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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第5石_エメラルド

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第35話_大聖女と友達になった

 メイティリスが来た翌日の夕方になると、夕食用の料理を作り始めた。今日は多めに作る必要があったから、日中はプレシャスと一緒に森へ出かけて、目当ての食材と兎の肉も手に入れた。


 肉を焼いてからキノコのスープを温めていると、ほかの料理もできあがった。パンはすでに作ってあるから、あとはサラダを盛り付ければ完成だった。


 料理の準備が終わったころに扉を叩く音が聞こえた。ちょうど来たみたい。


「プレシャス、迎えに行くわよ」


「一緒にお供します」


 扉を開けるとメイティリスが手を振ってきて、うれしそうに笑顔を見せていた。


「メイティリス、待っていたよ。本当に来てくれてうれしい」


「約束だから当然なの。アイの手料理を食べられるから、今から楽しみなの」


 メイティリスが甘えた声で話しかけてくると、後ろにいるふたりが驚いていた。


 男性からは睨まれて、もうひとりの女性は神妙な顔つきで私をみている。男性は剣と盾を持っている騎士や戦士で、女性は杖を持っているから黒魔道士に思えた。さらに女性には鳥の使い魔もいて、ツバメに雰囲気が似て大きさも同じくらいだった。


 ふたりとも元の世界なら高校生くらいで年齢が近くてよかったけれど、きびしい視線からは護衛としての立場を感じさせた。その視線を受け止めながらメイティリスへ答える。


「ちょうど料理ができたところよ。後ろのふたりも中へ入ってね」


 リビングへ案内して、食事も運び終わると全員が椅子に座った。プレシャスにはテーブルと同じ高さの椅子を用意して、私の横にプレシャスがいて、向かい側にメイティリスを中央に3人が座った。


「料理が美味しそうで、すぐに食べたいけれど自己紹介が先なの。タイタリッカとミリーシャなの。信頼できるふたりだから、アイも気にせず会話してほしいの」


「俺がタイタリッカ・ザムリューンだ。父から大聖女様の護衛を任せられている」


 メイティリスに紹介された男性は、焦げ茶色の髪の毛が印象的な長身であった。嫌われてはいないけれど警戒されているのは明らかで、素性が不明な私を不審者に思われて当然かもしれない。それよりも聞き覚えのある苗字だった。


「怖そうだけれど根はやさしいから安心してほしいの。タイタリッカはこの国の第3王子なの」


 まさか王族の護衛だとは思わなかった。


「わたくしはミリーシャ・アイザットで、使い魔はキレンスですわ。変わった魔法を使うと聞きましたので、実際に使う姿を見せてくれるかしら」


 私に厳しい目を向けているけれど、話し方からはやさしさを感じる女性だった。細身の姿に赤色のポニーテールが声とも合っていた。苗字があるからミリーシャさんも偉い人と思えた。


「ミリーシャは貴族令嬢の中でも優秀な黒魔道士なの。アイとも話があうと思うけれど、怒らせると怖いから注意してほしいの」


「大聖女様、誤解を与える発言は控えてください。本当に怒りますわ」


 ミリーシャさんの発言にメイティリスとタイタリッカさんが笑ったから、3人は仲がよさそうね。ふたりの紹介が終わったから次は私の番ね。


「遠い異国から来たアイで、宝石魔法を使って世界を楽しんでいる。隣にいるのが使い魔のプレシャスで一緒に暮らしている。プレシャス、簡単な挨拶をお願いね」


 視線を向けるとプレシャスが頷いた。


「アイ様のお世話をしているプレシャスです。アイ様はこの国の常識を知りませんから、その点は寛大に見てください」


「メイティリスに聞きたいけれど、私はこの国の習慣にうといのよ。護衛のふたりは王族と貴族よね。何て呼べばよいの?」


「ふたりに対してはアイが呼びやすい方法で構わないの。ワタシがアイに会うのは心が温かくなるからで、大聖女ではなく特別な友達として接したいの」


 気軽に話せる雰囲気がほしいみたいだけれど、私もそのほうが気軽に楽しめる。


「メイティリスの気持ちはわかったよ。護衛のふたりはタイタリッカさんとミリーシャさんと呼ばせてもらう、それで大丈夫?」


 タイタリッカさんとミリーシャさんを交互にみる。タイタリッカさんはメイティリスを見た後に、険しい顔で頷いてくれた。ミリーシャさんは笑顔で応えてくれた。


「アイさんは私より年下に見えますが、話せる使い魔持ちとはおどろきました。キレンスはまだ話せませんが、魔物を退治できる戦闘力がありますわ」


 ミリーシャさんの発言からも、話せる使い魔は珍しいみたい。


「プレシャスは私には勿体ないくらいの使い魔よ」


「せっかくの料理が冷めたら悲しいから、料理を食べながら話したいの」


 メイティリスの言葉でみんなの視線が料理へと移る。


「どうぞ存分に食べてね。この国と異なる料理が多いと思うから、味付けがおかしかったら言ってね」


 3人が食べ始めて、いろいろな料理を口に入れてくれた。でもタイタリッカさんが私のほうをじっと見ているので、もしかしたら口に合わなかったかもしれない。


「変わった味だけれどおいしいの。アイは料理の天才と思うの」


 メイティリスがおいしそうに食べながら感想を述べてくれた。


「簡単な料理しかできないけれど、喜んでくれてうれしい。メイティリスは料理を作らないの?」


 私の言葉を聞いたら、突然タイタリッカさんが立ち上がって視線を私へ向けた。

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