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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第9石_スフェーン

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第59話_大聖女がやってきた

 ハンターギルドに隣接する酒場でミーリンさんと一緒に踊ったあと、街で買い物をしてから家へ戻った。先ほどプレシャスと一緒に夕食を済ませたところで、リビングでプレシャスと一緒にくつろいでいる。


「今日は討伐や踊りで疲れたけれど、いろいろとできたから楽しかった」


「アイ様が楽しまれて、イロハ様も喜んでいるでしょう」


「プレシャスも強くてすごかったけれど、中位魔物でも余裕で倒せるの?」


 プレシャスが強いのは知っているけれど、どの程度の強さか知りたかった。


「ほとんどの魔物には圧倒的な強さで問題なく勝てます。ただアイ様の楽しむ姿が優先ですので、わたしが魔物を簡単に倒しても面白くありません。イロハ様はアイ様の活躍を楽しみにしています」


「イロハお姉様の世界を楽しむには、中位魔物を倒せる力が必要なの?」


 魔物退治は手段であって目的ではないから、過度な力は考えていない。それでもイロハ様の世界を見て回るのに必要な強さを持っておきたかった。


「複数の中位魔物を、仲間と一緒に倒せるのが目安と思います。旅の途中では盗賊に襲われることもありますので、複数相手に対応できる実力も必要です」


「襲ってくるのは魔物だけとは限らないのね」


 いくらプレシャスが強くても一度に守れる範囲は限度があると思うから、私自身の力のほかにも仲間は重要だと思った。


「その通りです。アイ様、大聖女の気配がします。残りの気配もしますが、今までと同じふたりでしょう」


 プレシャスが玄関の方向へ視線を向けた。


「気配だけで誰かわかるの?」


「誰もという訳ではありませんが、特徴ある気配なら特定できます。大聖女の気配は独特ですので分かりやすいです」


 メイティリスはイロハ様に会っているから、気配に特徴があるのかもしれない。席を立って玄関へ向かう途中で、メイティリスの声が聞こえた。


 玄関を開けるとメイティリスと、そのうしろにはタイタリッカさんとミリーシャさんが立っていた。普段はこの3名で行動しているみたいね。


 メイティリスたちを迎えてリビングへ案内した。


「すぐに飲み物を用意するから、座って待っていてね」


 飲み物を配り終わって席に座ると、目の前にいるメイティリスが私の顔を何度か確認している。またイロハ様の気配を感じているかもしれない。


「アイはハンターギルドで何していたの?」


 イロハ様に関することではなくて、日中に如何していたか知りたいみたいね。


「今日は初めての討伐依頼だったから、魔物を退治してハンターギルドで討伐依頼完了の報告をしていたよ」


「無事に達成できてよかったの。でも酒場にも行っていた気がするの?」


 酒場にいるところを見ていたようだけれど、私は踊りに集中していてメイティリスがいたのには気づかなかった。プレシャスなら気配で分かっていたと思うけれど、危険はないから言わなかった可能性もある。


「酒場では都合が合うときに踊り子として働いているのよ。今日はミーリンさんと一緒に踊って楽しかったよ」


「ほかの人と一緒に踊っていたの?」


 メイティリスが腰を浮かせて、驚いているような顔で私を見ている。


「ミーリンさんは踊りと音楽に興味があったみたいで、話の流れで一緒に踊った」


「ワタシもアイと一緒に踊りたいの」


 訴えるような瞳で私を見つめる。


「いつでも歓迎よ。メイティリスの踊っている姿を私も見てみたい」


「今日にも踊りたいけれど」


 そこで言葉を切って、メイティリスがミリーシャさんに視線を向けた。何か確認しているみたい。


「今日はこのあとに予定が入っていますわ。あまり長居はできないかしら」


 残念そうにミリーシャさんが答えた。


「無理は言わないけれど、この街を出発する前にもう一度この場所に来たいの。またアイにも会いたいし、この場所は神殿よりも落ち着くの」


 すがるようにメイティリスがお願いする。


「明日なら少しだけ時間を作れます」


「ミリーシャ、調整をお願い。アイに会う時間を作ってほしいの」


「神殿に戻りましたら調整しますが、昼食の時間帯なら平気だと思います」


 ミリーシャさんの言葉にメイティリスがうれしそうな表情を浮かべる。ミリーシャさんは護衛だけではなくて、メイティリスの日程管理もしているみたい。


「王都に戻るの?」


 何処かに行くみたいなので聞いてみた。


「用事があるけれどまた戻ってくるから安心してほしいの。明日の日中は平気?」


 大聖女としての仕事があるみたいで、しばらく会えなくなって寂しくなる。メイティリスともっと一緒にいたいけれど、私が言えばメイティリスを困らせるだけね。


「時間を空けておくから大丈夫よ。明日は手料理を作って待っているから、時間があれば一緒に踊ろうね」


「楽しみなの。今日は予定があるから、もう少ししたら帰るの」


 明日の会う時間だけを確認すると、慌ただしさの中でメイティリスたちは街へ戻っていった。明日の昼食は気合い入れて作っておきたい。

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