表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆきと春香  作者: のこころ
36/63

なんじゃ!




夜霧を送った瞬は、ベロチューの横穴に戻ってきた。




「お帰りなさい!」


ゆきが、横穴の外で出迎えた。




「待たせてごめん、じゃあ行こうか。」




「うん!」




2人は、洞窟の奥へと進んだ。





◇◇◇◇





「今日は、道が5つに別れてる…」


瞬が周りを見回した。




「昨日は3つだったのに…火の鳥やっぱり意地悪。」




「しょうがないね、また二手に別れよう。テレパスかけるよ。」




「はーい!」




瞬は、指先に光を集め、ゆきに向けた。


「テレパス。」




光はゆきに放たれ、ゆきの口元に灰色の綿毛がフワフワと現れた。


瞬にも同様に灰色の綿毛が現れる。


「じゃあ、何か異常が会ったらすぐ教えてね。」




「はい!瞬さんも気をつけてね。」




2人は5つの道の1つをそれぞれ選び、別々に進んだ。





◇◇◇◇





ゆきは一番左の道を進んだ。


暫く歩くと直ぐに行き止まりになっていた。




(また、行き止まり…一応壁は調べないと。)




ゆきは、立ち塞がる壁を押したり、蹴ったり叩いたり、色々してみた。




「瞬さん、こっちは駄目みたい。」


ゆきは綿毛に話しかけた。




「了解、こっちは結構長い道だよ。戻って違う道進んでみて。」


綿毛から瞬の返事が返ってくる。




「分かりました。戻りますね。」


ゆきは、来た道を戻り始めた。





◇◇◇◇





瞬が進んで行くと、不思議な現象が起きた。


洞窟全体が、ぼんやり(かすみ)がかかったようになってきたのである。




(何だ?これは…)


瞬は銃を出した。




「ゆき!そっちに異常はない?」




しかし、ゆきからの返事はない。




「ゆき!ゆき!聞こえる?」




(駄目だ、何か強い力が、テレパスを包んでる。)




後ろを振り返ると、今まで進んで来た道が何本にも分裂していた。




「何なんだこれは…」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




洞窟全体がグラグラと揺れ始める。




「ゆき!無事で居てくれ!」





◇◇◇◇





「瞬さん!瞬さん!」


ゆきは、座り込んで必死に瞬を呼んでいた。




瞬と同じく洞窟がグラグラと揺れて、道が何本にも分裂していた。




(怖い!助けて!瞬さん!)




ゆきは、頭を抱えて丸くなった。




暫くすると、揺れは収まり洞窟内は静寂に包まれた。




「ゆき、大丈夫か?」


瞬の声がした。




「瞬さん!」


ゆきが綿毛に話しかけると、誰かに肩をぽんと叩かれた。




ビクッとして振り向くと、そこには瞬が立っていた。


ゆきは、瞬に抱きついた。




「えーん!怖かったよぉ」




「ごめん。」


ゆきが大泣きしていて、瞬もゆきを抱きしめた。





◇◇◇◇





ゆきが大泣きする30分前━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━


━━━




ジェイスは、火山の1キロ程離れた場所に居た。




「シルビア、ありがとよ!しかし、この辺は木も何もないな、岩だらけだ。」




「かなり見られている、火の鳥の意識が強い。」


シルビアは、羽を閉じて火山を見た。




「ふはは!確かに、ビリビリ来るな。」




「どうするのだ?ジェイス。」




「ん?そりゃあ力比べに決まってる。」


ジェイスは煙草に火をつけた。




「面白い、やってみろ。」




「あぁ、やってやるさ。」


ジェイスは、指を複雑に組み合わせた。




「ジャジャ!」




ジェイスが叫ぶと黄色い渦が現れ、中から白いローブを纏った小さなドラゴンが出てくる。手の平に乗るほどの小ささで、杖を持っていた。




「なんじゃ!随分久しぶりに呼ばれたな!」




「ふはは!久しぶりだなぁ!ジャジャ。」


ジェイスは、ジャジャをツンツンした。




「ええい!止めんか!カイエン!」


ジャジャはジェイスの指を振り払った。




「カイエンは、俺のじじいだろ…相変わらずだなぁ…」


ジェイスはため息をもらした。




「ジャジャ様、お久しぶりです。」


シルビアは、頭を下げた。




「おー!おー!エロビア!生きとったか!」




「シルビアです、相変わらずお元気そうで何よりです。」




「おー!おー!そうかそうか、で!ジョイス!何の用じゃ!」




「…火の鳥の神通力を弱めてくれ。」




「!?」


ジャジャは目をカッ!と見開いた。




「ワシ帰る。」


シルビアはコケた。




「あー、やっぱりドラゴンの最高魔道士なんて昔の話なんだなぁー呼んで悪かったなジャジャ。」


ジェイスは、残念そうな顔をした。




すると、ジャジャの動きがピタッと止まった。




「なんじゃ!誰にむかって言ったんじゃ!チョイス!」


ジャジャは、顔を真っ赤にしてジェイスを睨みつけた。




(何という安い挑発…)


シルビアは悲しい顔をした。




「だって無理そうな顔してるからな。」


ジェイスは、ジャジャをチラッと見た。




「ど阿呆(あほ)うがっ!神鳥だろうが、餓者だろうが、ポンモールのジジイだろうが、ワシの魔法に勝てるかいっ!見てれ!」


ジャジャは、杖を天に向けた。




「おおっと!」


ジェイスとシルビアは、ジャジャから離れた。




ジャジャが、呪文の詠唱を始めると、辺りの空気が一気に張り詰めた。




「ジェイス、ジャジャ様は何を唱えている?」


シルビアから汗が流れた。




「ジャジャしか出来ねえ、禁じの魔法、魔封じ羅生門(らしょうもん)だ。シルビア、魔力を閉じろ全部持ってかれるぞ。」




「ジェイスはどうするのだ?」




「俺は全魔力をジャジャに食わす、帰りは頼むぞ、シルビア。」




「…死ぬなよ。」




「ふはは!死んでたまるか!」





呪文の詠唱を続けるジャジャ。


ジャジャの周りに黄色い光の輪が現れる。




「羅…生…門…!!!!」


ジャジャが叫ぶと、ジェイスが苦しみだす。




「ぐおおおおお!!!」




「なんじゃ!ガナック!もっと魔力を出さんかい!!」




「そ…れは、俺の…親父(おやじ)だって…の…うぐ……ぐぐぐ。」


ジェイスは片膝をついた。




「羅生門!(ふう)!」


ジャジャが杖を、アパ火山に向けると光の輪が火山に向かって飛んでいく。




そして、光の輪は火山を縛るように巨大化した。




「どうじゃ!ギョイス!封印完了じゃ、文句なかろう!あいたたた…腰が…」


ジャジャは腰をおさえた。




ジェイスはうつ伏せで倒れていた。




「おい!ジェイス、生きてるか?」


シルビアが声をかける。




「なんじゃ!情けない!エロビアよ、ジャイスは生きとる、はよ連れてけ。」




「シルビアです。分かりました、ジャジャ様。」




「ジャ…ジャ…封印は…どれくらいで…解ける?」


ジェイスが声を絞り出した。




「おい、動くなジェイス。」


シルビアが、ジェイスを咥えて背中に乗せる。




「24時間てとこじゃ、十分じゃろが。」




「あぁ、十分だ、流石ジャジャ…だな。」




「ふん!当たり前じゃ!ワシは帰るぞ!あいたたた…腰が…」




「ありがと…な。」


ジェイスは気を失った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ