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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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春と挫折と宮古島 1話

「直輝ー?起きてる?もう朝よ!」


もう何度聞きなれた声だろう。

朝に聞く母の声で無意識に体は起きなきゃという意識に不思議となってしまうので人の体は一部帰省本能のようなものがあるように感じる。


「起きてるよ、母ちゃん。」


暦の上では4月……俺は高校三年生になった。

卒業式も終えて、春休みに入ったのだがその期間はなんと2週間。

この時間はひたすら勉強に費やしていたので俺は怠ける事もなく規則正しい生活を送っていた。


思えば、去年の今頃は夢も希望もなく学校遅刻ギリギリに母ちゃんと親友の飯田がきてやっと学校に来れていたのだけど人は成長するものなのかもしれない。


「あの寝坊助だった直輝が……大きくなったものね。」

「寝坊助って今日日聞かないな。」

「でたー!現代人マウント!いいよーだ、私は平成1桁ババアだもん!」


母ちゃんはそうやってムスッとしてるけど、年齢は17歳の息子がいるのに33歳と言う若さだ。

改めてみると、本当に若々しい。そして天真爛漫に振る舞う様子がさらにその見た目の若々しさを後押ししていた。


「ごめんて……。」

「あ、ご飯できてるよ!」

「りょーかい、今から行くわ。」


そう言って、俺はいつものトーストとサラダとソーセージを母ちゃんと一緒に食べる。

最近はこんな感じの朝が主流だ。

規則正しく、母ちゃんの美味しい料理を食べれて今日もエネルギッシュな1日を過ごせるだろう。


「直輝、そういえば最近クマ減ったんじゃない?」

「え?そうか?」


俺は鏡で自分の顔を見ると確かに明らかにクマが減っている。

そういえば去年は朝の3時までゲームをしていたけど、最近それを一切やらなくなったんだよな。

モ〇ハンが飽きた訳じゃないんだけどね。


「なんか、頼もしくなった!」

「うるせえよ、もうそろそろ出るからな。」

「もう!つれないな〜。まだマザコンでもいいのよ?」

「人生でマザコンになった日は1日もねえよ!?」


突然の母ちゃんの褒め言葉に俺はとても恥ずかしくなる。どうしても褒められてないからそう言うの慣れてないんだよな。


俺が変わったのは、色々きっかけはある。

例えばこの母が去年の今頃過去にAV女優をしていたのをきっかけに人生初の反抗期が発動した。

それから色んな人に恵まれて成長したのもあるけど、1番のきっかけは神隠しにあって、過去にタイムスリップして医学部を目指した父にあったことや母ちゃん自身が子宮がんを患った事だ。(既に摘出手術はしたんだけど)


俺はその経験から人を助ける仕事がしたいと思って12月くらいから本格的に医学部に向けて勉強をしていた。


そんな事があればどんな人でも1%くらいは変わるだろう。


そして、いつも通りインターホンがなった。

これもいつものルーティンだった。


「おっすー!直輝いるか?」

「おはよう、飯田。もう出れるぞ。」


こいつは飯田蓮。

俺の中学からの親友だ。

そこそこ高い慎重に引き締まった筋肉と、そして湧き上がる自信が垣間見える好青年である。


「飯田くん!おはよう〜!」

「遥香さん!今日も美しいっすね〜。今度俺とディナーでもどうです?」

「もういやだわ〜!ほんっといつもお上手ね!」

「……おい、お前は性懲りも無く母ちゃんを口説くんじゃねえ。」

「なんだよ、俺がパパじゃ不満か?息子よ。」

「引っぱたいていい!?右頬と左頬丁寧に引っぱたいてやろうか!?」


そして、こいつはそんな見た目とは裏腹にとんでもないスケベだった。

実際、母ちゃんがAV女優だった事実を見つけたのは紛うことなきこいつのせいだった。


「安心しろ、直輝冗談だ。」

「冗談に聞こえねえよ……。」

「ほら、2人ともそろそろ学校始まるよ!」

「げっ、もうそんな時間か。」

「んじゃあ、行ってきますね〜!」



挿絵(By みてみん)




そう言って、俺たちは我が家を出ていつもの通学路を出る。

春の道はとても穏やかで心地良く、寒さが落ち着いたのか妙に全身の緊張感がほぐれて若干の眠気が襲ってくるようだった。


「なんか、去年もこんな朝だった気がするな!」

「お前パワーアップしてる気がするよ。」

「直輝ほどじゃねえよ、お前さんは変わりすぎだ。」

「まあ、お前が母ちゃんのAV発覚をしたからな。」

「……あの頃はゴメンな。似てると思ってたけどまさか遥香さんとは思わねえじゃん。」

「いいよ、あれがなかったら今が無いわけだからな。」


そう言って、俺たちは静かに笑い合う。

すると、学校が近づいて行くと桜並木が静かに桜吹雪を舞い散らせていて、ほのかに桜独特の甘くも少し引き締まるような香りが全身を覆うようだった。


3年目の学校の春。

それは、新たな始まりの幕開けでもあった。

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