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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第9石_スフェーン

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第58話_ふたりの踊り子

 音楽と踊りについてはマイリンさんとよく雑談していたけれど、ミーリンさんとはあまり話していなかった。今はハンターギルドに接している酒場の奥にプレシャスといて、酒場で働くミーリンさんとお喋りをしていた。


「歌や踊りは習ったと言うよりも、友達の踊りを見て覚えたのよ。一緒に踊って動きを合わせているうちに自然とね」


 ミーリンさんに聞かれた質問へ答えた。


「アイちゃんの踊りを何度か見ているけれど、わたしもアイちゃんと一緒に踊れば踊りを覚えられるかな?」


 期待するような目でミーリンさんが聞いてくる。もしミーリンさんも踊れるようになれば、酒場も盛り上がると思う。


「ミーリンさんは酒場で働くときの動きが機敏にみえたから、きっとすぐに覚えられると思う。せっかくだから今日は一緒に踊ってみない?」


「わたしにできるかな」


「大丈夫よ。友達と一緒に踊る感じできっと楽しいと思うし、よければ友達になってくれる? この街に来てから日が浅くて友達が少ないのよ」


 ミーリンさんとは年齢が近いから友達になれたらうれしいし、近場から友達を増やしていきたいとも思った。


「仕事でなかなか話せなかったから、本当はこちらからお願いしたいくらい。ぜひ友達になってほしい」


「私もうれしい。今日は友達になった記念日だから一緒に踊ろうよ」


 元の世界では友達と一緒に踊って楽しかった思い出があるから、今回もミーリンさんと一緒に踊れれば楽しいと思う。


「そこまで言われれば一緒に踊ろうかな。でも衣装はないよ」


「宝石魔法を使えば、同じ衣装を着られるから大丈夫よ。ほかに何か気になることはある?」


「踊りに関しては今のところないよ。ただアイちゃんは常識知らずと、お姉ちゃんから聞いたけれど本当なの?」


 予想外の質問で、いつの間にか広まっていたのね。


「異国出身だからこの国の常識にうといのよ。でも徐々に覚えてきているから、少しずつはこの国の習慣に慣れてきたと思う。ミーリンさんは酒場で働いているから、情報が入りやすいよね。私が知っておくべき常識はある?」


 逆に質問すると、ミーリンさんは動きを止めて考え出した。


「最近の話題でも平気?」


 訪ねるように聞いてくる。


「それでも構わないよ。知っておいたほうがよい情報が増えれば、それだけでも助かるから大丈夫よ」


 ミーリンさんが手を動かし始めたので、話す内容が決まったみたい。


「一番関心が高い話題は上位魔物かな。まだこの街から遠いけれど、この国の領土内を彷徨いているみたいで、国の調査団が調べているらしいよ」


 上位魔物といえばイロハ様が教えてくれた魔物で、この街を直撃すれば膨大な被害が出るくらい強い魔物だったはず。まだ遠くにいるみたいだから、すぐに避難するなどは必要なさそうね。


「上位魔物は自然消滅を待つしかないと聞いたけれど、まだ消滅していないの?」


「すぐには消滅しないみたい」


「国が調査しているのなら、上位魔物は倒せないの?」


 この世界のどこかで過去にも上位魔物が出現しているはずだから、何かしらの対策を取っているかと思って聞いてみた。


「ランク10のハンターが数名以上は集まらないと、上位魔物と対峙するのは無理みたいよ。それでも倒せるか分からないし、そもそも人数が集まらないから現実的ではないかな」


 最高ランクは10で、今は誰もいないと聞いた。もしかするとこの世界のどこかにいるかも知れないけれど、そのランク10が数名以上必要なら、上位魔物を倒すのは実質無理だと思った。


「この国にいるハンターでは、最高ランクはいくつか知っている?」


 気になって聞いてみた。


「ランク9がふたりかな。斧使いの戦士と5属性の黒魔道士で、ザムリューン王国の英雄として有名よ。王都ザイリュムを活動拠点にしているみたい」


「ふたりの英雄なら、王都へ行ったときに一度は会ってみたい。その英雄でもランクが足りなくて、さらに人数が多くないと上位魔物は倒せないのなら、たしかに消滅を待つしかなさそうね」


 プレシャスなら上位魔物を倒せるかもしれないけれど、イロハ様の考えで手出しをしないはず。プレシャスは私を守るのが最優先だから、上位魔物を倒すよりも私を安全な場所へ避難させるはずよね。


「上位魔物の動きは遅いみたいだから、街の近くに来たら逃げれば平気よ。夕食の下準備が終わったかな。アイちゃんと踊るのなら、お客で酒場が込む前に踊りたい」


 ミーリンさんが立ち上がって背伸びした。


 ふたりで酒場に戻ってサムダラさんへ踊りについて話すと、ふたりで踊る了解をもらった。酒場はまだ混雑していなくてミーリンさんの母親もいるので、この時間帯なら一緒に踊っても平気みたい。


 いつも踊る場所にふたりで立って、テーブルを見渡すと知っている顔があった。よく踊りを見てくれる人たちだった。


「今日はミーリンさんと一緒に踊るよ。音色トルマリン、煌めきトルマリン」


 基本ルースが出現して、私の体が青色の光で包まれて踊り子の衣装に変わった。服の色は最初の歌に合わせて黄色にして、ハープは揺れながら小さな音符を漂わせていた。ミーリンさんがいる横に視線を移した。


「煌めきトルマリン」


 ミーリンさんの服装も同じように変化して準備が整った。


「最初は元気な歌、ベスト オブ ハンター。オン」


 私が踊り出すとミーリンさんも踊り出す。私の踊りを何度もみていたからか、ミーリンさんは遅れずに踊っていた。ミーリンさんとふたりで一緒に踊る姿にお客の反応もよくて、楽しい時間を過ごした。

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