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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第10石_スピネル

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第61話_きれいすぎた宝石魔法

 メイティリスが来る前にスピネルで作った魔法を確認したい。7色オパールも同時に使いたいから、プレシャスと一緒に庭へ出た。


「新たに作った魔法は踊りと一緒に使って、踊り終わったら7色オパールを大空に向かって唱えてみる。私の周辺から、大空へ広がるたくさんの花火を確認してね」


 事前にプレシャスへ魔法を唱える順番を説明した。


「こちら側から全体の動きとあわせて見ています。アイ様ならすばらしい踊りと魔法で周囲を魅了できるでしょう」


「おかしな点があれば遠慮なく言ってね。最初は新しい魔法よ。花びら(はなびら)スピネル」


 宝石魔図鑑から基本ルースが出現したけれど、見た目に変化はなかった。オフの状態で出現させたからで、周囲にはスピネルの基本ルースが浮いているだけだった。


「ここからは今までと同じ魔法になるよ。音色トルマリン、煌めきトルマリン。音楽と花を一緒に開始してみせるね。~花びら踊る街で~。オン」


 音楽が始まったと同時に私の周囲で花や花びらが舞い始めた。心の中で想像を膨らませれば、ふたつの魔法を同時に開始できるみたいで便利な機能だった。


 いつ通りに踊り始めているけれど、慣れてきたから踊りも上手くなったと思う。少し離れている位置で見ているプレシャスの表情も楽しそうに思えた。


「花の数や大きさは踊りの邪魔にならなくて、踊りを引き立ててすてきです。花の色合いも鮮やかで見ていて飽きません」


 プレシャスが感想を教えてくれた。踊りを中心に見せたいから、宝石魔図鑑に書かれた内容で問題なさそうね。周囲の花や花びらを目で追いながら踊りに集中した。


 1曲のみで試したから、短時間だったけれど気持ちよく踊れた。このあと7色オパールを唱えるけれど、その前に新しい魔法の出来映えを確認したかった。


「実際に試した感じでは踊りとの連携と違和感はなくて、花びらスピネルは酒場でも使えそうね。花や花びらは消えるから周囲を汚さずに済むのもうれしい」


「いつみてもアイ様も魔法はすばらしいです。冒険者や旅人も喜ぶでしょう」


 プレシャスも満足してくれたみたい。


「メイティリスも気に入ると思う?」


「わたしも心を奪われましたから、アイ様の気持ちが伝わると思います。アイ様は大聖女のことになるとうれしそうに話します」


「メイティリスは特別な友達だからね。無理だと思うけれどいつかは一緒に旅したいと思っているし、そのときはもちろんプレシャスも一緒よ」


「アイ様との旅は楽しみでもあります」


 イロハ様の世界を楽しむなら、ひとりよりも大勢のほうがもっと楽しめそう。人間だけではなくて、精霊や使い魔とも友達になれればもっとうれしい。


「あと確認する魔法は7色オパールだけれど、空に向かって唱えるから近寄っても平気よ。プレシャスと一緒に花火の魔法を楽しみたい」


 私の言葉を聞いてプレシャスが足元に寄ってきた。


「次はオパールを使った魔法ですか?」


「最初に覚えた魔法のひとつで、魔法を作ったときは家の中だったから威力を弱くしたのよ。今は空がみえる外にいるから、宝石魔図鑑に書かれている威力と最大威力で試してみたい」


 魔法の威力が上がれば、花火の大きさがどの程度変わるのか確かめたかった。


「7色の光が何処まで広がるか楽しみです」


「さっそく唱えてみるね。最初は宝石魔図鑑と同じ威力よ。7色オパール」


 基本ルースが出現してから、7色の光がらせんを描きながら空に向かって飛んでいく。屋根の高さを超えたあたりで花火のように弾けて飛び散ると、虹色のオーロラが空から降り注いだ。


「魔法による花はうつくしいです。夜に使用すればもっと色鮮やかになるでしょうから、星空と一緒に眺めるのも楽しみです」


 プレシャスも喜んでくれた。


「日中だけれど、花火のようにきれいで外のほうが迫力もあった」


 私も満足のいく出来と思っていると、ふと胸元が温かく感じた。手で確認するとペンダントが熱を帯びていて、徐々に熱さは収まっていく。たしかペンダントはイロハ様の加護があるけれど、7色オパールとの関係があるかは分からない。


 気のせいか体がだるくなったけれど、疲れが溜まってきたのかもしれない。あと一度魔法を使ったら休憩したほうがよさそう。


「最後に最大の威力にして7色オパールを唱えてみるね。確認が終わったらメイティリスが来るまで休憩するつもりよ。せっかくなら単発ではなくて、5連の花火にすれば迫力もあって楽しめそう。まずは最初ね、7色オパール」


 基本ルースから魔法の発動を確認してから、残りの4回は心の中で唱えた。7色の光が連続で空に向かって、先ほどの2倍以上の高さまで飛んでいった。


 花火が大きく広がる前に、急に視界が狭くなって日中の明かりも夜のように消えていく。体が動かずに視線が空から地面へ移って、睡魔が襲ってくる感覚だった。


 近くにいるはずのプレシャスの声が、子守歌のように小さく聞こえた。

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