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ゆきと春香  作者: のこころ
25/63

黒猫は可愛いけど怖い





餓者の岩山内部、餓者軍の本拠地





◇◇◇◇





「おのれ…おのれ…」


末喜は苛立っていた。




「末喜様ぁ!どちらヘ行ってましたの?」


末喜に少女が駆け寄ってきた。




「くろねこか、今は話す気分では無いぞよ、失せい。」




「はーい!分かりました。」


くろねこと呼ばれた少女は立ち止まり、末喜はスタスタと洞窟の奥に消えて行った。




「…グスン 末喜様が相手にしてくれないわ。」




泣きそうなくろねこの後ろに、鎧を身を纏った騎士が現れた。




「くろねこ中将殿!ご報告があります!」


騎士は、くろねこに敬礼をして、立ち止まった。




「…おいっ!」


くろねこは突然黒いオーラに包まれる。




振り向いたくろねこの顔を見て、騎士は動けなくなる。




「末喜様に冷たくされて、私が機嫌が良いとでも?なぁ?」


くろねこの目は燃えるように赤くなり、悪魔のような恐ろしい形相になっていた。




「く、くろねこ中将殿。お許しを…」


騎士はガタガタと震えた。




「答えろよ!!!」




ズバッ!ズバッ!ズバッ!ズバッ!


「うわあああ!!」




くろねこは手刀で騎士をバラバラにした。バラバラの肉片をくろねこは踏みつけた。




「あー!気分が晴れない!人間殺しに行こーっと!パルメ!」




シュタッ!


「はっ!お呼びでしょうかくろねこ様。」


くろねこの前に、背の高い若い男が現れる。




「今私、人間たっくさん()りたいの!何処がオススメ?」




「それでしたら、現在アシックス国で、我が軍チャトラン大佐が苦戦しておりますが…」




「チャトラン?100くらい兵を持っていたはずよ。苦戦してるの?相手軍は?」




「アシックス国最大勢力の(かぶと)軍です。」




「兜ね、知ってるわ。確か名前忘れたけど、大魔法使いが居るとこよね。兵の数は?」




「500から600とのことです。」




「情けないわ!我が軍の恥ね。チャトランは2等兵に降格させてやるわ。」


くろねこは舌をペロッと出して唇を舐めた。




「パルメ!骸骨兵を50程用意しなさい。私が兜を潰してあげる。」




「はっ!尉官や下仕官ではなく骸骨兵でよろしいのですか?」




「私1人でも十分なの!ただの盾よ。骸骨兵でいいのよ。」




「はっ!ただちに用意します。」


パルメはスッと闇に消えた。




「なんの騒ぎだ?くろねこ。」


パルメと入れ替わりに現れたのは、髭の長い老人だった。




「はぁ?ガルボには関係ないから。」


くろねこは、イラッとしながら言った。




「ムーンブルク軍に何やら動きがある、あまり派手に動くと…」




「うるさいなっ!!少将ごときが私に意見するなっ!!」




「…やれやれ、中将になってお前変わったのう、消えるとしよう。」


ガルボと呼ばれた老人は、去った。




(私より下級なくせに、いつまでも先輩面しやがって…)


くろねこは、目をギラギラさせた。





◇◇◇◇





アシックス国、7つの国で2番目に軍の数が多い軍事国。


魔導教育学校【オッツ ラズベリー】では、生徒は卒業後、半数以上は軍に入隊となる。


ゆき達が通っていたノワン国【アップル リッツ】とは違い、他国のスカウト制も禁止している。生徒への教育も八割は戦闘に関することを教える。





間久部(マ・クベ)元帥!餓者軍骸骨兵ほぼ壊滅です!」




「そうか…あと残るは、チャトランだな。チャトランはまだ、落とせぬのか?」


間久部は、お気に入りの壺を撫でた。




「抵抗しておりますが、時間の問題かと!」




「ふっふっ、兜軍!全兵力でチャトランを討伐しろ!」




「はっ!」




間久部は、呪文を詠唱した。


「パルニャーニャ、パルニャーニャ、トンデコイコイ、兜王(かぶとおう)!!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




ボゴオッ




間久部の足元の地面がモコモコと膨らみ出し、5メートル程の兜蟹が現れた。




「ふっふっ、酒を持てい!」




「はっ!ただちに!」




間久部は兜王(兜蟹)の上に椅子を置いて、煙草に火をつけた。




(国際軍事会議にあのジェイスが来てる…ここはいいとこ見せてやらないとね。)


間久部は、酒をクイッと飲んだ。





◇◇◇◇





「もう…許してくれ…」




ボロボロのチャトランが命乞いをしていた。




「殺せ!殺せ!」




「ぶち殺せ!餓者に死を!」




数百人の兜軍兵が叫ぶ。




「こ、ろ、せ!」


「こ、ろ、せ!」




そして歓声と共に、長い槍を持った騎士が現れる。




「シャア大将!やっちまえー!」




「殺せー!」




「シャア大将!!」




兜軍大将 シャアは、槍をチャトランの首に乗せた。




「餓者軍大佐 チャトラン!首を貰う!」




「頼む…殺さないで…下さい。」


チャトランは命乞いを続けた。




「問答無用!!死ね!!」


シャア大将が槍を振り上げた瞬間。




ズバッ!




シャア大将の首が宙を舞った。




「!?」




兵達は、シャア大将の転がった首を見て状況が把握出来ず、一気に静まり返った。




「あららー、チャトラン。人間に命乞いとは、面白いことやってるわねー。」




いつの間にかボロボロのチャトランの上に、くろねこが座っていた。




「く、くろねこ中将…」


チャトランはくろねこに手を伸ばした。




くろねこは、ニコッと微笑み、チャトランの手を掴んだ。




「死ねよ、お前。」




ボウッ!!




チャトランは黒い炎に包まれた。




「うぎゃあああ!!!!」




チャトランは灰になって消えた。




「餓者軍が!新手の餓者軍が出たぞ!!」


1人の兵の声で、兜軍兵達は我に返った。




「倒せ!!餓者軍を倒せ!!」




「シャア大将の敵をうて!!」




ワー!!ワー!!




剣を持った騎士がくろねこを取り囲む。




「来てよかったー!600人だっけ?楽しませてよねー。」


くろねこはペロッと唇を舐めた。




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