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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第14石_ダイヤモンド

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第88話_すてきな贈り物

 私の秘密を明かした翌日となって、プレシャスと一緒に庭へ出ると宝石博物館が完成していた。お願いしていた博物館の建物で、宝石を展示するのに恥じない風格もあった。はやる気持ちを抑えてプレシャスと一緒に中へ入る。


「想像以上にすてきな感じの造りで、イロハお姉様に感謝しかない」


 内装も凝っているけれど派手すぎずに、宝石を主役として楽しめる。


「イロハ様も喜んでいると思います。今後は宝石を捜す旅に出るのですか」


「世界を楽しみながら宝石を探したいけれど、プレシャスも一緒に来てくれる?」


 お願いするようにプレシャスへ視線を向ける。


「アイ様はわたしが守ります。アイ様と一緒に見る景色はわたしも楽しみです」


「この家を拠点にして、イロハお姉様の世界を楽しみたい」


 プレシャスも同意してくれて旅の最中も楽しめて、見たことのない景色や宝石が私を待っている。プレシャスと話ながら、宝石博物館の確認が終わった。


 昼食を食べてから、プレシャスと一緒にハンターギルドへ行った。


 扉を開けて中へ入ると上位魔物の消滅を受けて酒場は賑わっていて、リリスールさんやライマインさんも昼間から酒を飲んでいた。コーテリアさんを含めて知っているハンターはみんな無事だった。


 最初に酒場へ向かってミーリンさんと一緒に踊った。みんな気持ちが高ぶっていたのか酒場の盛り上がり方がすごくて、踊り終わると食事をご馳走してもらった。


 受け付けでマイリンさんに、街の被害状況を聞いた後に神殿へ向かった。


 神殿に避難した人たちは家へ帰ったけれど、イロハ様へお祈りする人たちが次から次へと訪れていた。タラーキンさんは忙しかったので挨拶だけして家へ戻った。


 後日、畑仕事を手伝ってくれたライマインさん、お世話になっているリリスールさんたちを家に招待して、手料理をご馳走したら喜んでくれた。


 上位魔物が消滅してから何日も経過すると、街のお祭り騒ぎも収まって普段通りになっていた。今日はメイティリスたちを家に招いて手料理を振る舞う。畑で育った野菜を使って料理を作った。


 メイティリスたちが家に来たので、リビングへ案内して食事も運び終えた。


「野菜は庭で育てたもので、ほかの食材はプレシャスと一緒に近くの森で取ってきたのよ。冷めないうちに食べてね」


「新鮮で美味しそうなの」


 メイティリスが料理を口に入れて、タイタリッカさんとミリーシャさんも食べ始めた。しばらくの間は野菜や料理の話で盛り上がった。


 食事が終わると持っていた白色の魔石をテーブルの上に出した。蜜柑程度の大きさで、気を失う前に入手したままで私が持っていた。


「この前の上位魔物が落とした魔石で、私にはどの程度の価値か分からない。成り行きで私が持っているけれど、如何すればよいと思う?」


 メイティリスたちに聞く。メイティリスは魔石を手にとってタイタリッカさんへ渡した。この中で1番詳しいのかもしれない。


「初めて見たが中位魔物よりも相当大きい。この魔石は国宝級だ」


 タイタリッカさんが手に取りながら驚いたように話して、となりにいるミリーシャさんへ魔石を渡す。


「魔法を付加したときの威力は想像もできませんわ。今までの常識が覆るかしら」


 ミリーシャさんが持っている魔石は、かがやいているようにも見えた。


「過去にも上位魔物は出現したよね。そのときの魔石はどうしたの?」


 どこかに同じ魔石があるかともって聞いてみた。


「俺は知らない。消滅した場合は魔石が残らないと聞いた」


「ワタシも同じなの。聖女の魔法で魔物を弱体化できるけれど、消滅速度を進める程度なの。この魔石はアイに持っていてほしいの」


 メイティリスの言葉に従って、ミリーシャさんが私へ魔石を渡した。


「俺の考えも同じで、この魔石はアイが持つべきだ。魔石は魔物退治した人間が獲得できる。下手に国で所持していると他国との均衡が崩れる恐れがある」


 上位魔物の魔石はあまりにも貴重で強力みたいで、他国への抑止力よりも魔石を狙われる可能性もありそうね。


 上位魔物討伐には私の名前は表に出ていないし、私ならふたりの女神様が守ってくれる。私が持っているのが安全かもしれない。


「下手に争いの種になるのなら、お言葉に甘えて私がもらっておくね。収集部屋に保管するから盗まれる心配もないよ。宝石と一緒に飾ったらきれいそうね」


 イロハ様の世界にある宝石はまだ持っていないから、いつかは旅に出て宝石をいっぱい集めたい。


「アイに贈り物があるの」


 魔石を話が終わると、メイティリスがテーブルの上に小箱を置いた。高級そうな革で作られた小箱で、メイティリスは小箱を私の前に移動させる。


「開けても平気?」


「早く開けてほしいの。アイなら気に入ると思う」


 手にとって小箱の上蓋を開けた。箱の中身が目に入ると心が躍った。


「ハートシェイプのオパールね。幻想的ですごくきれいなかがやきよ」


 赤斑が見事なオパールのルースで、かがやきを堪能したくて、顔の向きを変えて斑の動きを楽しんだ。


「喜んでくれてうれしい。ワタシのお気に入りのルースなの。王都ザイリュムから運んでもらった甲斐があったの」


「メイティリスからの贈り物なら私の宝物よ」


 うれしくなって、小箱を大事に抱えた。


「俺からも宝石を贈ろう。上位魔物を消滅させた祝いだ」


「わたくしからも宝石がありますわ。アイさんの好みならうれしいです」


 タイタリッカさんからはエメラルドカットのエメラルドを受け取って、ミリーシャさんからはオーバルカットのルビーだった。どちらもきれいなルースだった。


「一度に3種類も宝石が増えてうれしい。今日のこの瞬間は一生忘れない。3人ともありがとう。この宝石を宝石博物館に飾っても平気?」


「どのような建物なの?」


 メイティリスが聞いてくる。


「宝石を展示するための建物よ。庭に新しい建物があったと思うけれど、あの建物が宝石博物館なのよ。私ひとりで宝石を眺めてもよいけれど、多くの人に見てもらいたいからお姉様に造ってもらったのよ。もちろん盗まれる心配はないよ」


「アイが展示したいのなら構わないの。みんなに見てもらえるのなら、宝石もうれしいと思うの」


「大事にするね」


 箱からルースを取り出して何度も宝石を眺めた。どの宝石もすてきで、イロハ様の世界に来て初めての宝石だった。これからも宝石をたくさん入手してイロハ様の世界を楽しみたい。


 その日は夜遅くまでプレシャスと一緒に宝石を語り合った。


(了)

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