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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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ゴールデンウィークと△関係 4話

夢華は路上ライブをして、その後もアンコールをが続き気がついたら4曲ほど歌っていた。


宮古島の時もそうだったけど、彼女の歌は人を惹きつける。

ただのカラオケじゃない。

その歌には魂がこもっている。

だからこそみんな見入ってるのだ。


「みんなー!今日はゲリラライブ来てくれてありがとう!今日は横浜で見つけた素敵なゲストガールにボーカルやってもらいました!」

「え!?あの子バンドじゃないの?」

「すごく素敵な歌だったわ……。」


ここで元々ソロライブしていたお姉さんがMCをやり出す。

なんて混沌としてるんだろう。

俺はもう傍観者だった。


「あの……夢華っていいます!中学生です!今日は……聞いてくれて……ゴニョニョ。」


しかし、夢華は噛みまくっていて、何言ってるかわからん。周りの反応も少し悪くて緊張が走る。


「え……なんて……。」

「あ……あ。」


すると、女性がマイクを持ち話を続けた。


「はい!今日は素敵なルーキー、夢華ちゃんでした!またライブなどできたらアリスのYouTubeやインスタで告知するので登録お願いしまーす!」


「夢華ちゃーん!またライブしたらいくよー!」

「あ……あわわ……ありがとうございます。」


夢華は噛みながら緊張して自己紹介をする。

そうか……こうやって歌手とかは知名度を得ていくのか。こうして最後のMCをして、また一曲流れる。


気がついたら夕陽になっていてやっとゲリラライブは終わろうとしていた。


「んじゃあ……帰るかな。」

「うん、直輝……楽しかった!」

「ちょっと待って!」


すると、俺たちをバンドの姉さんが止める。

そういえば、参加費とかこういう時払わなきゃいけないんだっけ?


「きみ……私とバンドしない?」

「え……えええええええ!!??」


まあ、あんだけ客呼べたらそりゃあ誘われるわな。


「ほら、君のお陰で集客とか手伝ってもらっちゃったしさ!よかったらファミレス行こうよ!奢るよ〜。」

「ど……どうすんの?直輝……!」

「……悪い人じゃなさそうだし、行ってみようぜ。」


こうして、俺たちはお姉さんに連れていかれてファミレスに行くことになった。


☆☆


「いやー!東京ってどんな食べ物かなって思ってたけど案外ファミレスとかだと変わんないわね。」

「おい……頼みすぎじゃないか?すみません、俺の分まで。」

「いいのいいの!」


お姉さんはドリンクバーのコーラを飲み干して少し考えてから話を始める。


「私は……アリス!アリスって呼んで!」

「は……はぁ、アリスさん。」

「実は私、元々は3人のバンドやってたんだけど……2人が音楽性の違いで辞めちゃって、今はソロやってるんだ。」


アリスさんはそう言って次はビールをお願いし出した。

あれ?成人してるのかな。


「ぷはー!ビールうまい!えっと……夢華ちゃんはどんな人なの。」

「えっと……沖縄で中学生やってます。」

「へ?沖縄?」


アリスさんはほえーって驚きながらビールを飲んでいた。

まあでも……東京に住んでると思ったけど、沖縄在住じゃ少し厳しいかもしれない。


「そっか…、君の歌には力がある。周りを巻き込むカリスマ性もあるし、私には無い才能があるから一緒にバンドやりたいなーと思ったけど東京には住めないよね。」

「あ、いや……大丈夫ですよ。直輝の家に住めばいいので。」

「うおおい!?いや……アリスさん、こいつ今親と喧嘩して家出してるので厳しいですよ」

「えー!彼氏くん厳しい〜。」


すると、俺のことを彼氏だと思ったのか彼氏呼ばわりされてしまった。

違うんだけどね。


「か……かか……。」


ほら、言わんこっちゃない。

発育はいいけど所詮は中学生、流石にそういった恋愛は得意ではないみたいだった。


「んー?どうしたの……口篭っていて、かれしじゃないの?」

「友達です。」

「……なんというか、君も保護者大変だね。」


そう言って夢華の嘘をスルーしてると肘で八つ当たりされる。

どんだけ俺のこと好きなのだろう。


「まあでも……夢華、アリスさんはバンド一緒にやりたいそうだとよ。気持ちはどうなんだ、気持ちは。」


そう、この話の本質は夢華がバンドをやるかどうかだ。

まずは本人の気持ちを尊重するのが1番だ。

夢華は少し黙って俯いてから、静かに言葉を続けた。


「ウチは……歌手になりたいです。」

「おお!!よくぞ言ってくれました!」


「今日、人生で初めて人前で歌いました。怖かったけど……楽しかった。今までは夢のための1歩ってカラオケに行くだけだったけど、今日の体験を感じて……もっと歌って楽しんで欲しいなと思いました。」


夢華は顔を真っ赤にしていた。

それだけ彼女にとって今日の出来事は大きかったらしい。


意志はやりたい方向で決まった。

しかし、次は具体的にどうするかだ。


「ねえ、夢華ちゃん。歌い手バンドとかどう?」

「「歌い手??」」

「そう!私ね……元々音大出てるから曲の操作とか出来るんだ!一応私も会社員してるし、たまに集客できたらライブ会場とかでやるのはどうかな?」


おお……流石はお姉さん。

あれかな、Ad〇とかYOAS〇BI的な路線なのかな。


「それなら……やりたいです!!」

「決まりだね……!よろしく、夢華ちゃん!」


こうして、1つの奇妙なバンドが生まれた。

夢華は両手を握りしめて嬉しそうで、いつものいたずらな表情はどこにもなかった。


すると、アリスさんのスマホから電話がなる。


「あ、ちょっと失礼……はい、もしもし主任ですか。……え?あのプログラムにまた修正ですか!?え……しかも納期明日の昼まで!?めちゃくちゃじゃないですか!」


なるほど、普段はアリスさんはシステムエンジニアさんなのかな?

かなりきつい要求をしていて少しずつ顔が鬼のようになっていた。


「ぐうう……分かりました。今日は自宅で進めますので、はい……はい。」


電話を終えたアリスさんはグッタリとしていた。

ゲリラライブのあとに仕事とか……やはり社会人って闇が深い。


「ごめん!じゃあ……また連絡するから。」

「なんか、大変そうっすね。」

「そうなのー。もー!先方も上司もみんなバカなんだから……!」


挿絵(By みてみん)


そう言ってアリスさんはジョッキのビールを飲み干した。

あ、そこは普通に飲むんだ。


「とにかく、今日は会えてよかった!また、ライブとか色々やってみようよ!」

「……はい!」


こうして、アリスさんと解散をして俺たちは並んで夕方の横浜を歩いていた。

ビルが立ち並び、その中を夕陽が差して窓ガラスで乱反射している。


「良かったな、夢への第1歩じゃないか。」

「直輝がいたからだよ……ありがとう。」

「え。」


夢華から憎まれ口が出るかと思ったら、素直な感謝の言葉にドキッときてしまった。

俺の顔が少し熱くなったのは、この夕陽のせいなのか否かは定かではなかった。


波乱万丈のゴールデンウィークはまだまだ続く。

今日の出来事さえも、まだ序章に過ぎなかった。

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