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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第5石_エメラルド

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第36話_宝石魔法のすごさ

 立ち上がったタイタリッカさんが口を開く。


「先ほどから気になったが、なぜ大聖女様を名前で呼ぶ。それも呼び捨てだ。理由によっては俺の剣が黙っていない」


 いままで以上にきつい態度でけんか腰にも感じる。


「ワタシがお願いしたの。アイと一緒にいると安心できて温かい心になれるの」


 メイティリスがすぐさま答えてくれた。


「大聖女様が楽しげに話している姿は俺も驚いていますが、ほかの者たちに示しがつきません。せめて大聖女様と対等の力がなければ納得できません」


 メイティリスが困った表情を見せていて、答え方次第ではむずかしい問題となってしまいそう。イロハ様にお願いして、もし出現してくれれば私の立場が高くなるけれど、余計に話がややこしくなるのが目に見ている。


 いまさら大聖女様と呼ぶつもりはないし、メイティリスが私に心の居場所を求めてきていて、その場所を守れるのは私だけだと思う。イロハ様の世界を楽しむには友達がほしかったし、メイティリスを悲しくさせたくない。


「メイティリスのためなら力を示すけれど、どのような方法でも構わない?」


「俺が納得できれば、方法はアイに任せる」


 タイタリッカさんが答えてくれて、無謀な条件ではなくてよかった。剣の勝負では勝てる気がしないし、すぐにほかの方法も思いつかない。何かヒントがないかとプレシャスに視線を向けた。


「アイ様、宝石魔法を見せたらどうでしょうか。アイ様の防御魔法なら大抵の攻撃にも耐えると思います。もちろん戦闘になれていませんので決闘は止めてください」


 純粋に魔法の強さをみせるのなら、私の戦いへの経験値は不要だから、魔法で力を示せるかもしれない。


「その考えはよさそうね。タイタリッカさん、私の宝石魔法は特殊だから、タイタリッカさんの攻撃に私の防御魔法が耐えたら納得してくれる?」


 視線をタイタリッカさんへ向けた。


「俺の剣は魔石で強化されているが、それでも構わないか」


「平気よ。でも私は戦闘に不慣れだから、防御魔法で壁を出現させるから、その壁に直接攻撃をしてほしい」


「その条件で構わないが何処で試すつもりだ。もう外は暗いぞ」


「庭を明るくするから大丈夫よ」


 話がまとまったので食事を中断して全員で庭に出た。メイティリスは不満があったけれど、このままわだかまりを残すのはよくないと説得した。


 案の定、庭は暗かったので、この状態では力を発揮できないのは明白だった。


「今から庭を明るくするね、輝きオパール」


 宝石魔図鑑から基本ルースが出現して、ハートシェイプの明かりが空中へと移動する。同様に連続で魔法を唱えてハートシェイプの明かりを10個に増やした。心で想定した位置に散ると庭全体が明るくなった。


「初めて見た魔法は変わっていて連続詠唱もすごいです。この明るさもわたくしには無理かしら」


 黒魔道士のミリーシャさんからみても宝石魔法は変わっていて、連続詠唱は難易度が高いみたい。私の宝石魔法は疲れを感じないから、複数の魔法を同時に使える利点もあった。


 防御魔法を唱えるために庭の中央に歩いていくと、プレシャスがついてくる。


「次に防御魔法を唱えるから、青い壁を攻撃してね。矢車サファイア」


 基本ルースから青い光が飛び出して、半球状の青い壁を作る。魔法を唱えるときに壁を強固にする想像も忘れない。


「この壁が防御魔法か。変わった魔法だが、壁を壊したら俺の勝ちだ」


 タイタリッカさんが剣と盾を構えてから壁を切りつけた。周囲に甲高い音が響いたけれど壁に亀裂は入らない。何度も剣で壁を切りつけているけれど、ひびが入る気配はなかった。


「もっと威力がないと壁は壊れないと思うし、この防御魔法は何重にでもできる。まだ勝負をつづけるつもり?」


「壁の強さはわかったが、アイも攻撃できないはずだ。実際の戦闘では勝てない」


「戦闘形態もあるけれど私は戦闘に不慣れなのよ。見るだけでも平気なら、攻撃魔法を唱えることは可能よ」


「実際に見てから判断するが、実践に役立つ攻撃魔法なら俺も負けを認める」


 タイタリッカさんは剣と盾で戦うみたいなので、それを思い浮かべると自然に唱える魔法が決まった。出現している壁を消してから3人の近くへ移動した。


「これからふたつの魔法を唱えるけれど私に攻撃はしないでね。矢車サファイア、星剣ルビー」


 ふたつの基本ルースが出現して、その上に赤色の剣と青色の丸い盾が浮かぶ。剣と盾を手に取って、タイタリッカさんへ向かって両方の武具をかまえた。


 驚いている3人に向かって声をかける。


「盾は先ほどの壁と同じ強さがあって、攻撃魔法で作った剣も威力はあるわよ」


 驚いている状態から、最初に現状を把握できたのはミリーシャさんだった。


「すごいですわ。異なる魔法を連続で唱えていて、明かり魔法を含めて同時にいくつも出現させています。魔力は持つのかしら、どのように制御しているのかしら」


 最後は疑問系だった。私はほかの魔法を詳しく知らないけれど、一般魔法に長けているミリーシャさんだから宝石魔法のすごさが分かったみたい。


「魔法のすごさは俺には分からないが、ミリーシャの言葉なら確かだろう。俺の条件も満たしているから、いさぎよく負けを認めよう」


 勝敗が決まると、メイティリスがほっとした表情をみせる。


 すべての魔法を消去してから、みんなで家の中へ入った。


 中断した食事を始めると、タイタリッカさんは半信半疑の目で私を見ていて、ミリーシャさんは宝石魔法の詳細を聞いてきた。魔法を知っている人ほど、特別な魔法に感じるみたい。メイティリスはうれしそうに料理を食べ始めた。


 食事と魔法をふくめた会話が途切れると、遅くなる前に3人は街へと帰った。

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