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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第14石_ダイヤモンド

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第87話_イロハ様降臨

 庭に私とプレシャス、メイティリスに護衛のタイタリッカさんとミリーシャさんがいて、メイティリスが口を開く。


「アイの秘密は庭でないと言えないの?」


 メイティリスからの疑問だった。普通に考えれば周囲に聞こえない部屋が妥当なはずだけれど、イロハ様を呼ぶには部屋の中では狭いと思っていた。


「魔法を使うつもりだから庭の広さが必要だったのよ。魔法を使ったあとに私の秘密がわかるけれど、魔法を使う前に約束して欲しいことがあるのよ」


 イロハ様を呼ぶのは特殊なことで、メイティリスたちは信頼できるけれど、念のために約束を交わしておきたかった。


「ワタシにできる範囲なら約束を守るの」


「魔法の中身は秘密にしてほしくて、今いるメンバー以外には絶対に話さない。守ってほしい約束はそれだけよ」


 約束したい内容をメイティリスたちに説明して顔を見渡した。


「ワタシは平気なの。タイタリッカとミリーシャも構わない?」


「俺も大丈夫だ」


「わたくしも平気です。誰にも話しません」


 メイティリスたちが頷いた。メイティリスたちなら信頼できるから、これで心置きなくイロハ様を呼べる。私の秘密はイロハ様の妹という立場になるけれど、細かい紹介方法はイロハ様に任せるつもり。


 初めて唱える魔法でイロハ様に許可はもらっているけれど緊張しているので、深呼吸で気持ちを落ち着かせた。宝石魔図鑑を片手に何度か深呼吸すると、心の中で準備が整った。


「これから魔法を唱えるけれど、何が起こっても驚かないでね。星空ほしぞらダイヤ」


 基本ルースが出現して、基本ルースからメレダイヤを思わせる無数の粒が地面に降り注いだ。無数の粒は塊となって大きなラウンドブリリアンカットのダイヤモンドに変化していく。


 大きなダイヤモンドから虹色の光が溢れ出して、庭を包み込むほどに広がると眩しくてなって目をつぶってしまった。


 まぶた越しに光が収まるのを感じたので、目を開けるとイロハ様が立っていた。


「愛しいワタシのアイ。魔法を感じ取れましたので、これでいつでも会えます」


 私の思いが届いたようで無事に魔法が成功した。本当はイロハ様とプレシャスと一緒に喜びたい気分だけれど、今はメイティリスへの説明が先だった。


「地上でイロハお姉様に会えてうれしい。お願いしていたことだけれど平気?」


 私の言葉にイロハ様が頷いてくれてから、イロハ様の視線がメイティリスたちへ移った。メイティリスたちは黙っているけれど、表情から驚いているのがわかる。目を見開いていてイロハ様を凝視していた。


 本来はあり得ない状態のはずなので、言葉が出ないのも頷けた。


「メイティリスが元気で安心しました」


 イロハ様がやさしく声をかける。


「イロハ様のおかげで健やかに過ごせています」


 状況を把握できたみたいで、メイティリスが膝をついて、お祈りする姿勢で答えていた。タイタリッカさんとミリーシャさんもすぐに同じ姿勢をとった。


「アイの秘密はワタシから話しましょう。アイはワタシの妹で、ワタシの世界を楽しんでもらうために地上へ送りました。アイがワタシの世界で過ごす行為に対して、誰も邪魔することは許しません。メイティリスの疑問は解消されましたか」


 前半部分は私がお願いしていた内容で、後半部分は私が神殿や王族などに拘束されないために話してくれたみたい。イロハ様のやさしさがうれしかった。


「アイからイロハ様の気配がした理由が分かりました。アイも女神様なのですか」


「ワタシの妹で、それ以上でもそれ以下でもありません。アイはワタシの愛しい存在ですから、アイが楽しく過ごす日々を望んでいます」


 私に不利となるような内容は曖昧にしてくれたので、メイティリスも私とイロハ様の関係はこれ以上は聞かないはず。


「イロハ様の望みが叶えられるように協力します」


「メイティリス、頼みました。愛しいアイ、また会いましょう」


 イロハ様が7色の光に包まれて、元の明るさに戻るとイロハ様が消えていた。イロハ様がいた場所をしばらく見ていたあとに、視線をメイティリスへ向ける。


「メイティリスならイロハお姉様が本物と分かるはず。私の秘密も聞いた通りよ」


「さきほどの気配はイロハ様で間違いないの。アイはイロハ様の妹で、ワタシが気軽に声をかけられる存在ではなかったの」


 メイティリスが萎縮しているのが分かったけれど、態度を変えられるのは悲しいから今まで通りに声をかける。


「私はメイティリスの知っている私で、今まで通りで大丈夫よ。ただ私の立場は秘密にしてほしい。神殿や王族に巻き込まれたらイロハお姉様の世界を楽しめない」


「アイの秘密は喋らない。タイタリッカとミリーシャも大丈夫?」


「心の中に留めますわ」


 ミリーシャさんはすぐに答えてくれたけれど、タイタリッカさんは黙ったままだった。眉間にしわを寄せていて何か悩んでいるみたい。


「タイタリッカは秘密を守れないの?」


 メイティリスがもう一度聞く。


「アイの存在は俺の想像を超えた。父上だけには打ち明けたいが駄目だろうか」


 上位魔物の消滅やメイティリスの回復は、傍目から見れば奇跡に映る。国王陛下から回復の理由を問われるとタイタリッカさんは説明できないと思う。怪我をしていたメイティリスのところに私が来たのを、白魔道士たちは知っている。


 国王陛下の助言があれば、私が表舞台に上がることはなさそう。


「国王陛下よね。私がイロハお姉様の妹と話しても構わないけれど、イロハお姉様を呼び出せる魔法は秘密にしてほしい」


 妥協できるのは私の立場だけで、魔法に関しては広めたくなかった。


「それだけで充分だ。上位魔物の消滅を父上にも説明しやすいから、大聖女様が上位魔物を消滅させたという内容で発表できるだろう」


「もしかして、アイさんの使い魔はイロハ様の使い魔かしら」


 タイタリッカさんと話しの区切りがつくと、ミリーシャさんが声をかけてきた。


「その通りだけれど、何故そう思ったの?」


 プレシャスについては特に説明していなかった。


「アイさんは一般魔法を使えませんから、もしかしたらと思っただけです」


「誰かに聞かれたら、お姉様の使い魔と説明したほうがよいみたいね。お姉様の命令で私の手助けをしているのなら、強引だけれど矛盾はしないと思う」


 イロハ様という名称は影響が大きいので、誰かに聞かれてもよいように、今後はお姉様のみで話すつもり。


「契約者以外との行動は考えられませんから、命令で一緒なら納得も可能です」


「聞かれるまでは黙っているけれど聞かれたら答える。プレシャスもお願いね」


「アイ様がイロハ様の世界を楽しめるように補佐します」


 プレシャスも頷いてくれて、私の秘密を打ち上げる魔法は完了した。庭での立ち話も申し訳ないので、家の中へ入って続きを話す。


 会話が進むとメイティリスの態度もいつも通りに戻った。

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