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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第10石_スピネル

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第65話_大聖女の出発

 2刻の鐘が鳴る前にプレシャスと一緒に神殿へ到着して、神殿に入ると神官に声をかけられた。メイティリスから話は伝わっていたみたいで中庭へ案内された。


 20名以上の騎士や魔道士が待機していて、統一感のある装備をしていた。ひと目で高品質な作りの高級品と分かる装備だったけれど、見た目重視ではなくて戦い重視だと私にも分かった。


 案内してくれた神官によると、集まっている騎士や魔道士はメイティリスの護衛だと教えてもらった。


「間もなく大聖女様が来ますので、この場所でお待ちください」


「イロハ様の石像前で待っているね」


 神官が神殿へ向かって歩くのを確認すると、私は石像の前に行ってイロハ様にお祈りした。お祈りが終わるころには心が軽くなって温かい気持ちになった。ゆっくり立ち上がってプレシャスに顔を向ける。


「メイティリスが来る前に準備を始める」


「7色オパールだけは使わないようにお願いします」


 念の押すようにプレシャスが話す。


「同じ過ちは起こさないから大丈夫よ。追加魔法はひとつで、花びらスピネル」


 オフの状態で呼び出して、周囲には宝石魔図鑑とスピネルの基本ルースのみが浮いていた。衣装とハープはメイティリスが来てから出現させるつもりだった。


 周囲の空気が変わったと感じると人垣が左右に分かれて、奥からメイティリスが歩いてきた。普段と異なる服装で動きやすさに重点が置かれていた。


 メイティリスの周りには護衛と思われる人物が数名いて、その中にはタイタリッカさんとミリーシャさんもいる。メイティリスを含めて笑顔はなかった。


「もうすぐ出発するけれど、その前にアイの踊りで心を温かくしたいの。ワタシのために踊ってくれる?」


 家に来たときのような甘えた雰囲気はなくて、緊張感が漂ってくる。


「そのつもりで神殿へ来たから、新しい魔法も使うから楽しみにしてね」


「一緒に行く部隊もアイの踊りを見たいそうだが、構わないか」


 タイタリッカさんが聞いてきた。もちろん断る理由はなかった。


「それで人が多いのね。一緒に見ても大丈夫だけれど、せっかくだからイロハ様の前で踊れば、きっとイロハ様がみんなを祝福してくれると思う」


 私の踊りには神聖魔法のような効果はないけれど、みんなには無事に戻ってきてほしいから、少しでも縁起担ぎをしておきたかった。


 メイティリスを先頭に隊列が作られて、メイティリスがワタシへ顔を向ける。


「アイの歌と踊りを見せて」


 メイティリスの言葉に目をつぶって集中した。心の中でイロハ様に感謝を述べてから、目を開けてメイティリスに視線を向ける。メイティリスが緊張しているみたいだから、安心させるためにとびきりの笑顔を見せた。


「歌と踊りを思う存分に楽しんでね。音色トルマリン、煌めきトルマリン」


 基本ルースのあとにハープが出現して衣装も変わった。


「~花びら踊る街で~。オン」


 音楽に合わせて体を動かした。心の中で花びらスピネルをオンにすると、私の周囲で花や花びらが舞い始めた。音符も踊るように浮かんでいて、みんなの無事を祈りながら歌って踊った。


 踊りで体に熱を帯びてきて、同時に心も温かくなってきた。イロハ様に抱きしめられた気分にも似ていて、イロハ様の温かさを感じなら踊り続けた。


 音楽が鳴り終わるのにあわせて歌と踊りも終えた。


 みんなからうれしい拍手が起きて、メイティリスに視線を向けると何処か遠くを見ている感じだった。私の視線に気づいたみたいで、こちらに歩いてくる。


「すばらしい音楽と歌と踊りで、錯覚だとは思うけれど祝福部屋でイロハ様に会った気分なの」


「メイティリスが喜んでくれてうれしい。踊った甲斐があった」


「大聖女様、そろそろ出発時刻です」


 タイタリッカさんが呼びに来た。メイティリスが私の手を握ってくると、しっとりしていて緊張しているのが分かった。自然とメイティリスを抱きしめて、やさしく安心するように声をかけた。


「無事に戻ってきてね」


「帰ってきたら、また踊りを見せてほしいの」


「もちろんよ」


 メイティリスは私の声に頷くと、元の位置へと戻っていく。


 部隊の指揮官はタイタリッカさんみたいで、ほかの人たちへ指示を出していた。全員の動きに無駄がなくて、熟練した部隊だと分かった。


 2刻の鐘が鳴るとメイティリスたちが神殿から出発して、それを見送りながら無事に戻って来てほしいとイロハ様に祈った。

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