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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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ゴールデンウィークと△関係 11話

その後、俺は医者に診てもらいただの疲労の蓄積だと判断してもらってすぐに退院することができた。


まだ少し身体がふらつくけど、さっきよりは明らかにマシだった。


そして、今は舞衣の家まで来ていた。


「なんとか帰れた〜。」

「ほんと……諸々助かったよ。」

「いいの!困ったらお互い様だし。あ、ここまでで大丈夫だからね!」


舞衣はそう言ってマンションに向かっていく。

どうやら明日はバイトのYouTube撮影などで忙しいみたいだった。


「夢華!明日……帰るのよね?」

「うん、本当は帰りたくないんだけど……全て終わったらこっちに来るよ。」

「うふふ、頑張ってね……歌ってる動画できたら真っ先に観に行くから!」


最後まで夢華の応援をしていた。

昔の舞衣だったらやらなかったけど、彼女なりに成長してるみたいだった。


「あ、油断したら直輝貰うからね。うちの方が魅力的だからな〜。」

「いや、俺は物か!」

「あはは、大丈夫よ……そこは負けないから。元気でね。」

「うん、舞衣にもまた会いたいし……元気でな。」


そういって2人はハイタッチを交わしていく。

もうこの2人はただの恋敵じゃない。

きっとそれよりも深い……友人のようなものなのだろう。


俺たちは暗く、少し肌寒い住宅街の中別れを交わし……その後夢華とまた帰り道を歩いていた。


「直輝!上着貸して?」

「ええ〜。」


夢華は少し震えていた。

まあ、ショートパンツに肩の出てる服を着てるのだから……そりゃあ寒いに決まってる。


「ほらよ。まったく……ここは沖縄と違って寒い時は寒いんだからな。」

「へへー、あったか!直輝の匂いするんだけど!」

「……人の話をだな。」


夢華はまた、年相応の女の子にもどる。

少し元気で……やんちゃな女の子に。

でも、それが彼女らしいといえば彼女らしかった。


……この時間も、明日で終わるのか。

そう思うと寂しくなってくる。


「あーあ、夢華もうちょい居てくれたら最高なんだけどな。」


……そんなことを口走ってしまった。

何言ってるんだろう、夢華は妹のような存在で……友達のはずなのに一緒にいたいとかんじてしまった。


「え……。」

「あ、い……いや、なんでもない。」

「いやいやいや!え?もっかい言ってご覧?ウチにどうして欲しいの?」

「うっさいな!もう!」


まったく、こういう時は都合のいい耳をしてるんだから。


「なーんだ!直輝は直輝でウチのこと大好きじゃん!ハグしてあげよっか?」

「しないし!」


ややこのレスバでは夢華の方が優勢か。

全く、地頭がいいからこういう時に頭の回転の早さと腹黒さには叶わんな。


そんなことを話してると、我が家に到着する。

家に帰ると……母ちゃんが料理を作っていた。


「ただいま〜。」

「あ!2人ともおかえり……って舞衣ちゃんは?」

「あー、あいつ明日もバイトなんだって。だから家まで送ってきた。」

「そうだったんだ!今日はご馳走よ〜。」


そういって食卓のメニューを見る。

今日は、せいろをつかった蒸し料理だった。

蒸した鶏肉にタレをかけたよだれ鶏や蒸し野菜など……若干中華チョイスだった。

エビチリやレタスとハムの盛り合わせなどがあり……母ちゃんが一生懸命作ってくれたことがわかるご馳走だった。


「すご!手料理でここまでできるんだ!」

「ふっふっふ。」


俺たちはよだれ鶏を食べる。

蒸しているから味がさっぱりとしつつ、ネギとタレの辛味がピリッとしていて、もはや主菜と呼べる代物だった。


「美味い……!」

「凄!もう居酒屋のよだれ鶏食えなくなりそう。」

「朝から塩麹につけたから柔らかいはずよ!」


俺たちは母ちゃんのご馳走に大喜びだった。

少し弱っていた体も元気になりそうなほど、とても良いものだった。


「夢華ちゃん、本当に遊びに来てくれてありがとうね。なんか……娘ができたらこんな感じなのかな?とか勝手に思っちゃったわ。」

「お、じゃあ義理娘になります?」

「おい、夢華……お前のそれは少し文字変わってないか?」

「あ、それもありかも。さっき直輝も寂しそうだったし〜。」

「おい、余計なこというなよ?」


夢華はたった1週間、急に押しかけきた生活だったけど……もう天野家に馴染みきっていた。

いつもより少し狭く賑やかになった家も明日で終わってしまうかと少し胸に穴が開きそうだった。


「遥香さん、ウチ……東京の学校に志願しようと思います。」

「え……。」

「ここは……沖縄と違ってウチがウチらしくいられる気がしてすごく楽しかった。きっとこの先ウチが知らない大変なこともあるかもしれないけど……遥香さんみたいに目の前の事に全力になりたいんです。」


その時だけは夢華は、真剣な顔をしていた。

いつものからかうようなにへら顔では無く、夢に向かって真っ直ぐ前を向いていた。


「そう、楽しみにしてるわね。でも、くれぐれも翔子とは話し合いなね。」

「う……そこは……頑張るけど。」

「結局、学費も出してくれるのは親なんだから言いにくいところはあるかもだけど、気持ちは伝えた方がいいよ!私は……それが出来なかったから。」


母ちゃんは全てを語らなかったけど、かつて高校生の時に親を亡くした経験から言ってるのだろう。

それがどこか後悔になってるはずだから、その言葉が出てるのかも知れない。


「さてと……お風呂入れてるから先夢華ちゃん入っていいわよ!」

「え!ありがとうございます!」

「今日は入浴剤も入れてみたよ!」


「……んじゃあ、俺も勉強しよっかな。」

「あ、直輝もう寝る?」


母ちゃんが少し首を傾げて声をかける。


「ああ、もう少し頑張りたくなった。」

「直輝〜無茶すんなよ。今日倒れたばっかなんだから。」

「え、そなの?」

「ああ、程々にするよ。」


そういって、俺は30分だけ勉強をすることにした。

頭に負担をかけないように、淡々と今までやった範囲をサラ読みして思い出す作業をする。

意外とページをめくるだけだけど……たまに目に入るところが自分の弱点だったりするから効果あるんだよな。


あっという間に30分が経ったので俺は布団に入った。

これでいい……もう少し身体を労らないと。


しかし、俺の1日はまだ終わらなかった。


コンコン……。


誰かが部屋をノックしていた。


「直輝……今日、一緒に寝ていい?」

「え……。」


すると、夢華がパジャマ姿で入ってきた。

少し恥ずかしそうに……しおらしく。

突然の行動に、俺は少しだけドクンと……心拍数が上がった気がした。

挿絵(By みてみん)

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