↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『盾を捨てろ、ぶっ飛ばせ! ~不遇スキル「シールドバッシュ」の無双英雄譚~』  作者: まーサンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/20

第十七話:新たな通り名と、すれ違う背中

伝説の鍛冶師ドナトの手によって生み出された漆黒の魔楯『オーガ・ガーディアン』、そして希少種オーガの強靭な素材から仕立てられた重厚な防具一式。それらを身にまとった俺は、かつてとは見違えるほど洗練された圧倒的な風格を纏い、再び冒険者ギルドの扉をくぐった。

俺が足を踏み入れた瞬間、ギルド内の空気が一変した。 ガヤガヤと騒がしかった酒場スペースが嘘のように静まり返り、あちこちからヒソヒソと気味の悪いほどの小声が聞こえてくる。

「おい、見ろよあれ……噂の……」 「間違いない、あの漆黒の巨盾……オーガを単身で屠ったっていう……」 「もう『不遇のゴミ楯』なんて呼ぶ奴は誰もいねぇよ……。今のあいつの通り名は……『鬼神の盾(オーガ・バシラー)』だ……!」

かつては「足手まとい」「荷物持ち」と蔑みの目で見ていた連中が、今は畏敬と畏怖の念を複雑に混じらせた視線を俺に向けている。 その変化を内心で冷ややかに鼻であしらいながら、俺は紹介状を書いてくれた恩人に礼を言うため、まっすぐカウンターの奥へと向かった。

「ギルド長、最高の工房を紹介してくれて助かったおかげで、最高の相棒が手に入ったよ」

そう言って、背中の『オーガ・ガーディアン』を軽く叩いて見せると、隻眼の巨漢――バルトロは満足そうに豪快に笑った。 「おう、見違えたなシード! その気迫、ドナトの野郎もいい仕事をしたらしい。お前なら、これからどんな修羅場が来ようと負けやしないさ」

バルトロと今後の依頼について軽く言葉を交わしている、まさにその時だった。

ガチャリ!

ギルドの重い木製扉が荒々しく押し開けられた。 入ってきたのは、見慣れた4人組――かつて俺をパーティーから追放した「暁の明星」の面々だった。

だが、その姿は見る影もない。 リーダーのレオンは鎧がひび割れ、魔法使いのアイリスは衣服が煤け、戦士のガルドはあちこちに包帯を巻いている。レンジャーのリネットに至っては、弓の弦が切れたままボロボロの足取りで引きずっていた。 彼らは、中位ダンジョンのごく浅い層で手に入れたであろう、小型の魔獣の剥ぎ取り素材をようやくの思いで抱えていた。

「はぁ、はぁ……くそっ、やっと戻ったぞ……!」 レオンが顔を真っ黒にしながら、いかにも「大仕事をやり遂げた」と言わばかりの意気揚々とした態度でカウンターへ詰め寄る。

「おい、マリア! 見ろよこれ! 中位エリアで小型魔獣の群れを俺たちが華麗に狩ってきたんだ! 査定急ぎな!」

かつては俺をこき使い、自分たちこそがこのギルドの花形だと信じて疑わなかった男の、あまりに痛々しいドヤ顔。 しかし、対応する受付嬢のマリアの目は冷ややかだった。彼女はカウンターの隅に立つ俺と、ボロボロのレオンたちを交互に見比べ、小さく溜息をついた。

レオンたちは、まだ周囲の異様な静けさに気づいていない。 自分たちに向けられているのが、賞賛の視線ではなく「なんだあいつら、まだそんな雑魚をドヤ顔で持ってきてるのか……」というあきれたような憐れみの視線であることにすら、微塵も気づいていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。