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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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アラサー女教師たちと戸隠神社 1話

新学期が始まって、数ヶ月が経った。

ゴールデンウィーク中は仕事がなく、こういう時は公務員というのはしっかり休めるところはいい所だろう。


私こと松本みなみは休みの真っ最中だった。

ついに婚活を頑張った私にも彼氏が出来た。

そして、旅行に行こうと胸を踊らせていた。


「どこ行こっかなー、ナガシマスパーランドとかちょっと遠いところとかいいかも。」


なんとなく、昔読んでたるるぶを眺めながら人をダメにするソファーでゴロゴロしている。

なんて平穏な時間なのだろう。

あとは、誠二さんから連絡が来るのを待つだけ……


ピロリロリーン!


「きた!誠二さんからだ!」


私は急いで通話を開く。


「もしもし?」

「あ……みなみさん、お疲れ様です。」


改めて、この人は吉良誠二さん。

私と同い年のフリーランスのエンジニアだ。

最初は過労で死にかけててもやしみたいな男だと思ったけど、何度もデートを重ねる度に彼の良さに何度もきゅんときていた。


たまーに抜けてるところがあるけど、努力家だし……この前は誕生日でクルーズディナーをサプライズでやってくれたりと、まるで育てて進化したポケモンのように今は誇らしい彼氏へと昇華していた。


さて、今日も素敵なデートへのお誘いを


「ほんとにごめん!ゴールデンウィーク……休めない。」

「……え?」


ちょっと何言ってるか分からない。

いやいや!これから2泊3日の旅に行かなきゃでしょ!

え、これ……サプライズだよね?ドッキリ的な……?


「実は……案件も固定で貰えるようになったから人を雇うことにしたんだけど、まだJAVAとかC言語が弱くてね……ちょっと納期に間に合うかわからないから入ることになったんだ。」

「そ……そう……。」

「今度埋め合わせするから……あ、やばい先方から電話だ……また連絡します!」


トゥルン。


あっさりと通話が終わってしまった。

私は衝動的にベランダへと駆け寄る。

だめだ、今の気持ちを出さないと


「C言語のバカやろおおおおおお!!!」


心からの叫びを、マンションのベランダから叫んだ。

部屋に戻り私は缶ビールを一気に開けて飲み干す。


「全く!なんなのよもう……仕事に本気すぎるでしょ!」


多分誠二さんが聞いたらなんて理不尽な女だと思われるかもしれない。

だけど、この日のために仕事を前倒しにしてた私にとってはこのキャンセルはかなりショックだった。


という事は……しばらくゴールデンウィークは暇になる。

何をすればいいんだろう。

部屋の片付け……は昨日やったし、副業は公務員だからやったらダメだし、資格も社会科教師が何を勉強するんだろうって感じだし……。


んーーー。


しばらく、私は惰性でテレビのネトフリを眺める。

ポテチを食べて、ビールを飲んで、なんとなくアニメからみていた。

旅行がしたいから旅行のありそうなアニメを見ていたけど……むしろ切なさが倍増して、気がついたらアニメも止めて私は上を見ていた。


大人になるとアニメをみる集中力も削がれてしまうみたいだ。


「……そうだ、宮島先生なにしてるかな。」


友達のいない私はLINEの連絡先が職場とマッチングアプリで会ったクズ男しかいなかったのだが、とはいえ私が社会に繋がれるのは現状この中となる。


そして、私のために合コンとかセッティングしてくれた宮島先生を少し頼ろうと思った。

同い年だけど、本当に頼りになるんだよね。


私は少し躊躇って、息を思いっきり吸ってから通話ボタンを押す。

しばらくコールが聞こえてきて、出ないかなと思ったら、しばらくしたら宮島先生の声が聞こえた。


「もしもし〜?」


少しめんどくさそうだったけど、急に予定が空いた喪失感が湧き上がってきた。

やばい、泣きそう。


挿絵(By みてみん)


「宮島先生〜!!」

「な……なによ、急に電話かけてきたから何かと思ったらなんかおかしくなってるわね。」

「ぐす……実は、彼氏と2泊3日のデートの予定だったんですけど、仕事が忙しいってなっちゃって。」


宮島先生は少し不機嫌そうだったけど、話を割ることもなく最後まで聞いてくれた。

さすが元キャバ嬢。人の話を聞くプロだ。


「まあ……吉良さんフリーランスだし、少しの怠慢が仕事に支障をきたすからね。」

「わたし!あと4日もすることないんれすけど!!」

「……あんた、ちょっと飲んでる?」

「これが飲まずにいられますか!!宮島先生……私と遊んでくださいよ。」


私は気がついたら缶ビールを既に4本も開けていた。

呂律が若干回ってなく、支離滅裂な文法で自分の思いのまま言葉を続ける。


「あのね、あんた……私だって生活が。」

「え、じゃあ宮島先生明日は何するんですか?」

「……ホットヨガを朝にやったら終わり、いかん……ちょっと悲しくなってきた。」

「えー、じゃあ仲間じゃないですか。」

「うっさいわね!リア充のあなたより幾分か下よ!私は。」


宮島先生、綺麗だしこんなにも才能に溢れてるのになんで彼氏いないんだろう。

ちょっとした謎ができたけど、触れたら終わりな気がしたのでスルーする。


「あ、もしあれなら明日ホットヨガでもする?」

「えー?いいんれすか?」

「今日でも良かったんだけど、松本先生この泥酔だと無理だから明日の朝にしましょ。あ……ついでに佐々木先生も誘っちゃおうかしら!」

「えー!女子会れすね!あははは!」


ちなみに、佐々木先生は理科を担当してる同僚で28歳と私より2個上の同僚だ。

彼女も私たちと一緒に合コンに付き合ってくれるので、楽しみになっていた。


「じゃあ……また明日ね。私今ランニングしてるから。」

「はい〜!お疲れ様です!」


私は残りのビールを飲み干し、貴重なゴールデンウィークをほぼ惰性で終わらせてしまった。

だけど、この約束からとても楽しいものになるとは、この時はまだ思ってもいなかった。

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