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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第11石_スギライト

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第68話_ふるさとのスギライト魔法

 転送魔法で使う予定の宝石が思い浮かんだ。


「あまりジュエリーでは見かけないけれど、スギライトという名前の宝石で紫色の模様がすてきよ」


 ジュエリーよりもパワーストーンとして有名な宝石でもあった。


「聞いたことのない名前ですが、転送魔法との関連は何ですか」


 今回は転送魔法に関連しそうな宝石選びで苦労したので、プレシャスも興味ありげに聞いてくる。


「スギライトは私が生まれた国の学者が発見した鉱物で、生まれた国は私にとって大事なものでもある。収集部屋には大切な品物も入れたいから繋がりを感じたのよ。元の世界は私のふるさとでもあるので、ふるさとは大切なものよね」


 もう元の世界へ戻れる可能性はないと思うけれど、プレシャスと一緒の生活は楽しくて満足している。それでも元の世界は心の中に記憶として残しておきたかった。


「すてきな考えだと思います。アイ様のふるさとを思い出す宝石が見たいです」


 プレシャスが顔をすりつけてきて、宝石への興味以外に私を心配しているのかもしれない。プレシャスの何気ない仕草がうれしかった。


「宝石魔図鑑でスギライトを見せるね。私がいた国で採取されて、新鉱物として認定された宝石よ」


 宝石魔図鑑を開いてスギライトの頁を表示させた。


「淡い紫色から濃い紫色まで色が混ざっていますが、どの色合いでも目を楽しめさせてくれます」


 プレシャスは顔を動かしながら、表情が異なるスギライトを眺めている。


「同じ紫色でもアメシストとは雰囲気が異なるから、宝石は眺めるだけでも楽しいよね。スギライトの産出量が多い地域は、私がいた国で産出するスギライトと見た目が異なっていて、スギライトの硬度はオパールに近いのよ」


 私が持っている知識だけでは、全ての宝石の詳細を語ることは出来ない。それでも宝石魔図鑑には宝石の説明も書かれているから、解説を読むだけでも楽しかった。


「柔らかい宝石ということでしょうか」


 プレシャスもオパールが傷つきやすいと覚えていたみたい。


「スギライトはルビーやサファイアのような固さはないから、取り扱いには注意が必要よ。オパールも硬い宝石と一緒にしまうと傷が付くから注意していた」


 ジュエリーボックスに宝石やジュエリーを保存する場合は、それぞれの宝石が持っている硬さを考慮する必要がある。傷以外にも宝石に汚れが付いたままだと劣化するので、宝石を末永く楽しみには保存方法も重要だった。


「宝石の保管時に注意が必要とは知りませんでした」


「種類の異なる宝石を一緒に保管する場合は、各宝石を把握する必要があるかな。宝石も決まったから魔法の中身を決めていくね」


「魔法はふたつ作成すると聞きましたが、どのような効果を持たせるのですか」


 プレシャスの質問に少し考えた。魔方陣を作る魔法と転送する魔法を作りたいけれど、とくに魔方陣が重要になると思っている。


「まずは魔方陣を作る魔法だけれど、魔方陣はクリア以外で消えないようにしたいから、自然由来の素材で描けばと考えている」


「先ほど使った魔法の肥料はどうでしょうか。アイ様らしい魔方陣になります」


 考えてもいなかった素材だけれど、プレシャスの案は理に適っていると感じた。


「その発想は面白そうだから、ぜひ採用したい。魔方陣の模様は元いた世界を表現すれば、より私らしい魔法になるよね」


 魔方陣は円形が多い印象があるから、それに該当するものを考えると地球の姿が真っ先に浮かんだ。魔方陣を地球の姿にすれば、ふるさとにも通じるし、私以外には把握しにくい模様という利点もありそう。


「どのような魔方陣となるのか楽しみです。転送魔法はどのようにしますか」


「私が指示した人や品物が目的の魔方陣へ転送できるようにするつもりよ。転送できる人や品物が何処にあるかは、意図的に宝石魔図鑑には書かない」


 自由度の高い宝石魔法なのであえて細かく書かずに、私の念じる内容へ調整できるように考えた。


「どのような場合を想定して、わざと書かないのですか」


 プレシャスの質問だった。


「離れた場所の品物でも緊急で転送する可能性があるからよ。手に触っていると書いてしまうと、転送できる品物をつねに触る必要もあるからね」


 私の答えにプレシャスは頷いてくれた。


「みえる範囲の品物が転送できればたしかに便利です。そのほかにはどのような仕組みを宝石魔図鑑へ書き込むのですか」


「いくつかあるけれど、最初は転送先の空間に別の品物があるかもしれないから、その場合は別の品物を押し出して出現させる内容ね。それと転送先の基本は魔方陣の中にしたいけれど手元に呼び出す場合も考えて、任意に変更できるようにしたい」


 思いつく決まり事をいくつか話した。安全を考えながらも利便性を失わない内容にしていきたい。


「魔法の効果が分かってきましたが、ふつうではそこまでの自由度のある魔法はありません。アイ様の宝石魔法は柔軟性に富んでいます」


「楽しまないと損だからね。今回の魔法はほかの人に気づかれたくないから、魔法発動時は魔方陣の色が変化する程度で済ませるつもりで、発光もなしにしたい」


 暗闇で魔法発動が分かると問題になりそうだから、今回は見た目で楽しめないのが残念でもあった。


「宝石魔図鑑と魔法発動で出現する基本ルースはどうしますか? 今のところは自動で出現しています」


 プレシャスが、私では気にしていなかった内容を教えてくれた。


「忘れていた。プレシャス、ありがとう。ふたつの魔法とも両方が出現しないように書いて、それで駄目なら場所や大きさを変更できないか検討してみる。今の内容と呪文を宝石魔図鑑に書くね」


 決めた内容を宝石魔図鑑に書き出して、最後に呪文も記入した。今までの魔法にくらべて1番多くを書き込んだ、スギライトを使ったふたつの魔法が完成した。

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