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第48話/初めての勧誘/Limited_NAGI



ミトハロ到着してから三十三日目。

アネット出発から十九日目。

早朝の魔法練習を終えてグローブ・Kに向かう前にアースとの場所に顔を出した。


木が茂る自然の中、アースと思い思いに過ごしていた。

〝つかむ〟で枝にぶら下がったり着地したりを繰り返して遊んでいるナギ。

丁度ぶら下がっている時に木の幹に座っているアースが下から声を張ってくる。


「おい!ナギ!!ちょっと来いよ!」


アースを向き、着地する。

ナギをちらりと見てすぐに顔を逸らす。

手元で布袋をいじったりショルダーバッグの中身に手を入れてバッグを覗き込んだりしていた。


「仲間、帰ってきた?」


「いや、来てないよ。全然変わらない。」


何気ない表情で答えるナギ。

放ってくれたナッツを受け取ると御礼を言ってすぐに口の中に入れる。


「おまえさ、俺と仲間にならね?」


アースはナギを見ずに言う。


「どういう事?」


左手で自分の右肩を揉みながら聞き返すナギ。


「俺、最近ヤマカミに入ったんだよ。おまえも入んねえ?」


ナッツが変な所に入った。

むせながら見るが真剣な表情だった。

遠くを見ている。


「その仲間が戻ってくるまででも全然いいよ。一緒に探したって良い。」


ナギはアースの先にある揺れる草を見つめたまま黙った。


「あっ!おいおい!武闘派じゃねーぞ!ヤマカミは!ドミヌスと一緒にすんなよ!」


「うん。」


少し笑いながら言った。

アースはナギを向く。


「別に隠してたわけじゃねーからな!本当に最近入ったんだよ!」


「うん、わかってる。」


静かに言った。


「入んなかったら友達じゃないとかじゃないからな!俺は別に…おまえの仲間みたいになんか気に食わねー事があると急に離れるような奴じゃねーから!」


「大丈夫だよ、わかってるって。ミトハロ統一の一歩目だね。」


少し笑ってアースを見た。


「そういう事よ。」


アースはナギを二度見して頷いた。


「ヤマカミのアジトってどこにあるの?」


右手で左肩を揉みながら聞いた。


「アジトっておまえ、悪者みたいな言い方すんなよ。」


「ごめんごめん。」


口の中が乾く。

うまく笑えなかったナギ。


「ここから東に行ったとこにある。割と近いぜ。歓楽街とここの間っつーの?そんなデカくはねーな。」


「ふーん。」


左肩を揉みながら眼球だけ上に動かす。

少し黙った。

頭の中にある地図の更新が完了すると口を開く。


「ねぇ、アース。なんで僕なの?」


アースは少し黙りながら頭を掻く。

少し言い淀んでいた。


「…おまえ、良い奴だから。俺がミトハロ統一とか言っても、別に、笑わなかっただろ…。まあ少し、いじられる時もあったけど。それに、おまえの魔法〝つかむ〟しか見たことねーけど、なんか、長いんだよ。初めて会った時から思ってた。レイルは全然だめらしいけど、一緒に練習すれば、絶対にできると思うから、もったいねーなって思って。」


(そうなんだ。)


魔法を比べるという機会がなかったナギ。

意外だった。


「それ元々?魔力ってどうやれば強くなんの?」


眉を上げたアースがナギを見て聞いてきた。

初めてアネットの部屋で話した記憶が蘇る。

毎日している〝同調〟。

それをするとアネットが近くにいるようで気持ちが安らかになった事も浮かんだ。

視界にいるアースへ意識が行くと左の瞼が痙攣した。


「んー、なんでだろ。あんまり感じた事ないんだ。偶々だと思うよ。」


「ふーん。ヤマカミの事はさ、また仲間の事とか整理ついたら教えてくれよ。ダメでもいいからな。俺いつもみたいにここにいるから。遠慮したり、気使うなよ。友達だろ?」


そう言うとアースは笑う。


「うん。考えとくよ。誘ってくれてありがとう。」


照れ臭そうにオレンジの干しフルーツを投げてきた。

ナギはお返しにリンゴを放ったのだった。



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