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婚約破棄?ありがとうございます。7年かけて、この国を買収しました――数字は嘘をつきません  作者: ☆もも☆


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5/12

第5話: 本日付で、この国は私の私有地です

私は再び、淡々とスライドを切り替えた。


**【ブルーム王国:実質破綻のお知らせ】**


「……は、破綻……? 何をふざけたことを……!」


ルカス王子が、震える指でスライドを指差した。

その顔はもはや青を通り越して土気色だ。


「ふざけてなどいません。客観的な『事実』を述べているだけです。

殿下、この国の主要産業である魔導石輸出の利益、

ここ三年間で40%減少していることに気づいておられました?」


「そ、それは……市場の冷え込みだと報告を受けている!」


「いいえ。隣国の新技術による『合成魔導石』の台頭です。

そして、その技術への投資を行い、市場の8割を独占しているのは

今や――私の会社です」


会場が、凍りついた。


「バカな……!

人質の小娘が、一国の基幹産業を潰したというのか!?」


「潰したのではなく、『市場原理』に従って最適化しただけです。

現在、この国の外貨準備高は底を突き、

他国からの借入金返済能力は**ゼロ**です」


私はスライドをめくる。

そこには、王宮内のあらゆる備品に

「済」印がついたリストが表示された。


**【資産差し押さえ実行リスト】**

・王宮正門の金装飾:**済**

・近衛騎士団の予備武器:**済**

・王族専用ワインセラー:**済**

・隣国公女の首元のピンクサファイア:**実行中**


「な……私のネックレスが『差し押さえ』ですって!?」


公女が悲鳴を上げ、自分の首を隠した。


だが、セバスチャンが音もなく

彼女の背後に立ち、事務的に告げる。


「失礼いたします。そちらの宝石は、本来支払われるべき

『王宮の清掃管理費』の代物弁済として

既に弊社の所有物となっております。速やかにご返却を。」


「ひ、ひっ……!」


セバスチャンの冷徹な笑みに、

公女は腰を抜かしてその場にへたり込んだ。


「エリス・ラングハイム……貴様、よくもこれほどまでの不敬を……!

国王兵! この不届き者を今すぐ捕らえろ!」


王子の叫びに、数人の兵士が剣を抜こうとした。


だが。


「無駄ですよ、殿下」


私は指をパチンと鳴らした。


その瞬間、王宮を包んでいた強力な「防衛魔法障壁」が、

ガラスが割れるような音と共に霧散した。


「……障壁が……消えた……?」


「障壁の維持には、膨大な魔力と『管理システム』が必要です。

そしてそのシステムのライセンス料、半年分滞納されていましたので、

本日付で利用停止させていただきました」


私は一歩、王子に詰め寄る。


「……さて、殿下。私を捕らえたとして、

誰がこの国の負債を肩代わりしてくれるとお考えですか?」


王子の剣を持つ手が、ガタガタと震え始めた。


「あ、言い忘れていました。スライド4枚目」


画面に映し出されたのは、一枚の契約書だった。


【債権譲渡契約書】

・譲渡先:エリス・ラングハイム

・対象:ブルーム王国の全土の『所有権』


「……つまり、今この瞬間から、この国は私の『私有地』です」


私は、膝をつく王子を見下ろした。


「不法侵入者(元王子)の皆様」


「……立ち退きのお時間を、あと五分ほど差し上げます」


ご覧頂き、ありがとうございますm(_ _)m

本日、第5話まで投稿します。


明日も続けて2話投稿します。

最後まで楽しんで頂けると嬉しいです☆

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