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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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俺の彼女が重すぎる件について 6話

「な……なあ?舞衣。」

「なあに?直輝くん。」


夜の布団で俺は天井を見上げながらどうにも全身汗びっしょりになるほど緊張していた。


「この生活の名目だ同棲なのはわかる……だけど、寝る時も一緒なのか?」

「え?そうよ。遥香さんから許可もらってるし。」

「いや、相変わらず外堀のうめ方が上手だな!」


すると、舞衣は布団に潜り俺の胸に手を当ててへその周りを細長い人差し指でゆっくりとなぞる。

ぐぬぬ……めっちゃくすぐったい。

そして、ご満悦な顔で舞衣はこちらを見ていた。


「直輝くん……めっちゃ緊張してるね。」

「し……してないし。」


挿絵(By みてみん)


明らかにやりすぎな状況に俺は思考が加速する。

ほんとに大丈夫だよな?母ちゃん……。

あ、あの人17で俺産んでる人だった。

全く参考にならん。


「ほら、さっさと寝るぞ!母ちゃん下にいるんだし……。」

「うん!寝ますか!」


俺は眠ると、舞衣はさらに身体に絡みつく。

まるで蛇のような、でも繊細で棒に巻き付く朝顔のような、そんな手つきだった。

本当に寝かせる気あるのだろうか?


快感と疲れと緊張が脳を支配してどうにかなりそうだった。

完全に彼女に支配されてる感じがする。

それでも必死に寝たフリをする。


「直輝くん……?寝ちゃった?」

「……。」


寝たフリだ。

無理やり意識を遠のかせて眠りにつこうとする。

すごく違和感がある。

欲と疲れが二律背反してるような感じだった。


「じゃあ、寝てる間に少しだけ本音で話そうかな。」

「……?」


本音?てっきり襲われるかと思ったらそんなことは無さそうだった。


「私、本気で直輝くんの事が好き。」

「……。」

「優しいところも好きだし、頑張り屋で少し人見知りな君が好き。」

「……。」

「だからこそ、自信がない。元々ダメだった私で……今もこうして距離感が分からない。もしかしたら、魅力が無いかもしれない。」


俺はどうすればいいかわからなかった。

今すぐそんなことは無いと言うべきなのだけど、その先で彼女を中途半端に受け入れて、その先で傷付けないか不安になっていた。


「こんな形でしか君を縛れないから、やっぱり私は負担なのかな……?」


違うと否定をしようとした時だった。

彼女は静かに話す。


「……おやすみ。」

「……。」


舞衣の絡みつく体温が急に冷たくなり、手足が離れたような気がしたけど、そこからは背中の感触だけになったのでお互い背を向ける感じとなる。


俺の彼女は、重すぎる。

それは……両親の愛を受けてないからかもしれない。

彼女は母親が不倫でできた子供。

そこからは父親に書類上の親子を強いられてるから、普段は強がってるけど自信がないのかもしれない。


そんな彼女を真っ先に受け入れられない辺り、まだ俺も腹を括りきれてないのかもしれない。


親から愛された俺と、親に愛されなかった舞衣。

そんな俺たちは静かに背を向けて眠る。

いつ暴走するか分からない本能を抑えたまま、ゆっくりと考えて……気がついたら眠っていた。


☆☆


朝は……スッキリと目が覚めなかった。

布団はまだ温かい。

ホワイトリリーの爽やかな香りが残っていて、それだけでもどうにかなりそうだった。


恐る恐る降りると、舞衣はまたいつものように髪もメイクもバッチリな状態でコーヒーを淹れてくれていた。


「おはよう。」

「おはよ、直輝くん!」


昨日あんなに語りかけていたのに、いつも通りだった。

俺はと言うと、少し戸惑っていた。


「ん?どうしたの?」

「ああ、いや……。」

「えー、言ってよ!まさか……昨日私が寝てる間に寝込みを……?」

「しねーよ!睡眠時間が舞衣より高いわ!」

「くんくん……あ〜、直輝くんの匂いに包まれてる。」


本当にいつも通りすぎるから少し自重した方がいいかもしれない。


すると、突然ドアがゆっくりと開く。

そこから少し寝癖の着いた母ちゃんがふぁーと欠伸をしていた。


「おはよう〜。」

「あ……母ちゃん。」

「おはようございます!遥香さん!」


すると、母ちゃんは辺りを見る。

既に干された洗濯物。今日も栄養満点の朝ごはん。

他にもゴミ出しまでしてくれているのを見て母ちゃんはこくりと頷く。


「合格よ。舞衣ちゃん……直輝をお願いね。」

「やったー!」

「いや、だから早いって。何を見せられてるんだよ。」


相変わらずこのコンビはちょっとぶっ飛んでる気がする。

しかも妙に息がぴったりなんだよな。

ツッコミが追いつかない。

トリオのお笑い芸人のツッコミの人は恐らくこんな気分かもしれない。


「昨晩もお楽しみだったわね。ギシギシと……。」

「もう、本当に直輝くんは積極的で……ぽっ。」

「してないから!背を向けて寝てただけだからね!?舞衣、話盛るのやめようよ!」


朝からそんな賑やかな会話をして昨日の夜のモヤモヤが落ち着くようだった。

でも、そんなやり取りをしてくる中で彼女の良いところや、弱いところまで見えてくる。


でもそれを感じる度に、俺は彼女を受け入れられるのか、勿体ないんじゃないかなと不安が増してくるようだった。


俺は中途半端で、弱い。

こんな素敵な彼女を満たすことさえも叶わないという事実が少しずつだけど、罪悪感が静かに蝕んでいった


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