルファイア』とかいう魔法師団だけか。

 それにしてもモリトキの奴め、考えたな。

 偽の言葉で誘導とは……な。

 後はこの餌に違和感を抱かず敵が食い付くか。


 ロレンス「ハインリッヒ卿、少し宜しいか?」


 ん?

 この者は確かレックスの旧友で『魔道の盾』とやらの副官を務めていた……名は確かロレンス・ウォーカーだったか。


 サブロー「構わぬ」


 ロレンス「改めて、友人の素性を聞かずに匿ってくれたこと感謝する」


 ワシに深々と頭を下げるか……律儀な奴だな。


 サブロー「気にするな。今、こうして利用してるのだ。助けた甲斐もあるというものよな」


 ロレンス「それはアイツが選んだことだ。ハインリッヒ卿が強制したわけではない」


 ほほぉ〜。

 少し怒らせてやろうと思ってわざと挑発したが本質を見抜いているとは、流石副官を務めるだけはある。

 ワシは優秀な人材は好きだ。

 褒めて遣わすぞ。


 サブロー「フッ。乗ってこないとはつまらん。まぁ良い。話というのはそれだけか?」


 ロレンス「話というのは他でもない『デビルファイア』を率いる将軍ヴァルカス・フォン・シュタインについてだ。アイツは『デビルファイア』を率いるようになってからのヴァルカス将軍しか知らないがあの人の本質は仲間想いなんだ。本人を前にしては、悪態を吐くことも多かったがアイツのことも高く買っていた」


 サブロー「であるか」


 それが本当ならヴァルカスとやらが変わり果てた出来事があったと見える。

 家族や友人を殺されたか……あるいは己の行いの何かが原因で大切な人が巻き込まれたか……。


 ロレンス「これは俺の独り言だ。昔、それこそまだレックスと出会うよりもずっと前、俺は年端もいかないガキだったが徴兵された事がある。それだけ当時のマジカル王国は兵士を集めるのに工面していた。北には超大国のノルマディック王国、東には大国ガルディアン王国、南にはとても頼りにならない島国アイランド公国、そんな頼りにならない国よりも小さかったのがマジカル王国だった。もっともこの時はマジカル王国なんて名前では無くファランクス王国だった」


 年端もいかないか……ワシの時代でいう小姓よりも若いといったところか。

 小姓の役割は、説明するまでもないだろう。

 夜の戦場におけるワシの相手役だ。

 ワシの住む日ノ本では、戦場におなごを連れ歩くという価値観がこの世界ほど浸透していなかったのでな。

 美少年を戦場に連れて行き、夜の相手をさせていた。

 勿論、それだけではない。

 戦となればワシの近習として戦う役目もあった。

 が……いくらワシの世界でも12歳未満を戦場に連れるということは中々にない。

 未熟な穴では……楽しめることも少なかろう。

 あの当時、妻や妾と致す時により楽しむための練習という側面もあった。

 いや、この考えはワシだけかも知れぬが。

 それゆえに元服して間もない子が望ましいというのがワシの自論だ。

 ワシが頷いてるのを見て、ロレンスの奴は続きを話すつもりのようだ。


 ロレンス「そんな使い捨てにされる少年兵の俺に、ヴァルカス将軍……いやあの時はまだ将軍……いや既に立派に兵を率いられていたな。まぁ、ヴァルカス将軍は、少年兵たちを集めて、前線で捨て駒にせずに後方支援を命じた。己もまだ16かそこらの若武者が臆することもなく前に出るのに、俺たちには1番安全な後方支援を」


 ふむ。

 それが本当なら武将としては、部下に慕われる良い指揮官と言えよう。

 現にワシにこんな話を打ち明け、なんとかしたいと思ってくれる者がいるのだからな。


 ロレンス「そんなヴァルカス将軍が変わったのは、両親と2人の兄を亡くして、少ししてからだ。ファランクス王国に魔法という概念がもたらされ、力を求めるように陛下が傾倒、ヴァルカス将軍も魔法に傾倒して、魔法大国となったファランクス王国は、その名もマジカル王国へと変えることとなった」


 サブロー「であるか。して、国の名前を変えるほど一国の王が魔法に傾倒したのがわからんな。魔法は剣や槍と同じくあくまで道具の一つであろう。それに聞く限り、小国の中でも頭一つ抜けていなければ大国にはなれぬと思うが……前の価値観を捨て去るほどだったのか?」


 ロレンス「ハインリッヒ卿がそう思われるのも無理はありません。ファランクス王国だった頃は、歩兵が花形でした。それが陛下が魔法にのめり込むに連れ、徐々に徐々に魔道兵の盾としての扱いへと変わっていきました。魔法を使うためには魔石を埋め込むしかない。プライドの高い貴族にもそれは浸透していき、でも己が付けるのは嫌、だから継承順位の低い子を魔導兵として言葉巧みに差し出して、作られたのが『デビルファイア』の成り立ちです」


 成程、我が子に継承順位が上になりたければ魔導兵になって手柄を立てろってことか。

 我が子を保身のための道具に利用するとは……いつの世も泣くのは親に利用される子供……か。


 サブロー「であるか。花形が歩兵だったと言ったが、その時はどんな戦術をしていたのだ?」


 ロレンス「ファランクス陣形です」


 サブロー「ふぁらんくす陣形?」


 ロレンス「知りませんか?槍隊を横一列に密集させ、攻撃する陣形です。正面突破を困難にさせますが側面からの攻撃には弱いというのが弱点です」


 ほほぉ〜。

 ワシの住む日ノ本では、長槍隊はその場に合わせて、何人かで突くのでは無く叩けと教えたが、成程横一列に槍隊を並べることで、正面突破を困難にさせられる利点があったとは、日ノ本では弓隊や鉄砲隊や騎馬隊は運用方法が明確にあったがそれに引き換え長槍の運用方法は、前列に並べて柵の代わりにする事がほとんどであった。


 サブロー「ほほぉ。弱点を補えれば、中々使えそうな陣形だ。良い話であった。だが、ワシは敵に情け容赦をかける甘い男ではないぞ。『デビルファイア』には悪いがここで壊滅してもらいマジカル王国にオダが脅威である事をこの地の亜人たちを守るためにも示さねばならぬからな!」


 ロレンス「心得ております」


 フッ。

 どうやらコイツはワシに奴らの想いというのを知って欲しかったというだけのようだ。

 まぁ良い。

 ここまでお読みくださりありがとうございます。

 ブックマーク・良いね・評価してくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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