表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第11石_スギライト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/88

第70話_街へお買い物

 2刻の鐘は過ぎていたあたりに街へやってきた。昼食にはまだ早い時刻で、プレシャスと一緒に買い物へ来ている。


「このあと買い物をするときに、お金の出し入れで転送魔法を試してみるね。革袋を用意したから見た目は誤魔化せるはずよ」


 プレシャスに手持ちの革袋を見せた。手首まで入る大きさで、口元は紐で閉じるから中身は見えない。何処にでもありそうな革袋であった。


「その革袋なら違和感はありませんので大丈夫だと思います。今日はどのような品物を買うのでしょうか」


「食材と日用雑貨だけれど、プレシャスは何が食べたい?」


 プレシャスはどの料理もおいしく食べてくれるけれど、なかなか好きな食べ物の希望を言ってくれなかった。


「アイ様の手料理なら、どのような料理でもうれしいです」


 今回も食べたい料理の希望はなかったけれど、手料理をほめてくれてうれしい。料理を考えるために、頭の中で家にある食材を思い出す。


「お米は充分にあるから、今日はご飯物がよさそうね。お肉や野菜の残りが少しはあって、たまには卵料理が食べたいからオムライスにしたいと思う」


「初めて聞く名前の料理ですが、どのような食べ物ですか」


「お肉や野菜をご飯と混ぜて、最後に卵でくるむ料理よ。完成を楽しみにしてね」


 作る料理が決まったので、オムライスに足りない食材を探した。


 何度も料理を作って分かってきたけれど、元の世界と全て同じ食材では作れなかった。とくに調味料や香辛料は買って試すしかなかったけれど、いつの間にか作っているうちに思った味つけができるようになっていた。


 いつも卵を買っているお店に着いたので店主へ声をかける。


「おじさん、今日は卵を4つほしい」


「豪華な料理にするのかい。小銀貨が4枚だ」


 イロハ様の世界では卵が高かったけれど、買えないほどの値段ではなかった。


 店主が卵を用意している間に、革袋へ右手を入れて『瞬スギライト』と心の中で唱えた。収集部屋の小銀貨を取り寄せると、手の中に硬貨の感触が発生する。


「ちょうど4枚よ。卵が割れないように包んでね」


 店主はいつも通りの感じで小銀貨を受け取ってから、卵を渡してくれる。とくに問題を起こさずに買い物ができて、最後まで店主の態度は普段と一緒にみえた。


 卵を受け取ると路地に移動してから足を止める。視線をプレシャスに移すと、プレシャスが口を開いた。


「今の買い物中に魔法を使ったのですか」


「小銀貨を収集部屋から取り寄せたけれど、プレシャスにも分からないのなら問題なさそうね。今度は卵を収集部屋に送ってみる」


 卵をていねいに革袋へ入れから転送魔法を唱えると、袋の重さが少し軽くなったのが分かる。


「いまので卵を送ったのでしょうか。革袋の膨らみ方に少し変化はありましたが、誰も魔法を使ったとは気づかないでしょう」


 転送すると分かっていたから革袋の膨らみを把握できたと思うけれど、何も言われなければ表面にしわができたと感じるくらいだと思う。


「革袋に入っていてもおかしくない小さいものなら大丈夫そうね。安全に旅ができて貴重品をなくす心配も減ったから、イロハ様の世界を楽しめる」


 人目がないところで私自身の転送を試したいので、プレシャスと一緒に街の外へ向かって通りを歩き出す。私とプレシャスが収集部屋に移動できれば、試したかった魔法の確認が終わる。


「旅で行きたい場所はあるのでしょうか」


 横を歩きながらプレシャスが聞いてくる。


「王都ザイリュムには行ってみたいし、鉱石や宝石の原石を産出するケミリス王国にも興味ある。可能な限りイロハ様の世界にある宝石を集めてみたい」


 私の知らない宝石があるかもしれない。


「収集部屋を宝石で埋めればイロハ様も喜ぶでしょう」


 集めた宝石を眺めて触って楽しめれば、祝福のひと時になりそう。ほかの人にも宝石のよさを知ってもらいたいけれど、収集部屋を公開するのは無理よね。収集部屋以外を考えていると、別の手段が頭に浮かんだ。


「家の横に宝石博物館を造りたいけれど、イロハお姉様は許可してくれるかな」


「どのような建物でしょうか」


「宝石を展示する家よ。集めた宝石を私だけが眺めるのはもったいないから、ほかの人にも見てもらいたいと思ったのよ。イロハお姉様の世界にある宝石は誰でも見たいと思うはずだから、子供でも来られるように無料で展示してみたい」


 貴重な宝石があれば有料にも出来るけれど、べつに儲けようとは思っていない。


「すてきな発想だと思います」


 プレシャスと話しているうちに、いつの間にか門の近くへ来ていた。門番にハンターギルドの証をみせると、中身を確認するだけで門を通してくれる。この街の証明書なら無料で街に出入りができて便利だった。


 門の近くは人の往来が多かったので、人が減るまで道なりに進んだ。前方の奥に木々が生い茂っている場所があって、そのあたりには誰も近寄っていない。


「向こうの茂みに隠れたら転送魔法を試してみるね」


 道を外れて進んで人も遠くに見える程度になったので、木々の間に入れば魔法を使っても問題はなさそう。


「アイ様、下位魔物の気配がします」


 プレシャスに言われて辺りを見渡したけれど、魔物の姿を確認できなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ