表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第7石_ターコイズ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/88

第45話_副ギルドマスターとの試合

「アイの戦い方に興味が出てきたから、自分と試合をしてくれ。もちろん、自分からの攻撃はしない」


 試合エリアを降りようとしたときに、副ギルドマスターであるサンサヌさんに呼び止められた。どうやら子供武闘大会での私の魔法に興味を持ったみたい。向きを変えて、サンサヌさんの前まで移動した。


「攻撃してこないのなら試合しても構わないけれど、勝敗はどうするの?」


 サンサヌさんも歴戦のハンターに思えるから、私では手も足も出ない。私が攻撃するのみなら私に危険はないけれど、サンサヌさんの勝利条件が不明だった。


「アイは攻撃してローブの色を黄色にすれば勝ちだ。自分の勝利条件は10分間アイの攻撃をしのげば勝ちだ」


 時間の概念は元の世界と同じだったので、10分間なら連続して攻撃できる。仮に負けたとしても減るものは何もないから心配ない。


「それで平気よ。もし私が勝ったら食事でもおごってね」


「お腹いっぱいに好きな料理を食べさせてやる。知り合いを呼んでも構わない」


 サンサヌさんはよほど自信があるみたい。私には遠隔から使える攻撃魔法があるのを見ていて、それを踏まえての発言だから魔法を回避できる手段があると思う。


「それは楽しみね」


 サンサヌさんは試合エリアを降りてローブを着てから大きめの剣をもって、ふたたび試合エリアへあがる。審判はマイリンさんが行うみたい。


 サンサヌさんと向かい合ってお辞儀して顔を上げると、サンサヌさんが声をかけてきた。


「最初から剣と盾を出しても構わない」


「お言葉に甘えさせてもらうね。星剣ルビー、矢車サファイア」


 剣と盾を手にとってから構えると、マイリンさんが右手をあげた。


「それでは始め」


 マイリンさんの右手が下がると、サンサヌさんへ向かっていく。駆け引きはできないから素直に剣を振ったけれど、簡単に避けられてしまった、何度も剣を振ったけれどあたる気配はない。


「魔法も使いながらもっと攻撃してこい」


 すずしい顔でサンサヌさんが挑発する。やはり剣ではむりだったので、距離を取ってから魔法を唱えた。危険のないように炎や熱さはないと念じている。


「紅球ルビー」


 真っ赤な塊がサンサヌさんへ一直線に向かっていくけれど、ぶつかる直前に剣で払われてしまった。連続で魔法を唱えるけれど、全部の魔法が剣の餌食になる。


 今度は背中に当てると念じながら魔法を唱える。


「紅球ルビー」


 少し横方向へわざとずらして真っ赤な塊を飛ばす。明らかに狙いを間違って魔法が飛んでいくように見えるけれど、途中から急激に曲がってサンサヌさんの背中へ真っ赤な塊が向かった。


 意表を突く攻撃でサンサヌさんの背中へあたると思われたけれど、サンサヌさんは上半身を回転させながら剣で真っ赤な塊を消した。


「面白い作戦だが、自分には通用しない。アイはもっと力があると思うから、もっと自分を楽しませてくれ」


「楽しみたいのなら、もっと面白い攻撃をみせるよ」


 言葉とは裏腹に攻撃が思いつかない。時間はもう少しあるけれど、今までと同じ攻撃なら簡単に止められてしまう。とくに自在に操る剣が邪魔であった。どのように攻撃するかを考えているとき、プレシャスの声が聞こえた。


「アイ様、新しい魔法です」


 魔法を体に当てるよりも邪魔な剣の動きさえ止めれば、サンサヌさんといえども死角ができる。


「プレシャス、ありがとう」


 視線はサンサヌさんを捕らえたまま、プレシャスに感謝を述べた。


 強力な粘着力と広範囲に動きの速い黒い色を想定しながら魔法を唱える。


「粘着ターコイズ」


 ターコイズの基本ルースが出現して、基本ルースから試合エリアを覆い尽くすくらいの大きさで、黒い糸がサンサヌさんへ降り注ぐ。いくら動きのよいサンサヌさんでも避ける場所がなければ回避できない。


 みごとにサンサヌさんと剣を動けなくさせた。


「この黒い糸は何だ。自分の力で振りほどけないとは、アイを侮っていた」


「これで終わりよ、紅球ルビー」


 サンサヌさんのローブへ真っ赤な塊がぶつかると、一瞬にして青いローブが赤色へと変わった。


「自分の負けだ。アイの魔法は見事だった」


 サンサヌさんの言葉に周囲からざわめきが起こった。そのあとに大きな歓声へと変わっていく。


「えっと、アイさんの勝ちです」


 審判役を思い出したのか、マイリンさんの終了宣言で特別試合の幕が閉じた。


 黒い糸に対してクリアを唱えて、サンサヌさんを開放してからお辞儀した。試合エリアから降りてプレシャスの元へと向かう。


「プレシャスのおかげで勝てたよ」


 まっさきにプレシャスへ声をかけた。


「アイ様の諦めない行動が勝利に結びついたと思います」


「お疲れ様、見事だったよ。アイちゃんにはおどろかされるばかりで、まさか副ギルドマスターでも逃げられない魔法があるとは思わなかったよ」


「プレシャスもリリスールさんもありがとう。勝ったのもうれしかったけれど、子供武闘大会を楽しめたよ」


 ふたりに話していると、周囲から人が集まってきた。純粋に勝利を喜んでくれる人から、ハンターらしき人からは魔法の質問を受ける。


 周囲の人たちに戸惑っていると、サンサヌさんが来てくれて観戦者の対応をしてくれたので、その間に私たちはその場から去った。


 その日の夜は、ハンターギルドにある酒場でサンサヌさんから食事をおごってもらった。もちろんプレシャスも一緒で、リリスールさんとライマインさんも誘った。みんなで楽しく食事をしながら、すてきな時間を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ