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異世界貴族に転生した主人公は辺境領地を立て直す  作者: 古座一
第二章 領地繁栄
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第十九話 スタークの姫

 イザークとヘルタベルン軍のほとんどはヘルタベルンの中央都市イプセンに帰還していた。


元オーレン領にはモンテスタと治安維持の為の三百の精鋭が一時的に駐在し、本国ヘルタベルンからの指示を待っている状態だった。


「兄様ー!!」


屋敷の扉から勢いよくアリーゼが飛び出しイザークに抱き着いた。

その後ろからクラウスが表れ、皆をねぎらった。


「伝令から聞いてるよイザーク、此度の初陣本当に見事だったな。」


「ありがとう父さん。勤めを果たせてほっとしているよ。」


「イザークちゃんたら、初陣とは思えないほどホントにすごかったんだから。


「私も兄様の雄姿この目で見たかったです!」

家族での話に花が咲いた。


「ささ、とりあえず戦の疲れを取りましょう。野営続きで体も汗でベトベトですからね。イザークちゃん、ママと体拭き合いっこしましょう?」


「しません。」

『母さん親とはいえ見た目が前世の俺より顔もスタイルも若く見えるからな……。』


そう心の中で呟きながらイザークはエリーザの誘いをあっさりとスルーし屋敷の中にそそくさと入って行った。


次の日、ようやくスターク家からの使者が訪れる手はずになっていたので家族の面々は皆正装で出迎える準備をしていた。


しばらくすると一台の豪華な馬車が屋敷の前に止まった。


領主クラウス、エリーザ、イザーク、アリーゼ。そして分家のビラン、ラスター。家臣代表のモンテスタの代理としてコーリンが屋敷前に整列し、盟主スターク家からの使者殿を迎えた。


馬車の扉が開く。

中から出てきたのは意外な人物であった。


「姉さん!?」


「ただいま、久しぶりねイザーク。元気にしてた?」

そう、馬車から降りてきたのは姉のアシュレイであった。


「どうして姉さんがスタークの馬車に?学園は?」


「学園は今週から夏休みに入ったから帰ってきたのよ。帰郷と護衛を兼ねてこの馬車に同乗させてもらったの。」


『なるほど、そういう事か。……という事は姉さんの護衛対象が使者という事になるが……まさか……。』


馬車からもう一人がゆっくりと降りてくる。スラリとした足に気品の高いドレスに身を包んだ絶世の美女である。


「イザークは初めてお目にかかるわね。こちらがスターク……」


アシュレイが紹介を終える前にその美女はイザークにとびかかり抱き着いた。

使者のあまりの予想外の行動にイザークは固まったまま目を丸くするしかできなかった。


柔らかくしなやかな腕がイザークの首に絡みつき、細く金糸の様な髪がイザークの鼻にかかりいい香りがした。


アシュレイやアリーゼ、コーリン達女性陣が怒り混じりの驚き顔で使者を見た。

自分ですらそこまでイザークにベタベタした事無いのにといった感じである。

エリーザだけがやれやれといった表情で首を軽く振った。


「あなたがイザーク=ヘルタベルンね。話はアシュレイから聞いているわ。」


「あ……あの、あなたは?」


「あら、これは失礼、私はスターク連邦スターク王国第一王女、リノア=スタークです。よろしくね。」


「お、王女様が使者とは……。これは恐れ多いことにございます。」


「いえ、いいのです。学園生活中、あまりにアシュレイがやれ弟はカッコイイ、弟は強いとあなたの話ばかりするものですから、私もあなたに興味を持っていたのです。ずっと会ってみたかったのですよ。」


「姫様!それは言わない約束でしたのにっ!」

アシュレイが顔から火を噴かんばかりに赤面してリノア姫に詰め寄った。


「やれやれ、相変わらずのお転婆振りですなリノア様。この様な所で長話もなんです、まずは中へ。」


クラウスが柔らかな表情で姫を屋敷に招き入れた。

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