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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第8石_コーラル

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第51話_畑を作った

 食事が終わってから、ライマインさんと一緒に畑作りを始めた。


「畑だけれど日当たりを考慮して、まずは家に近いこの1画で作りたい」


 畑の大きさが分かるように、棒きれを使って地面に線を引いた。最初は上手くいくかわからないから1部屋くらいの広さにした。畑を耕す範囲が決まると、事前に借りてきた道具をライマインさんに渡してお願いする。


「線を引いた内側の土を柔らかくしてほしいのよ」


「土を掘り起こすことしかできないが、それでも大丈夫か」


 道具を受け取ったライマインさんが聞いてくる。


「芽が出るくらいに、土が軟らかければ大丈夫よ。肥料は魔法で用意したから、育て方は試しながら頑張ってみるつもりよ」


 畑仕事は魔物退治と違って命を落とすわけではないし、宝石以外の知らないことを体験するのも、イロハ様の世界を楽しむことに繋がる。


「アイの魔法は何でもありだ。そのうち魔法で野菜自体を作れるかもしれない」


「そこまで万能ではないし、それに作る楽しみは魔法で奪いたくない」


「アイと一緒に行く依頼は楽しめそうだ。土を掘り起こすから離れていてくれ」


「私は大きな塊をほぐしたいから、少しうしろから着いていくね」


 ライマインさんが土を掘り起こしていくと、作業が終わった場所から私のほうで固まっている土をほぐしていく。私の横ではプレシャスも器用に手伝ってくれた。


 さすがは現役ハンターで、土を掘り起こす作業も速度を落とさずに行っていく。私も負けないように土をほぐしていくと、思ったよりも早めに畑の基礎ができた。


「こんな感じで平気か」


 汗を拭いながらライマインさんが聞いてきた。


「充分に畑に適していると思うから大丈夫よ。それよりも体は疲れていない?」


「普段と異なる筋肉を使ったが、土が思ったよりも柔らかかったから、そこまでの負担はかかっていない。次はどうするつもりだ」


「用意した肥料をまくのだけれど、肥料袋を畑の近くにもってきてほしい。肥料をまくところは私が量をみながら試すつもりよ」


「肥料袋は何処にある?」


 場所を説明しようとしたときにプレシャスが声をかけてくる。


「アイ様、肥料袋はわたしもお持ちします」


「プレシャスには大きくて無理と思う」


 プレシャスは力があると思うけれど、プレシャスよりも大きな肥料袋を持たせるのは気が引ける。


「巨大化しますから平気です」


 言葉を実現するかのようにプレシャスの体が膨らんで大きくなって、大型犬ほどの大きさで止まった。


「初めて見たけれど、どの程度まで大きくなれるの?」


「不明ですが、アイ様が背中に乗れるくらいの大きさは問題ないです」


 もしかして家くらいの大きさになれるのかもしれない。


「私が背中に乗っても平気?」


 プレシャスに乗れるのなら試してみたかった。


「とくに問題ありません。ただ普段は自分の足で歩いたほうが、この世界を楽しめると思います」


「緊急な場合はお願いするね」


 ゆっくり旅をするときは私自身の足で、魔物から逃げるときなどはプレシャスに乗るという使い分けができそう。


「アイの使い魔はすごいな。猫ほどの大きさから大型犬ほどにはなれるのか。2段階の巨大化は可能だが、3段階までできるのなら国から呼ばれるほどだ」


 ライマインさんがおどろくほどだから、使い魔の巨大化はめずらしいみたい。


「私がすごいわけではなくて、プレシャスがすごいだけよ」


「それでもおどろきの連続だから、俺は異国を見たくなった」


「私も見せてあげたいけれど、戻る方法は非常に困難なのよ」


 本当は戻り方を知らないけれど、もしかしたらイロハ様に頼めば精神だけでも戻れるかもしれない。でも人間としての復活はできないと思っている。


「もしかして悪いことを聞いてしまったか」


「平気よ。それに今の生活も好きで、今の目標は私が知らないことの発見ね。魔物退治もそのひとつで、この世界を思う存分に楽しみたい」


「国ではなくて世界か、アイは目標が大きいな。これ以上話すと畑作りが遅れそうだから、肥料袋の場所を教えてくれ」


 ライマインさんに肥料袋の場所を教えると、プレシャスと一緒に肥料袋を取りに行ってくれた。次から次へと肥料袋を運んできてくれて、充分な量がそろった。私はその間に野菜の種と苗を用意する。


「プレシャスとライマインさんがいて助かった。肥料は私がまくね」


 肥料袋の中に入れておいた器を取り出して、器に肥料を盛ってから遠くへ飛ばすようにまいた。均一となるように注意して作業を進めて、周囲がまき終わるとプレシャスが肥料袋を移動してくれる。何度か繰り返すうちに肥料まきが終わった。


「赤色の肥料は初めて見たが、普通の肥料と異なるのか?」


「見た目が変わっているだけで効果は一緒で、土に栄養を与えてくれるよ」


 ライマインさんの質問に答えた。


「アイといると常識がわからなくなってくるが、用意してある野菜の種や苗は魔法で作ったのか?」


 野菜の種と苗をじっくり見ながら聞いてくる。


「さすがにそこまで宝石魔法は万能ではないよ。野菜の種や苗は街で買ってきた」


「そうか、それで何を育てるつもりだ」


「キュウリ、トマト、ジャガイモ、それにニンジンよ」


 残りの作業に取りかかって、種まきや苗植えはライマインさんにも手伝ってもらった。肥料有無での育ち方も確認したいから、一部の場所には肥料をまかなかった。最後に木の札で野菜の種類がわかるようにして作業が終わりとなった。


「ひと通り終わったようだ。あとは何を手伝う?」


「魔法で水をまけば終わりよ。料理や飲料水と同じくミネラル成分を豊富にしたいから、雫オパール」


 必要な成分を思い浮かべながら呪文を唱える。この方法で水を出現させると料理がおいしくなったので、硬水や軟水も作れるのか試してみたい。


 宝石魔図鑑と基本ルースが出現して、基本ルースを移動させながら水をまく。ほどなくして、まんべんなく畑に水をまきおわった。


「これで畑は無事に完成ね。ライマインさんのおかげで早く終わった」


「俺も気晴らしになった。野菜ができたら、また異国の料理をご馳走してくれ」


「そのときはギルドメンバーも呼ぶね。食事は人が多いと楽しいよね」


「楽しみができた。俺はこのあとハンターギルドに顔を出すがアイはどうする?」


「まだ日も高いから私も一緒に行く」


 後片付けをしてから、プレシャスもつれて街に向かった。

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