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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第14石_ダイヤモンド

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第84話_女神様の姉

 先ほどと違う夜空が目の前に現れて、イロハ様の空間に戻って来たみたい。


 視線を移動させるとイロハ様が立っていて、理想とも言える顔立ちで長い髪が似合っている。いつ見てもダイヤモンドのような輝きを放っていた。


 私に近寄ってくると無言で抱きついてきて、いつもより力が強くて私を離したくない感じにも思えた。


「あの子から倒れたと聞いて非常に心配しました。混乱を招くため地上へ行けませんでしたが、アイが無事で安心しました」


 いつもと異なるかすれた声だった。それほど私を心配してくれたみたいで、申し訳ない気持ちが大きかった。


「7色オパールの魔法を使ってごめんね。でもほかに方法を思いつかなかった」


「アイの気持ちは分かっていますから大丈夫です。愛しいアイのつらい姿は見たくありませんから、今はゆっくり休む必要があります」


 叱られると思ったけれども、やさしく声をかけてもらえた。これ以上はイロハ様に心配をかけたくない。


「今後は無茶をしないし、イロハお姉様とプレシャスに迷惑をかけないよ」


 イロハ様が私の頭を撫でて、頬ずりをしてきた後にイロハ様から開放された。イロハ様が少し離れた位置で私をじっと見ていて、最後に頷いていた。


「宝石魔図鑑も改善されたようで、ペンダントの加護も増えました。これで好きな宝石で魔法を作れるでしょう」


「宝石魔法の問題は直ったから、宝石魔法でイロハお姉様の世界を楽しめる。本物のアイ様から頂いたペンダントの加護もうれしい。そうだ、忘れるところだった。イロハお姉様に伝えたい内容があったのよ」


 先ほどまでいた、本物のアイ様と会った出来事を思い出した。


「上位魔物ですか。今は消滅していません」


 イロハ様が聞いてくる。


「それもあるけれど、本物のアイ様についてよ。イロハお姉様は本物のアイ様が反抗期になったと話していたけれど、本当は違っていたのよ。イロハお姉様が、ほかの女神様と仲良かったから嫉妬したみたい」


「本当ですか!」


 声を張り上げて目の前に顔を近づけてきた。きれいな瞳に吸い込まれそう。期待の眼差しで私を見ているから、アイ様の言葉をそのまま伝えたい。


「イロハお姉様を愛しい人と呼んでいたよ」


「アイはワタシと妹を結ぶ絆です。晴れやかな気持ちになりました。アイには借りができましたから、可能な限り望みを叶えましょう」


 また抱きしめられたけれど、さきほどと異なってやさしく包んでくれた。しばらくしてイロハ様が私を開放してくれた。


 私の望みだけれど、家を用意してもらって頼りになるプレシャスもいる。アイ様からは宝石魔図鑑をもらっているから、生活する上での望みはなかった。でも宝石関連なら叶えたい夢があった。


「庭に宝石博物館を建てて、イロハお姉様の世界にある宝石を集めて堪能したい。無料で開放して宝石のすばらしさを広めたいけれど、建物を建てても平気?」


 いつか旅に出て集めた宝石を展示して、いろいろな人に見てもらいたかった。


「すばらしい考えです。ワタシへの望みは建物の建築ですか」


「宝石は高価だから盗まれないか心配なのよ。見た目もすてきで防犯機能が整った宝石博物館を建ててもらいたいけれど、お願いできる?」


 訴えるように視線を向けると、やさしいイロハ様の視線がかえってきた。


「造作もありませんので、庭を広げて宝石博物館を建てておきます。アイに殺意ある人間や魔物は近づけませんから安心してください。宝石博物館から宝石を盗むことも不可能ですから、楽しみにしてください」


 イロハ様にお礼を言って、宝石博物館の詳細を説明した。外装や内装の雰囲気から部屋の数などを説明して、一通り希望を話し終えた。


 もうひとつ叶えたい内容があるのを思い出した。


「宝石博物館の完成が楽しみ。少し困っていることがあって、もうひとつだけお願いしても平気?」


「アイの頼み事で可能なものは断りません」


 あとは内容が受け入れられるかだけれど、これはイロハ様次第に思えた。


「これ以上はメイティリスを誤魔化したくないから、イロハお姉様からメイティリスに、私のことを話してほしい」


 このまま黙っているのがつらかったので、思い切ってイロハ様にお願いする。


「すべては話せませんが、ワタシの妹であると伝えることは可能です。アイが望むなら地上へも行きましょう」


 悩む素振りもせずにイロハ様が快く引き受けてくれたので、少しおどろいたけれど純粋にうれしかった。


「宝石魔法を使って呼び出す形でも平気? もちろん無闇に呼び出さないけれど、困ったときにイロハお姉様を頼りたい。夢の中以外で会う手段も欲しかったのよ」


「アイがワタシを頼ってくれる。愛しいワタシのアイ、望みどおりにしましょう」


 また抱きしめられて、温かい気持ちが心の中を満たした。


 イロハ様と本物のアイ様にあった誤解が少しは解けたみたいで、少しでも女神様の役に立ててうれしかった。いつかはイロハ様と本物のアイ様を会わせて、一緒に楽しく語り合いたい。


「イロハお姉様の心遣いがうれしい。家に戻ったらプレシャスと一緒にすてきな魔法を考えるね」


「あの子もアイの帰りを待っているでしょう。これからもワタシの世界を楽しんでもらって、アイの喜ぶ姿が見られればワタシもうれしいです」


 イロハ様の声が子守歌に聞こえてきて、心地よい睡魔が襲ってきた。


 心と体をイロハ様に委ねた。

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