おまけ なぜ勇者が捕まらないのか
なぜ勇者が見つからないのか、今その秘密が明かされる。
「大司教様、なぜ勇者様は見つからないのでしょうか?」
「アルフィーネ様、これは、つい先日軟禁中の偽勇者から聴き出したことなのですが、もしかすると我々は大変なミスを行なっているのかもしれません。」
「ミスとは、もしかしてまた勇者様にご迷惑を?」
「ある意味ではそうですね。」
「一体どんなミスなのですか?」
「我々は誰も勇者様の本当のお名前を知らないのかもしれないのです。」
「え、『オイ・ソコノ』じゃないんですか? 確かに変わったお名前だとは思いますが?」
「それが、勇者様の情報を聴き出していたところ、まず勇者様のご両親や親族はすでに全員亡くなられてるというのはご存知ですよね?」
「ええ、そんな境遇で、あんな仕打ちを受けてまで世界を救ってくださったんですよね…」
「そこで問題なのですが、偽勇者は昔から名前で呼んだことはなく『おい』とか『そこの・・・』としか読んでなかったと…」
「え?」
「偽勇者も名前を知らないのですよ」
「いえ、でも付き人としての登録にはその名前が・・・」
「偽勇者が適当に書いた名前だそうです。付き人ならどうせ適当でも問題ないだろうと」
「そ・・・そんな・・・ では村の出生名簿は?」
「田舎の村であることと、その親親族を失った災害の際に、教会も被害を受けて失われているのです。」
「大司教様は、例の鑑定の時にステータスをご覧になったのですから、ご存知だったのでは?」
「いえ、その時お名前も読めない文字にされており・・・」
「それでは、誤った名前で布告を出していたのですか?」
「ええ、もしかするとそのために勇者様は自分のことではないという認識をしている可能性が・・・」
「・・・」
「・・・」
「大司教様、少し気になったのですがその状態でどうやって追放刑にしたのでしょうか?」
「その名前と人相書きでですね。」
「えっと勇者様の容姿は偉業に比べて些細なことなのですが、ごく平凡なお顔をしているので間違ったお名前の布告では効果がなかったのでは?」
「ええ、当時はお名前が間違っているとは思ってもいませんでしたのですが、お名前が違っていては無効ですね。」
「・・・」
まあ最初から伏線張ってたんですが、親親族無くなってて、ステータス欄は文字化け
そして誰も名前を呼んでないことからわかる通り、本人以外の名前を知らないというオチが・・・
なお書いてある通り、主人公の顔は量産型モブの顔なので、人相書きでの判別は不能。
直接見たことがある人間以外だとよくいるモブとしか見えず、名前も違うので
追放刑は最初から意味がなかったりします。
さぁ人相書きも無効、名前もわからない勇者を捕まえることができる日が来るのか?
それは内緒です。




