その男最低につき
ゴーファイブ国。
人口、国土面積共に世界第2位の規模。
国の中心部には「大五楼の街」がある。
商業が非常に盛んで、世界各国から商人や客が集まる。また店も豊富で、こっそり開催される闇市では、一般には売っていないレアなアイテムなども取り引きされる。また犯罪も多いので、国の特別軍による取り締まりに力を入れている。
「見つけましたよ…」
薄暗いバーカウンターに寝ている男に声をかけたのは、神崎 龍。
男は、たまにムニャムニャと口を動かし爆睡している。
龍はため息をついてから、「あ!空さん!」と言った。
男は、ビクッと動き、寝ていた椅子からドスンと落ちた。そして直ぐに立ち上がり叫んだ。
「お、俺は何も悪いことしてないからな!」
男は目の前にいる龍と目が合う。
「龍か…つまらんことしやがって…」
男は椅子に座り直した。
「オルセンの兄貴、緊急招集でジェイスの旦那から伝言あるんです!」
「伝言?」
オルセンは、煙草に火をつけた。
龍は、ムーンブルク軍の作戦会議内容を伝えた。
◇◇◇◇
「ほー、そんでその新兵ってのが、3人入隊したってわけか。」
「へい、全員1年後にもう一度集まります。それと、ジェイスの旦那がオルセンの兄貴にとりあえず1回来いと…」
「1年後ねぇ…ところで龍、お前アシックス国で餓者軍中将と戦って負けたんだって?」
「い、いや負けたというか…その…」
龍は、バツ悪そうに横を向いた。
「まぁ、ちょっと気になってな!はっは!」
オルセンは、意地悪そうに笑った。
「あの中将次会ったら、ボコボコにしてやりますよ!」
龍は、鼻息を荒くした。
「オルセン!!」
「!?」
突然の女性の怒鳴り声に、2人はビクッとした。
女性は、スタイル抜群の美女。(推定 スイカップ)
「ふーみんちゃんかー、どうしたの?」
オルセンがニコニコしながら女性に近づいていった。
パーン!!
オルセンは、女性に平手打ちを食らう。
うわぁ…という顔をする龍。
「オルセン!!昨日の夜忙しいって私のデート断っておいて!美沙と一緒にいたのね!!この浮気者!!」
ふーみんちゃんの顔は怒りに震えていた。
「いや!違うよ!あの日は、美沙が相談があるからどうしても聞いてほしいって言うから。」
「嘘つき!!美沙は店の皆に、オルセンといい仲になっちゃったー♡って言い回ってたわよ!」
「いい仲ってのは、きっと相談したりほら!いい友達にって意味で…」
バシーン!
ふーみんちゃんのバックがオルセンの顔面にヒット!
「最低!!!」
ふーみんちゃんは、店を出ていった。
シーンとする店内。
オルセンは、カウンター席に戻り煙草に火をつけ、煙を吐きながらゆっくりと口を開いた。
「…ところで龍、金貸してくんね?」
龍はコケた。
◇◇◇◇
「よし、そろそろ次のステップに進もうかのう…」
ぽん爺が欠伸をしながら言った。
昼飯を食べ終わった、ゆき、春香、コーリーは、ぽん爺の言葉に「?」だった。
「ぽん爺さん、次のステップって何?」
春香が尋ねた。
「実戦じゃ。」
「!?」
3人はピタッと止まった。
「ぽん爺さん!実戦って?まさか餓者軍との実戦てことじゃないですよね?」
ゆきは、ドキドキして聞いた。
「ほえ?餓者軍との実戦じゃが?」
「無理無理無理無理無理!!」
ゆき、春香、コーリーは、顔の前で凄い速さで手を仰いだ。
「ふぇふぇふぇ、そうじゃろな、みんな戦う手段が無いからのう。」
「うん!だって攻撃したりする魔法とか私使えないもん!チャンタしか呼べないから無理だよー!」
「私もソッピーしか呼べない…から無理です。」
「僕も、小人交響楽団しか呼べません…戦いなんて…」
「ふぇふぇふぇ、なので3人には、これからそれぞれの戦い方を教えていく…ここからが本当の授業じゃよ。」
3人ともポカーンとなっていた。
「まず、春香ちゃんじゃな。」
春香は名前を呼ばれ、思わず「はいっ!」と元気よく手を挙げた。
「春香ちゃんは、1つの魔法を覚えてもらうぞ。」
「魔法!?やったぁ!強いの?」
「ふぇふぇふぇ、強いぞ、使いこなせれば餓者軍など相手にならんのぅ。」
「本当!?私覚える!!なんて言う魔法?」
「禁じの魔法「ドルテイン」じゃ。」
ぽん爺はニヤッと笑った。




