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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第6石_トルマリン

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第40話_ハンターギルドの踊り子

 歌と踊りの魔法が完成したので、ライマインさんとマイリンさんがいるカウンターへ戻った。


「準備が整ったから歌と踊りが可能だけれど、あまり期待しないでね」


 素人の歌と踊りなので、期待を高めないために断りを入れた。


「アイの歌なら何でも歓迎だ。こちらの空いている場所を使ってほしい」


 ライマインさんが受付横の場所を指さした。知らない人の前で踊るのは慣れていないから、酒場から離れていて目立たないのはうれしかった。


「魔法による音楽に合わせて踊りながら歌うので、途中で息が切れたらごめんね」


「音楽と踊りだけでも充分だが、魔法も使うのか」


 ライマインさんの質問に頷いた。


「どのような歌と踊りになるのか楽しみです」


 マイリンさんも期待してくれているので、恥ずかしくない程度には頑張りたい。深呼吸で息を整えてから、頭の中で歌と踊りの流れをおさらいする。


「楽器と衣装を魔法で作ってから始めるね。音色トルマリン、煌めきトルマリン」


 宝石魔図鑑、基本ルースと出現して、基本ルースから飛び出す青色の光が私の体を包み込む。青色の光が晴れると踊り子の衣装に変わっていた。横にはハープが浮いていて、小さな音符が揺れながら漂っている。宝石魔図鑑はハープの近くに配置して楽譜の雰囲気を出してみた。


 マイリンさんとライマインさんが、おどろいた表情を見せていた。


「私の大好きな歌、~花びら踊る街で~、オン」


 ハープから音色が聞こえて音符が浮かぶ。鮮明に覚えている曲が流れ始めて、歌詞も踊りも忘れていないから自然と体が動いた。


 目の前にはマイリンさんとライマインさんがいるけれど不思議な気分で、目では認識しているけれど別世界にいる感じだった。歌が心に染み込んできて、合わせるように手足が動いた。


 髪の毛から光が舞って周囲が青色にかがやくと、まるで本物のアイ様が私を祝福したみたいで、心と体が温かくなる。


 いつの間にか音楽が鳴り止んだみたいで、自然と体の動きも止まっていた。興奮していたのか体の疲れは感じない。マイリンさんとライマインさんと視線があうと、思い出したようにお辞儀する。


 ライマインさんとマイリンさんが拍手すると、周囲からも拍手が起こった。


「異国の歌は独特だったが心に染みた。アイにはおどろかされるばかりだ」


 ライマインさんの感想だった。


「音楽に合わせて動くアイさんは、本物の踊り子と思いました」


 マイリンさんからもうれしい言葉を頂いた。


 ふたりの喜んでいる顔と言葉を聞いて、歌って踊ってよかったと思った。近くにいるプレシャスも満足そうな表情をしていた。


「気に入ってくれてよかった。久しぶりの歌と踊りで私も心地よかったよ」


 よくみると人が集まっていて、みんな笑顔をみせている。おどろいたけれど、楽しんでくれたみたいで踊ってよかった。


「何の騒ぎですか」


 ギルドマスターのコーテリアさんが、いつの間にか来ていた。


「アイの魔法だ。音楽と歌と踊りはまさに幻想的だった」


 代表してライマインさんが答えてくれる。


「探究心をくすぐりますが、今は手が離せません。アイの魔法はあとで見せてもらいます。大聖女様をお連れしましたので、マイリンは私と来てください」


 大聖女様という言葉に、集まっていた人垣が左右に分かれた。人垣の奥からメイティリスが姿を現す。


「アイは踊れるの? 今度、見てみたいの」


 メイティリスが私に声をかけて、タイタリッカさんとミリーシャさんもいた。


「いつでも平気よ。メイティリスが遊びに来たら踊ってみせるね」


 家で会っていた感じで話しかけると、周囲がざわついた。コーテリアさんが鋭い顔つきになって、私へ視線を向けたあとにメイティリスへと視線を移した。


「大聖女様、申し訳ありません。アイは異国の出身者で常識知らずですが、素直な子です。ご無礼をお許してください」


 コーテリアさんが頭を下げる。


「問題ないの。アイは特別な友達で、ワタシが名前で呼ぶ許可を与えたから平気」


 また周囲がざわついて、コーテリアさんもおどろいていた。


「お心使いをありがとうございます。お部屋を用意しましたので、ご案内します」


「移動の前にアイと話をさせて」


 メイティリスが目の前に来ると、まだ踊り子の姿を思い出して恥ずかしかった。


「異国の音楽と踊りなの? 今日の夜に遊びへ行っても平気?」


 小声で話しかけてきた。期待する目で私を見ていて可愛らしい仕草でもあった。


 メイティリスが私をどのように思っているのか知らないけれど、私にはメイティリスは友達で妹のよう存在だった。気持ち的な波長が合っているとも感じた。イロハ様が私を抱きしめる気持ちが少し分かった気がする。


「異国の音楽と踊りで、メイティリスが来るのを楽しみにまっている」


「待ち遠しい。せっかくだから見習い神官たちを喜ばせてほしいの。お祭りに行けない子どもたちがいるから、神殿で踊ってくれる? 紹介状も書くから安心して」


「メイティリスのお願いなら断る理由はないから、このあと神殿に行ってみるね」


 メイティリスがその場で招待状を書いて、ミリーシャさんから受け取った。メイティリスの用事が済むと、メイティリスたちはハンターギルドの奥へ消えた。


 私が魔法を解除すると周囲の人たちも解散となった。私の近くにはプレシャスとライマインさんのみがいる。


「アイは常識知らずというかすごい。大聖女様に名前で呼ぶ許可までもらうとは、国王様でも許可はもらっていないはずだ。いつ大聖女様と仲良くなった?」


「この前知り合って、年齢も近いから意気投合したのよ」


 それ以上は答えようがなかった。


「アイと一緒にいると何が常識かわからなくなる。でも大聖女様も笑顔を見せていたから、きっとアイを気に入っているのだろう」


「私もメイティリスは大好きよ。メイティリスから頼まれたから、これから神殿に行ってくるね」


「歌と踊りをありがとう。祭りも一緒に楽しんでくれ」


 ライマインさんと別れて、プレシャスと一緒に神殿へ向かった。

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