第15話【おにぎり作戦】 自炊Lv.1の俺を待ち受けていた、プロテインの迷宮
翌朝。
少し早起きした俺は、さっそく“おにぎり職人”へとジョブチェンジを果たした。
今日の具材は、塩昆布。
シンプルながら、昆布の旨味と塩気が完璧なシナジーを生む至高の逸品だ。
朝食、昼食の二食分。
握りたてのおにぎりとプロテインを用意し、バッグに詰め込む。
車内でおにぎりを頬張り、ストロベリー味のプロテインをキメて出社。
いちごの爽やかな酸味が喉を滑り落ち、朝にピッタリの味わいじゃないか。
水は会社の自販機で調達。
おにぎりとプロテインの持ち込みは時短にも繋がる、思わぬ収穫となった。
――そして、今日はついに、初トレーニングの日。
仕事中もソワソワが止まらず、定時になるや否や、俺はこっそりと無言退勤。
約束の五分前に到着し、呼び出しボタンを押す。
「どうぞ、お入りください!」
すぐに返事があり、俺はジムへと乗り込んだ。
持参したトレーニングウェアに着替え、みさきさんを待つ。
ほどなくして、彼女が現れた。
「いよいよ最初のトレーニングですね。心の準備はいいですか?」
「待ちに待った、という感じです」
一丁前に返事をしたものの「筋トレ」という言葉が一人歩きしていて、具体的に何をするのかは正直よく分かっていない。
「こちらのジムでは、BIG3を中心としたトレーニングを行っています」
び、ビッグ3……!?
その仰々しい響きに、思わず仰け反る。
圧倒的強キャラ感を醸し出すその単語。
混乱する俺をよそに、みさきさんはその正体について語り出した。




