第101話/二人の夜/Limited_NAGI
「何考えてるの?」
後ろからのアネットの声。
目を開くナギ。
「なんとなく、魔王の事とか思い出してた。」
アネットは少し黙ると、言葉を返す。
「強かったよね。本当に魔王って感じだった。」
アネットも思い出しながら話しているような、静かでゆっくりとした声。
「うん。他の魔物と比べてさ、急に強すぎるんだよ。」
ナギは少し笑って言った。
「ナギ君があの時に修行しようって言わなかったら、大変な事になってたかも。」
否定されるのがわかってるように、アネットは続けた。
「あの時に、三人とも魔法をたくさん閃いたでしょ?ナギ君が一番多かったし。五十?」
「六十五。」
そう言うと、くすくすと笑う声が背中から聞こえてきた。
各々の体験から、ナギは魔法が閃く法則をいくつか仮説立てていた。
その中のひとつが当たり、三人は爆発的に魔法を閃いていったのだ。
魔法に先入観がなく、稀有な体験をしたナギだからこそ出来た事だった。
「あのさ。」
ナギは話題を変える。
「なあに?」
甘い声。
「リサの事なんだけど。何か出来たんじゃないかなって。たまに考えるんだ。罪悪感とかじゃなくて。」
「無理だよ。」
一転し冷ややかな声。
少しの沈黙の後、アネットが続ける。
「執着は、もう別人だよ。世界の見え方が反転するの。ティルも言ってたでしょ?」
旅の中でミレバルにも寄っていた。
豪胆なティルの話し方が頭の中に浮かぶ。
そこにいるかのようだった。
「人間の執着は二種類あるって。求める事が執着って一般的には言われてるけど、その影にあるものが本当の執着だって。ナギ君に無理矢理おっぱい触らせて来た人。アジャ?マシャ?」
何故か怒気を含みだす声。
呆れた息を吐きながら返す。
「マヤ。」
「その人。一見、ナギ君を求めてる、一般的にはナギ君に執着してるって見られがちだけど、本当の執着は〝汚れてない自分〟。ナギ君を媒介にして、自分は汚れてないんだって言い聞かせようとしているの。前にも説明した気がするけど。そんな潜在的な部分、わかるわけない。わかっても確かめられないじゃない。潜在的な執着なんて本人も気づいてないんだから。それを認めないのが、執着なんだから。」
「うん。」
「類は友を呼ぶって言葉、あるじゃない?」
「うん。」
「あれ、私ね、執着の事だと思うの。同じ世界にいるけど、同じ執着を持っているもの同士が集まる。自然とね。必然かもしれない。リサがドミヌスに入ったのだって、入りたくて入っていたわけじゃなくて、自然とそっちに流れて行っちゃったんじゃないかな。そっちに行くしかなかった。」
「そうだと思う。たまに助けられなかったのかなって思う。」
「私も思うよ。でもそれは無理。」
決別を確認するような静かな声だった。
ナギは目の前の壁をじっと見つめる。
「うん。」
「周りに攻撃的になるのはもう無理。もう生活が出来ないレベルでしょう、それ。堕ちていくしかない。蟻にね、人間の世界は楽しいですよ。って言って通じる?人間の目線は高いですよ。感じさせてあげますねって摘まんで顔の高さまで上げたらどうなる?」
「噛みつかれるね。」
少し笑って言うナギ。
「でしょう。大きな声では言えないけど、人間じゃないのよ。私だってこんな事言いたくないけど、人間じゃないって思うと辻褄が合うし、接し方も、こっち側の位相もブレないの。ああ、蟻なら助けられなくてもしょうがないって思うでしょう。」
「生き物の括りっていうか、認知レベルの話ね。」
「うん。人間じゃないっていうのは、ミトハロを出発した後、クラックランで見た過激な書物の引用だけど。認知レベルが恐ろしく下がるの、執着に呑まれると。ゼロかヒャクかでしか物事を見れなくなるし、気に入るか気に入らないかだけ。不快かそうでないか。自分の存在が崩壊するかしないかで行動が決まる。それも、自分が崩れるかもって認知はない。なんかしんどい。なんかむかむかする。その感情に無理やり理由をつけないと気が済まなくて、世界から見つけようとしてるから、周囲に攻撃的になる。一見筋が通っているように見えるものでも、なんか行動や発言がおかしくなる。」
脇腹を這うように撫でてくるアネットの手を優しく握る。
「糸で操られてるお人形さんみたいだね。ナギ君にしか言えないけど、私は、人間じゃないって思って接してる。この世には人間の形をして人間じゃない人もいる。勿論、人権はあるし見下しちゃだめ。差別もだめ。でも、こっちと同じことを期待してもだめなんだよ。」
魔法で一番厄介なのは罪悪感。
彼女のこの思考は自分の位相を保つために辿り着いたものなのだろう。
弱かった自分のために大量殺人をさせてしまった。
ナギは握るアネットの手を、さらに強く握り締めた。
「私は、あの時ナギ君に、執着について忠告したからさ、変に励ましたりはしないけど。話はいくらでも聞くからね。」
冷たいような優しいような声。
「ありがとう。リサって、なんのために生きてたんだろう。」
「賢者モードだね。」
ころころとした笑い声が背中から聞こえてきた。
「うん。」
はにかんで笑うナギ。
「リサは、自分の中の何かを満たすために生きてたんじゃない?無意識にね。執着ってそういうもんだし。〝満たしたい〟って思う事そのものが、満ちてない自分を認める行為なのに。」
「リサの家族も、最初は落ち込んでたみたいだったし、僕の事を恨んでるような文章も手紙にはあった。でも僕からたくさんのお金をあげたら、その後の手紙の文章が生き生きとしてたよね。」
「あー。あれはリアルだったね。私は見たくなかった。」
僕もだよ。と返す。
「アルセナから慰労金も出てたらしいよ。だからじゃない?まあ、もう皆いなくなっちゃったけど。」
「うん。」
少しの沈黙。
窓の外から、にゃあん。と猫の鳴き声がした。
ナギが切り出した。
「周りの人達もそうだよ。リサが死んだあと、散々僕を叩いてきたくせに。本当に石まで投げられて。行くところ行くところで罵声だったよ。でもさ、魔王倒したら手の平を返したように貴族みたいな人達から貢ぎ物たくさんきて。たくさん結婚の申し込みが来てたのだって、アネだって知ってるでしょ?」
弾けた笑い声が背中から聞こえてきた。
「もっと悲しむべきだとは思わないけどさ、僕が殺したし。でもなんか違和感すごくて。罵声と賞賛が別の人のそれぞれの違う行いだったら僕も気にならないんだ。でも、僕をバッシングしてきた張本人がさ、魔王討伐の後に別人みたいに腰が低くなっちゃった人がいて。貴方の人生それでいいの?って思っちゃった。」
アネットの手を掴んでいたナギの手が、彼女の頬に引っ張られた。
彼女が言葉を発する度に手に振動が伝わる。
「そういう文脈とか、前後関係がわからなくなるのが執着だよ。昔の自分がどう思われようと関係ない。そもそもそういう認知がないの。気まずかったり、やりにくいなとは思ってる人は中にはいるかもしれないよ?でも、そこにも、何か理由を作って言い聞かせるんだよ。〝過去の自分は正義感でやったから悪くない〟みたいなね。だから、その矛盾をその人に突き詰めていくと、急に開き直り出して、へりくだってこなくなると思うよ。逆に攻撃してくると思う。」
「自分の発言、台無しじゃん…。っていうかあれも執着なの?」
「他人を攻撃するなんて大体は執着だよ。完全にそうだとは言い切れないけどさ。私たちが魔王を攻撃するのだって執着だもん。世界平和とか、殺されるかもしれないっていう恐怖、つまり生への執着だね。私達三人は、魔王との戦闘は楽しんでたからちょっと違うかもだけど。」
「その人たちの人間関係ってすごく歪じゃない?だって人そのものを見てないんでしょ?人に纏わりつく〝状況〟?とか〝肩書〟?そういうのしか見てなくない?」
「人間そのものとして相手を見れてもないと思うよ。自分は悪くない、価値のある人間だって思いたいから、相手に向かって価値がないって言うんだから。不安な中、自分は正しいはずだって思いこみたいから、その時に正しくない誰かを見つけるんだから。認知のレベルが下がるって、行くとこまで行くからね。」
「行くとこまで行く?」
「行動、肩書は人間そのものじゃないでしょ?」
「うん。」
「行くとこまで行くと、それが人間として同化しちゃうんだよ。そういう風にしか見れない状態の人がいるんだよ。」
「どういう事?」
「ナギ君はリサを殺したけど、じゃあナギ君は〝絶対に〟アネットも殺す!みたいな。そういう行動をしたからあいつはもう未来永劫、絶対にそういう奴だ。って。そうとしか見れない状態の事。傾向はあるかもしれない。でもそれはあくまでも傾向であって、人そのものではない。もちろんリサを殺した事は許される事ではない。だから私たちが自分自身を楽にさせるためにそれを言い聞かせちゃだめ。私たちはそれに呑み込まれずに、目の前にいる人間の立場、行動とその人を分離して考えなくちゃいけない。」
掌のいたるところに、アネットの唇が触れる。
「ナギ君が罵声とか石を皆に投げつけられた時にさ、呑み込まれてたらさ――――」
「消してるよ。」
「そうだよね。」
アネットが淡々と言った。
ナギは話題を戻す。
「じゃあその人達は人間関係すらしてないって事?」
「そう。してない。肩書関係とか、お金関係とか?立場関係?それでしか処理が出来ない人たちはそこから行動を見ていくんじゃないかな。こんな事してくれたから素敵な人だ。あんなに良い事したからこの人は善人だ。って具合に。」
「じゃあ、僕をバッシングしてきたのに手の平返してきたあの人は、僕の行いとかリサの事?リサの存在について熱論を飛ばしてきたけれど、真剣に考えていなかったって事?」
「その人の本心はわからないけど、私はそう思うよ。たまたま〝その時のあの人〟を満たせる話題がそれだったんじゃない?で、たまたま当事者の勇者が目の前に来たって感じじゃないかな。」
「僕、あの時嬉しかったのに。リサの事こんなに考えてる人がいるんだって。」
「自分に向き合えない人間が、他の人間に向き合えるわけないよ。肩書や立場、状況にしか反応できないと思う。向き合える人なら、攻撃はしない。静観か、事情を聞いてくる。」
ナギはベルを思い出した。
「じゃあ色んな街や国に行った時に、僕に飛んできた罵声?石?あんなにたくさん、執着に呑まれてる人がこの世にはいるの?」
「うん。いると思う。正確には、固定された人間が毎回同じ行動をしてるってわけじゃなくて。〝執着に呑まれた状態の人〟の中で〝世界に反応しないと自分が壊れちゃう状態の人〟がその時に反応せざるを得ないって感じじゃない?一回それやっちゃうと、それ以外での立て直し方がわかんなくなるから、結局おんなじ人が同じ行動をとってる事は多いけどね。」
「じゃあ、そういう人にとって、リサが死んじゃった事は、どうでもいいって事だ?」
「どうでもよくはないけど、考えて発言してる感じには見えないよね。反応してるって感じ。反応できる環境だから反応してるって感じ。お腹空いててテーブルに自分のパンが置いてあったら食べるでしょ?それと一緒。反射っていうの?思考ではないと思うよ。だから魔王討伐した後には、〝反応できる環境ではなくなったから〟そういうのすぐに消えたんだと思うし。」
「魔王討伐したっていう大きなカウンター要素が出来たからか。」
「まあ、そうだね。だから、反応できる環境ではなくなった。リサの事なんて今誰も話題に出してないよ。ナギナギナギ。どこ行ってもナギナギナギ。ナギナギナギナギ。はあ?私は?ベルは?」
言葉の調子が変わるアネット。
「いててっ。」
指を噛まれ、脇腹を強く摘ままれた。
身を捩らせ、すかさず手を引く。
引きつった表情で手をひらひらさせながら言う。
「反射ね。だから、そういうのは人間じゃないって主張をたまに見るんだね。獣だ!みたいなさ。そういう文献。」
「そうだと思うよ。思考を放棄して人間といえるの?って事じゃない?本能だけで生きてる獣と何が変わらないの?って主張だね。」
沈黙の中、ブランケットの擦れる音が背中から聞こえる。
首から出てきた手が胸に回る。
背中に柔らかいふたつの温もり。
彼女が動くと、一点だけ強い感触が擦れる。
耳元でアネットが囁いた。
「ねえ、罪悪感。ある?前も聞いたけど。今は?」
「リサの事?」
言葉が返ってこなかったので勝手に答える。
「ない。全然ないんだ。罪悪感を持とうと思っても、持てない。〝弱いからいけないんじゃない?〟って言われたからだと思う。リサは僕よりも弱いから死んだ。彼女はその世界を受け入れていた。そういう言葉だと思ってるから。」
首筋にアネットの唇が這う。
湿った、短い吸啜音が何度か鳴った。
「執着から無意識に出た言葉かもしれないけど、他人からは関係ない。どれだけ流されていようが関係ない。無意識を確かめる方法なんてないから。そのために言葉があるんだから。自分で自分を処理できずに吐いた言葉に他人は付き合わない。なんか出来なかったかなとは考える時あるけど、殺した事に後悔も罪悪感はないよ。」
「でもその言い方だと、ナギ君に石を投げてきた人達もそういう言い分なんじゃない?」
ナギは嘲笑気味に返す。
「全然違うよ。僕は待った。宿でも待ったし、抗争中も待ってた。リサと話したかったから。考えられる?自分が強くなってるって事に気づかない状態で、抗争の広場のど真ん中でリサに腕を飛ばされるまで彼女にはなんもしなかったんだ。自分でもバカだと思う。でも、あの時にそういう心の猶予が自分で持てたから、納得できてるんだと思う。当時は、待つとか、猶予じゃなくて、迷いって感じだったけどね。」
背中のぬくもりが離れる。
話を聞きながら、太腿の上に跨るアネット。
伸びた髪が妖しく、ふくよかな輪郭をぼかす。
衣服を纏っていない時の彼女は、普段よりも幼く見える。
目を細くしてほんのり笑いかけながら、アネットが抱き着いてきた。
「石を投げつけられたとしても、罪悪感を持てないんだ。執着とか一旦抜きにしてさ、その人の目線、立場からしたら悪い事なんだろうけど。じゃあその人が僕と同じ状況になったら、キューを見捨てて逃げるか、襲い掛かってくるリサに反撃せず、自分が死ぬって人なんだろうなって。そう思うだけなんだ。僕とは違うねって。そこで罪悪感なんて感じないよ。その人達を見下したりもしない。ただ、僕とは違うなって思うだけ。」
アネットの背中に〝両手〟を回す。
「そりゃ、色々言われてたみたいにさ、後からあーだこーだは言えると思うよ。結局味方だったパルを信じろ!とかさ。ウォッチとエヴィと戦え!とかさ。そこまで具体的には言われてないけど。」
「みんな女の人だよね。」
冷たい声と同時に、肩に痛みが走る。
焦った声で言い加える。
「ドンドラもアブ〝ル〟スもその場にいなかったんだよ!レイシーも信用できなくなっちゃってたし!っていうか言ったでしょ!?全員敵だったの!僕一人だったの!僕だって男の人とも一緒に戦いたかったよ!でも、タリフもルントも、まともな人はちゃんとした判断するんだよ!目的を達成するためにさ!タリフだって、ミカを殺すのは止めてきた癖に、僕を殺すのは躊躇なかったと思う!だから僕はタリフに最後の最後で裏切られたけど恨んでないんだ!あの場ではあれが正解だよ!」
痛みが強くなってきた。
噛み千切られそうだ。
回復を使えない。焦燥ナギ。
「前から思ってたけど!まともな人ほど執着の渦からは身を引くんだよ!アネットも!ルントも!話を聞いたらベルだってそうだった!あとはもう判断もできない、執着人間同士だけ残されて、わけもわからずどろっどろの戦いだよ!サファもボコボコにされてんのに!ノードも僕にとられちゃったのに!それでも戦ってるってバカなんだろうなって思ったよ!指揮してる人がバカなんだ!でも、初めての戦いなのにこの指揮官はちゃんと機能するのか?って疑問から〝信じる〟って言葉に逃げた人間もバカだ!僕、広場のど真ん中でサファを土にぶっ刺してた時もあったんだよ!?あっ!ボスやられてる!って気づけるでしょさすがに!」
ナギが思い出し笑いをすると、痛みが引いていく。
食い込んでいた歯が、艶やかな糸を引いて肩から離れていくのを感じた。
アネットの背中を撫で、腰を引き寄せながら深い息をつく。
話を戻す。捲し立てた。
「全部の出来事を俯瞰した上で、ああした方がよかったとか、こうした方が好転したとか。そりゃ言える。当事者の僕だって言えるよ。でもそれはただの感想戦。僕が言ってるのは、自分の行動が世界にどう影響するのかわからない不安の中で、どう動くのか?って事だから。石を投げてきた人達はそういう不安から逃げているから、そこで不安に向き合えなった自分に、なんとなく自分で気づいているから。だから他人に不安を押し付けてくるのかなって。そう考えたら、罪悪感なんて出ないんだ。リサはあの瞬間、僕よりも弱かった。石を投げつけてきた人達はあそこで逃げ出すって考えを持ってる人達。あるいは、指を咥えて世界に委ねる人達。良いも悪いもない。それだけだよ。」
「ねぇ。」
耳元で声がした。
緊張が滲んだ声で「はい。」と返事をするナギ。
アネットが話し始めた。
「人間はね、失った時にそれについて考えるものなの。失った時に、定義しようとする生き物なの。今から、酷い事言うよ。」
「うん。」
「いなくなった人間の事なんてどうでもいいから。私を見て。」
耳元で切ない声がした。
「見てるじゃん。」
強気ナギ。
「もっと見て。毎日ちゃんと見て。失ってから私を定義しないで。毎日、私を定義して。それを教えて。今日はかわいかった。今日はぶさいくだった。なんでもいい。なんでもいいから。」
言いながらアネットは体を離し、床に膝をつく。
ナギの腿にかかったブランケットを剥ぎ取り、脹脛、膝と擦りながら言う。
「私をずっと定義して。それを毎日更新して。そしたら失った時、ナギ君の中で私は私になるから。子供も出来なくていい。できる事なら、私を想ったからって放さないで。永遠に貴方で私を更新し続けて。」
潤んだ目と視線を絡ませる。
話し終える頃には、太腿の間に顔を埋めてきた。
「うん。わかったよ。」
体をぴくつかせ、そう答えた。
太腿に置かれた手を優しく握る。
思い出したようにアネットが顔を離す。
眉を上げ、嬉しそうな顔だった。
「執着を完全に扱いこなせるようになってからするのって、すごく気持ちいいよね。こんなにいいと思わなかった。全然違うの。同じ人と同じことしてるのに。そう思わない?」
「最高。」
「ね。」
アネットは太腿に口づけをしながら、くすくすと笑った。




