猫と虎
ぽん爺の授業65日目━━━━━━━━
ムーンブルク軍基地(別名 一軒家)の周りは、いつの間にか白銀の世界。
目の前の餓者の岩山も、白く美しく景色を変えた。
一軒家に現在滞在するのは、ジェイス、空、ぽん爺、瞬、ゆき、春香、コーリー。
ゆきは、ぽん爺に召喚魔法を教えてもらい、 「ジェンティ ルドンナ」とキッチリ契約、練習に励んでいた。
「ソッピー!」
ゆきの前に光の渦が現れ、中から草鳥のソッピーが飛び出してくる。
キュー!キュー!
「今日もお願いねー!」
ゆきは、指で空中に何かを描く。
ソッピーは、ゆきの描く軌道に合わせて踊るように飛行した。
「ゆきさん、おはようございます。」
コーリーが一軒家から出てくる。
「あ、コーリー君、おはよう!ソッピーまた後でね!」
キュー!
ソッピーは、一声鳴いて消えていった。
「ゆきさん、毎日朝練凄いですね。何時から練習してるんですか?(汗)」
「えへへ、ちょっと目標があってね。さぁ瞑想やろう!」
「はい!」
◇◇◇◇
早朝6時から2時間、瞑想の時間。
椅子に座ってただひたすら無心になる。
寒空の下、動かないで座っていると凍えそうなくらい寒い。
しかし、コーリーとゆきは超ド級の真面目組である。何なく瞑想をこなす。
瞑想から1時間45分、コソコソと忍び寄る人影。サクサクと雪を歩く足音でバレバレなのだが、本人はバレてないつもりである。
2時間後、朝8時。
「ゆき、コーリー君、おっはよー超寒いね!」
15分の瞑想を終えた春香は、2人に挨拶をする。
「春香さん、おはようございます!」
「春香、たまには6時に起きて来なきゃ駄目だよ!」
「寒くて起きれないんだもん!」
「もうっ!」
もうお馴染みの光景だった。
◇◇◇◇
朝食の時間。
全員で朝食を食べる。朝食後は、ぽん爺の授業が始まる。
ゆきと春香、コーリーは、今までアップルリッツの冬服学生服だったのだが、空が手作りした軍服を3人にプレゼントしてくれた。
アップルリッツの制服そっくりなデザインにしてくれて、軽くて丈夫で暖かい。3人は大喜びだった。
ゆきは、そんな空をとても尊敬していた。
授業が始まるとジェイスは、たまにドラゴンに乗って出かける。帰りに食材を持ってくる時もある。(元帥 買い物係)
瞬は3階でゴロゴロ本を読んでたり、「運動してくる。」と、出かけたりする。とりあえず一軒家に居ろとジェイスに言われたのだ。(自宅警備員)
空は、毎日の家事、食事に追われていた。(皆のお母さん)
「さて、今日も授業を始めようかの。」
ぽん爺がヨボヨボと外に出ていく。(エロ)
今日も一日が始まる。
◇◇◇◇
中将 あかうさぎが殺される。
ツーベリア国で起きたこの事件は世界を駆け巡った。
「ムーンブルク軍が倒したのか?」
「将官がまた出た!世界は終わりだ!」
「あの有名な、アシックス国の兜軍も全滅してるらしい!」
「100年前の大戦争がまた始まる!!」
「ムーンブルク軍も全滅したって!?本当!?」
「餓者軍大将も出てきたって!」
噂が噂を呼び、世界は混乱していた。
勿論、餓者軍内でも騒ぎになっていた。
◇◇◇◇
「くろねこっ!」
全身傷だらけの虎がくろねこを呼び止めた。
(中将 ぱんどら)
「ぱんどら…何?」
「あかうさぎを殺ったんは、シャナ エッペンだぁ!ムーンブルク軍だべさ!」
ぱんどらは、しかめっ面で身振り手振りを激しく繰り返した。基本的にジェスチャーが無駄に激しいタイプである。
「また、ムーンブルク軍…」
くろねこは、イライラしていた。
「なして大将達はやり返さねんだべ!おらは、もう頭さきてんだぁ!!」
「…ねぇ、ぱんどら。私達中将が組めばムーンブルク軍に殺られるなんてありえないと思わない?」
「んだ!人間なんかにおらが負けるわけねえだよ!」
「じゃあさ!とりあえず神崎組ってとこ一緒に潰さない?そこ潰したらムーンブルク軍も潰しに行こうよ!」
「前言ってたやづだな、髑髏元帥もいいって言ってだしなぁ。おらのったべ!」
「良かったあ!結構誘いにくくて困ってたの。ぱんどらなら頼りになるわ♡♡」
くろねこは、ぱんどらの頬にキスをした。
「ガルルルル!!おらモテモテだべさ!!」
ぱんどらは、サイド・トライセップスのポーズをとった。
(やってやる!私は大将になるんだ!)
くろねこは燃えていた。




