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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第7石_ターコイズ

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第46話_宝石魔法な日々

 子供武闘大会とお祭りが終わって数日後の日中、家の庭でプレシャスと一緒に宝石魔法を使った訓練をしていた。


「粘着ターコイズ、紅球ルビー」


 連続で魔法を唱えて、黒い糸と真っ赤な塊がプレシャスにぶつかる。プレシャスは避けずにそのまま魔法を受けたけれど、紅球ルビーによるダメージはなくて黒い糸もすぐに切ってしまう。


「アイ様、魔法同士の間隔が短いです。ふたつ目の魔法は、相手が動く位置へ発動させると効果的です」


 プレシャスのアドバイスを参考に、紅球ルビーをワンテンポ遅らせて唱えた。さらに星剣ルビーで作った剣でも攻撃を加えた。プレシャスも攻撃してくるので、矢車サファイアで作った盾でうまく攻撃を回避する。


 何度も攻撃したので、息があがったところで休憩に入った。用意しておいた、木で作られたコップと底の深い皿を取り出して地面へ置く。


「雫オパール、冷却クリスタル」


 清らかな水と氷が出現する魔法を唱えて、水と氷をコップと皿へ注ぐ。


「水分補給して休みましょう」


 コップを手にとって冷たい水を飲むと、体へ吸収されるかのように水が染み込んでいく。横ではプレシャスが皿から水分を補給していた。


 体の中へ水分がみなぎると、プレシャスへ視線を向ける。


「今まで覚えた魔法を使ってみたけれど、状況に応じて必要な魔法を使い分けるのはむずかしかった。考えるよりも先に魔法を唱えられるようになりたい」


 今日の訓練から分かった感想だった。


「何事にも慣れが必要だと思いますが、アイ様なら事前に魔物を見つければ討伐には問題ないです。宝石魔法は威力と命中率が高くて、優秀な魔法だと思います」


 プレシャスが魔物の特徴や動きを真似た魔物役で、私はその魔物に対処できるように魔法を使った討伐訓練を始めた。


 もともと分かっていたけれど、サンサヌさんとの特別試合で経験不足が致命的と改めて認識できたので、プレシャスにお願いして経験を積んでいる。


「あらかじめプレシャスから魔物の特徴を教えてもらえば、使う魔法の候補を絞れるので何とか魔法を唱えられる感じね。でも魔物の名前だけで特徴を教えてもらえない場合は、攻撃を受け流すだけで精一杯だった」


 プレシャスは手加減してくれていたけれど、私には充分な脅威を感じた。元の世界では魔物退治はなかったので、体が慣れるまでもう少しかかりそう。


「最初のころに比べれば、目的の魔法発動までの時間が短くなっています。この調子で戦闘の感覚を覚えていけば、突発的な攻撃にも対応できるでしょう」


「イロハお姉様の世界を楽しむために、快適な旅ができる実力はほしい。いつまでという期間は考えていないから、魔物退治になれるまでこれからも教えてね」


「アイ様の期待に応えられるように指導します」


 しばらく休んだあとに、プレシャスを相手に訓練を開始した。


 訓練中は何度も魔法を唱えているけれど、魔法を使うことでの疲れはなかった。この世界にある魔法は魔力を使うので、使える魔法の回数には限界がある。私が使う宝石魔法は本物のアイ様が作ったので疲れ知らずの優れものだった。


 宝石魔法の特長を生かしながら、プレシャスとの訓練を夕方までおこなった。訓練が終わって家へ入る前に、擦り傷などは真緑エメラルドを唱えて回復させた。


 夜になって夜空がきれいだったので、プレシャスと一緒に庭へ出た。


「楽しかった1日のお礼に、イロハお姉様に踊りで感謝を示したい」


「アイ様の踊りなら、イロハ様も喜ぶと思います」


 足元には輝きオパールで作った明かりを、夜空の邪魔にならない程度に灯した。


「それでは始めるね。音色トルマリン、煌めきトルマリン」


 私の見た目が青から緑色を主体とした踊り子の衣装に変わって、近くに浮いているハープからは音符がきらめいていた。


「~花びら踊る街で~、オン」


 イロハ様と本物のアイ様へ伝わるように、歌と踊りを披露する。静かな森の中で私の声と音楽のみが夜空へ向かって消えていく。イロハ様から祝福されたような気分になりながら、感謝の気持ちを込めて歌って踊った。


 夜空のきれいな庭から戻って、寝る前はいつも通りにプレシャスと一緒に宝石を語り合った。楽しい時間はあっという間に過ぎて、ベッドへ入って目を閉じる。今日もすてきな1日を過ごせたとイロハ様に感謝した。


 そういえばイロハ様から上位魔物が出現したと聞いたけれど、その後はどのようになっているのか分からない。プレシャスから避難するなどの話しはないから、いまのところは心配するほどでもないのかもしれない。

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