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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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俺の彼女が重すぎる件について 5話

「ただいまー。」

「遥香さん!帰りましたよ〜。」


家に帰ると、母ちゃんが何やら薄着でマットの上でなにかしていた。

汗だくで伏せた状態で右手と左足をピンと伸ばしている。


「なにしてんの?母ちゃん。」

「あ……。」

「多分ヨガじゃない?遥香さん、美容にも気遣ってるんですね!流石です。」


それにしたって珍しい。

最近はドラマみてせんべい食ってるところが多かったのに。


「あ……そ、そうなのよ!習慣化してて。」

「いや、今日初めて見たんだが?」


たまーに母ちゃんはしょうもない嘘をつく。

それを指摘されて観念したのか母ちゃんは本音で話し始める。


「いや〜宮古島行った時水着も用意してたんだけど少しお腹が柔らかくて……歳はとりたくないわね。」

「へー、あ……ほんとだ。少したるんでる。」

「そう……よね。肉のたるんだおばさんだもんね。」

「いや、そこまでは言ってないんだが……むぐぐ!?」


すると、舞衣が少し怒ったような表情で口を抑える。


「ちょっと、直輝くん!それは言い過ぎよ!」

「むぐぐ……?」

「ほ……ほら、私たちも勉強しないと!遥香さん、気にしないでくださいね?」

「うん……ありがとう。」


母ちゃんは少し悲しそうに自分の腹にある贅肉をつまんではしょげた顔をしていた。

いや、些細なことだと思うんだけどな。

母ちゃんそのままでも綺麗だし。


まあ、そんな発言も許されることなく俺は舞衣に自室に連行される。

そして、気がついたら自室で正座になっていた。


「もー!直輝くん……女の子はそういうのほんとショック受けるから気をつけなよ!」

「……すみません。」

「分かればよろしい!」


俺たちはテーブルで向かい合ってお互いの教材にペンを走らせる。

舞衣は宿題で俺は前回の模試の復習をしていた。


あれから勉強をしているけど景色が変わってるのか分からない。

同じところで躓いて、たまーに前間違えたところが治ってたりと本当にこの時間は苦しさが伴う。


まるで50レベル位になった勇者がひたすらモンスターを狩ってもなかなかレベルアップしなくなるような……そんな感覚だった。


「そんなに難しいんだね……。」

「ああ、本当に難しい。何度同じ問題をやっても間違えるほどだよ。」


そんな俺を舞衣が見守っていた。

多分彼女にはどれだけ難しいかは理解できなくてもどれだけ辛いかは分かってくれるように。


「ちょっと……休憩しようかな。」


俺はペットボトルのお茶を飲んで小休止する。

どうしても集中力をキープさせることがまず課題かもしれない。


「一緒に暮らしてわかったけど、最近の直輝くん……本当に勉強ばっかで大変だよね。」

「まあな。」

「私……邪魔かな?」


一日一緒にいるだけでも大体分かってくるみたいだ。

舞衣は自分の存在が足枷になってないかと不安でしょうがないのだろう。


「ううん、寧ろこんな状況にも付き合ってくれてありがとう。俺一人だとやっぱり甘えちゃうからね。」

「そっか。」

「舞衣は、看護師になりたいんだっけ?」

「うん!私も誰かの助けになるような仕事してみたいからね!」


そう、舞衣はメイド喫茶でバイトしてたりなどしてるけど意外にも彼女の夢は看護師だ。

人の様子を見て分析も得意なので向いてる感じはありそう。


そうだ、俺たちは同じ学校だけど卒業したらやりたい事や環境、全てが変わってしまう。

もしかしたらこの交際も続けられることも難しくなるのかもしれない。


そう思うと、もう少し喜ばせるために時間を使った方がいいんじゃ無いかと少し焦ってしまう。


「すまん、ほんとこんなに舞衣が献身的にしてくれてるのに俺は何もしてやれなくて……今度また旅行とかでも。」

「あはは、直輝くん……めっちゃ気を使うじゃん。」

「ぬ……。」


図星だ。

相変わらず人を観察するのが上手くて俺もぐうの音が出ない。


「いいんだよ、今日みたいにちょっとカフェとか連れてってくれるだけでも本当に嬉しかったから。それにこうして他愛もない会話をするだけでも幸せなの。」

「そんなもんなのか?」

「そんなもんよ。」


舞衣は大きな幸せとかよりもこういう小さな幸せを望んでるようだった。

ある意味17歳にしては達観してる。


「逆に聞きたいんだけど、直輝くんは……私が彼女でよかった?」

「……へ?」


人の目を見るのは苦手だ。

咄嗟に舞衣の目を見ると、少しだけ不安そうな顔をしていた。

そんな……そんな顔させるつもりじゃなかったのに。


「直輝くんは……どんどん前に進むから、最近の君は本当にたくさんの人に囲まれてて、私が彼女として存在すると足枷になるんじゃないかな?って……ちょっと思ってたんだ。」

「そんなわけないよ。舞衣は本当によくやってくれてる。欠点だらけの俺をこうして見てくれてるから。」


俺は……それ以上は何も言えなかった。

変に傷つけてしまうのではないかとか、そんな気持ちが言葉にブレーキをかける。

きっとこれからも、時間を使えるかと言われたらそんな保証もできない。


そしたら……もうこの時間も終わりになってしまうのでは。


「なーんてね!」

「へ?」


すると、一変して舞衣は冗談っぽく明るく振る舞う。


「ほら!こうしてる間にも受験は近づいてるんだからね!落ちたら浪人生活だぞ〜。」

「ぐぬぬ……よーし!あと30分はやろう!」

「うん!頑張って!」


俺たちは勉強を再開する。

しかし、妙にさっきの舞衣のふとした瞬間がどうにも頭から離れることはなかった。


そして、この先の同棲生活もさらに波乱万丈になることも、この時はまだ知る由もなかった。


挿絵(By みてみん)

最後まで見ていただきありがとうございます!


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