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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第12石_アクアマリン

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第77話_収集部屋に保管

 ハンターギルドでリリスールさんが緊急依頼の報告をしてくれて完了となった。横で見ているだけだったけれど、ふつうの依頼報告とあまり変わらない。メイジフェイク以外の魔石と素材を売ると、報酬と合わせて何日も暮らせる金額となった。


 明日も3人で魔物退治に行くことが決まって、集合は2刻の鐘とした。今日はこれで解散となって、ハンターギルドでリリスールさんとライマインさんと別れた。


「上位魔物が近づくと買い物もむずかしくなるよね。今日はたくさん品物を買っておいて、収集部屋に保管したい」


 一緒に歩いているプレシャスへ声をかける。


「何を買うつもりですか」


「保存できる食べ物と日用品ね。せっかくの収集部屋だから有効に活用したい」


 最初に食料関連のお店に向かうと、通りには人で溢れていた。お店では乾燥された食材や穀物類も買って、お肉は家の周辺で確保できるから後回しにした。


 袋や紐などの小物もいくつか買って、町を出たあとに大きな品物は転送魔法で収集部屋へ移動させた。転送魔法の利用も徐々に慣れてきたみたい。


 私とプレシャスは転送魔法を使わずに歩いて家へ戻った。


「念のために収集部屋で転送した品物の状態を確認するね」


 寝室から収集部屋に向かって品物を確認する。


「無事に届いているようですが、魔方陣は合っていますか」


 転送した品物をプレシャスが見つけて聞いてくる。


「指定した魔方陣に置いてあるよ。あと何度か確認してみて、とくに問題がなければ確認はなくすつもりよ」


 最初に送った品物は魔方陣の外側にあって、想定していた通りに中央から出現して外側に追い出されたみたい。品物同士が重なっても消滅しないから、安心して転送魔法が使える。


 貴重品を置く魔方陣へ移動してみると、メイジフェイクの魔石を棚にしまった。緊急依頼の報酬の一部も棚に保管して、いざというときに使えるようにする。


「転送魔法になれたら日用品を少しずつ揃えたいし、集める宝石は出会いが大事だと思うから気長に探すつもりよ」


 宝石探しは好みに合うかが重要だから焦っても仕方ないと思う。


「アイ様が喜ぶ宝石はきっとあると思います」


 プレシャスと話しながら、収集部屋の中身を確認していく。まだ品物の数は少ないけれど、いつかはたくさんの品物で埋め尽くしたい。


 プレシャスとリビングへ移動して、夕食を作る前に魔物討伐の疲れを取るためにひと休みする。椅子に座るとテーブルの上にプレシャスが乗った。


「多くの魔物と戦ってさすがに疲れた。とくにメイジフェイクには魔法を唱えるだけでも大変で何とか勝てたけれど、連続魔法で倒すのはおかしい?」


 人前では控えてほしいとプレシャスが言っていたのを思いだした。


「通常は魔力が持ちませんので、アイ様ならではの戦い方です。魔法に長けていて魔力が多くても、アイ様ほどの連続魔法は無理です」


「一般的ではないのね。連続で魔法を唱えるのは目立ちそうだから、緊急以外は使わないようにするね」


 人の命が関わるときなら周囲の目を気にせず連続魔法を使うつもりだけれど、ふつうの魔物討伐なら単発で威力を増すほうがよさそうに思えた。


「無限の連続魔法は人目を引きますので、無闇に使わないほうがよいと思います」


「イロハお姉様の世界を楽しむために、自由に動きたいから目立ちすぎるのは避けたい。そのうち自由に旅したいけれど上位魔物がいても平気なの?」


 気になっていたのでプレシャスへ聞いてみた。上位魔物は消滅するまで待つしかないと聞いていたから、近寄るのも困難だと容易に想像できる。


「上位魔物に近寄らないのが1番ですが、かりに近くに来てもアイ様はわたしが守りますので大丈夫です」


 自身のある言葉でプレシャスが話してくれた。


「プレシャスがいれば安心できるけれど、行きたい場所が上位魔物に破壊されると楽しみも減るよね。街などが危なければ、プレシャスが上位魔物と戦ってくれる?」


「上位魔物が近くに出現した場合はアイ様の安全が最優先ですので、すぐに遠くへお連れします。アイ様を守るので、わたしが上位魔物と戦うことはありません」


 前に聞いたときと同じ答えだった。ただプレシャスの実力がどの程度なのか興味があるのも事実だった。


「実際は戦わないのは分かったけれど、仮にプレシャスが上位魔物と戦うとどのような感じになるの?」


「上位魔物と戦えば広範囲が戦場となって、街ひとつが簡単に消える規模の影響が出ます。破壊力のある上位魔物なら、国の存続に関わる規模にもなります」


 予想よりも大きすぎる戦闘になりそうで、上位魔物も相当強いと分かった。


 今までプレシャスは私の近くにいて、少なくともすぐに駆けつけられる範囲内にいた。イロハ様から私の安全を任せられていると思うから、仮に私を避難させてからプレシャスが戦うとは考えにくい。


「上位魔物は自然消滅を待つしかなさそうね」


「その方法が確実で、わたし以外が戦うにしても被害は大きくなるでしょう」


 討伐できる戦力が揃ったとしても、国を滅ぼす覚悟が必要そうね。今の私にできることは街周辺の魔物退治くらいに思えてきた。


「メイティリスが無事に戻ってきて欲しいし、きっと大丈夫よね」


 私自身に言い聞かせるようにプレシャスへ聞く。


「アイ様の祈りも通じると思います」


「無事に帰ってきたら手料理をご馳走したいから、今日は新しい料理を試してみるのもよいかもしれない。疲れも取れてきたから夕食の準備を始めるね」


 席を立ってプレシャスと一緒に台所へ向かった。

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