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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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ゴールデンウィークと△関係 13話

……。

俺は、布団で横になっていた。

明らかに身体にかけていた負担のツケが一気に来たようで、とにかく身体が動かない。


どうして、黙っていってしまったのだろう。

昨日の夜に選択を間違えたのかこんな時でも答え合わせをしようとしていた。

こんな時間が来るとは分かっていたけど、妙に心にぽっかり穴が空いたようだった。


「……勉強するか。」


とはいえ、また模試が5月の半ばにある。

歩みを止める訳には行かなかった。

その後、俺は無心でただひたすら勉強していた。


夢華との時間を一旦忘れるかのように必死に。

勉強しては休んで、また勉強して……気がついたら時刻は夕方に差し掛かっていた。


ほんと、1日というのはあっという間に終わるものだ。

もう……頭が痛い。

何かを覚えたりするって改めて脳に負担がかかるんだと思い知らされる。


そんな時だった……。

ピロリロリーン!


誰かから電話が来る。

誰だ、こんな時間に。

俺はスマホを開くと……夢華からだった。


俺は通話を開いて反射的に力が入っていった。


「夢華!どうして黙って行っちゃったんだ!?」

「……びっくりした。」


どうしてもどこか心の中で夢華を忘れずにはいた。

気を使ってるのはわかる。

だけど、突然言葉も無しに去るのは正直怖かった。


「ごめん、直輝……昨日も相当弱ってたし、今日も成田空港までだからそこそこ遠いから負担かかるかなって思ったの。」

「で……でも!黙っていくことはないだろ!少し……悲しかったし。」


あ……余計なこと言った。


「……え?直輝、もっかい言って?え?もっかい言ってご覧?」

「うるさ……言うんじゃなかった。」

「冗談!だって、見送る直輝みると帰りたく無くなりそうだったから……自分に帰らせるためだったの。でも、こんなに悲しんでくれるとは思わなかった。」

「そ……そうか。」


でも、確かに今日はいつもよりよく寝れたし、勉強だってまた少し成長できた。

ぶっちゃけ、ここ一週間のツケを精算出来た気もする。

だから、夢華は俺にこうして自分の時間を作って欲しかったのかもしれない。


「それにしても……直輝かわいいな〜!沖縄に連れて帰りたい!」

「ペット!?ペットなの!?」


驚くくらい……いつも通りの会話だ。

昨晩、危うく一線を超え掛けた男女のやりとりとはとても思えない。


「直輝、また来るよ!そのためにまたママと喧嘩してくるね!」

「あの……来る時は事前に教えてくれな?びっくりするから。」

「とーぜん!んじゃあ、また連絡する!」

「おう。」


こうして、夢華は無事に帰ることができた。

少し寂しい気持ちもあったけど、彼女はまた前へと成長できたと思う。


全く、今回も沢山振り回されちゃったけど、多分この日を忘れることは無いだろう。


☆☆


1ヶ月後……。


雨季もそろそろ終わり、俺は静かに夏を待ちわびていた。

もはや東京ではクーラー無しでは生きられないとおもう。


「直輝くん、模試お疲れ様!出来はどう?」

「ああ……舞衣。ふふ、ほれ!」

「え……すごいじゃん!!今まで頑張った甲斐があったね!」

「ああ、ゴールデンウィーク後はほとんど勉強漬けだったからな……はは。」


俺は相変わらず勉強に打ち込んでいた。

先日の全国模試で俺は志望校をC判定まで上げていた。

全然レベルアップしてないように見えて、何度も復習をするとそれだけで伸びてくる。


「さーて!夏が勝負だな!目指せB判定……ん?」


すると、スマホに通知が鳴る。

見てみると、久しぶりに夢華からの連絡だった。


「夢華……?」

「え、夢華ちゃん!?」

「なんか、URLきてるな。」

「なにかしら……。」


YouTubeのリンクが送られる。

俺はそれを開くと……夢華の歌声が聞こえてきた。

彼女の青い海のような……澄み渡る力強い歌声が聞こえてくる。


「夢華ちゃんの歌手の活動始めたんだ……!てか、めっちゃいい曲。」

「なんだ、アイツも……夢に向かって頑張ってるんじゃん。」


あいつが初めて出した歌。

あいつはアサミさんと歌い手としてタッグを組んで曲を作っていた。

その歌は青春を謳歌する若者のように爽やかで一つ一つの言葉がアイツっぽくて、まだまだ荒削りな歌だった。

再生回数は1。


つまり、俺たちが記念すべき最初の観客だ。


挿絵(By みてみん)


「俺も……頑張らなきゃな!今日は勉強するわ。」

「相変わらずストイックね。また無理しちゃダメよ〜。」

「なんか、俺も負けてられないわ。」



夢華の歌声に励まされて、俺はまたペンを執る。

気がついたら、この荒削りな歌を何度もリピートさせていた。


この時は俺たちは……まだ気が付かなかった。

夢華が後に何曲も出して、その一曲曲がブレイクすることを。


ゴールデンウィークの押しかけから始まった彼女の物語。

それが少しずつのし上がっていくのは……また別の話。


6月は雨季の季節。

蒸し暑いのに、空は少し曇っていて、また一雨来そうだった。


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