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第9話 そうだ、遊びに行こう!

 きららの発言に鏡華がはしたなくも茶を噴いた翌日である7月20日の午前11時ごろ、竜胆家のリビングでは、子供っぽい体にはあまり似合わないスーツ姿のきららと、ラフな私服姿の鶴来が机を挟み向かい合って座っていた。


「それじゃあ鶴来君、夏休み入って早々で悪いんだけどしばらくの間あの子をよろしくね?はい、これうちの鍵。勿論、うちにあるものはなんでも好きに使って良いから。……というか鏡ちゃーん貴方いい加減部屋から出てきて挨拶なさい!しばらくお世話になるんだから」


 きららが廊下に、正確には廊下を挟んで向こう側の部屋に引き篭もっている鏡華へと呼びかけるが、返ってきたのは無言と言う名の返答だけだった。

 無言は肯定の証だとはたまに言うが、今回のは間違いなく否定のそれだろう。


「全くあの子ったら……仕方ない」


 きららは呆れた様子でため息をつくと椅子から立ち上がった。しかしそれは鏡華を部屋から引っ張り出す為では無い。


「時間だし私はもう行くから――頑張ってね!」


 見た目爽やかそうなサムズアップを決めるが要するに丸投げである。


「了解です、頑張ってみます!」


 しかし鶴来はむしろテンションを上げてサムズアップを返した。


「うんうん、やっぱノリ良いわね貴方。鏡ちゃんも少しは見習えば良いのに」


 鶴来のリアクションを見ると満足そうに頷いたきららが家から出て行った後、鏡華が引き篭もっていた、彼女の自室である部屋が漸く開いた。

 ポニーテールを揺らしながらその小顔をひょっこりと覗かせた鏡華は、キッと鶴来を睨みつけて吐き捨てる様に言った。


「きららさんが居た手前言えなかったが、護衛なんかいらないし居候とかもってのほかだからさっさと帰れ、そして二度と来るな」

「って言われても俺だって仕事だし、そうじゃなくてもあいつのライバルとしてその妹の危機を見過ごすわけにはいかない!」

「危機も何も無いからそんな無駄な責任感なんてドブに捨てろ!それとライバルじゃないって何度も言ってるだろ!」


 鏡華は言うだけ言った後すぐにドアノブを引っ張り扉を閉めようとするが、鶴来も負けじとガシッと反対側のノブを片手で掴むとくいっと引っ張り返す。

 すると予想以上にあっさりとドアは鶴来の方向に開き、鏡華がまるで釣られた魚の様にズルズルと引っ張られてきた。

 両者予想外の出来事に一瞬呆然となるが、自分の情けない姿を自覚した鏡華が顔を赤くしながらもすぐにドアを締め直そうとして、勢い良くドアを引っ張る。

 思わぬアクシデントに脱力してしまった鶴来の手からするりとドアノブが抜けていく。しかしそれでも彼だって特務機関の戦闘員、驚異的な反射神経を発揮して閉まるドアの隙間目掛け、片足を勢い良く差し込んだ。


「あいたー!」


 当然の結果である。

 

「うわお前馬鹿かいや馬鹿だったなお前!」

「うっせ……」


 鏡華に馬鹿にされながら、そして挟まった足の痛みに震えながらも鶴来は昨日の晩、きららが電話で居候の話を持ちかけてきた時に言っていた言葉を思い出していた。

『あの子マルチーズとかチワワとか、警戒心の強い小型犬みたいなものだから。最初はキャンキャン吠えられるかもしれないけど、辛抱強く優しく接してあげればそのうち心開くから多分!それと、あの子の好感度を上げるなら――』

 万が一の為に傍に置いておいた鞄へと足を挟んだまま器用に手を伸ばしてその中を開くと、中に入っていたある物を取り出す。

 そしてそれをドアの隙間に差し込み、尚もドアを閉めようとする鏡華によって加速していく足を痛みを堪えながら鶴来は言った。


「こ、これ……親父が土産に送ってきたヨモギ饅頭なんだけど、食べる?」




 半そでのTシャツに薄手の長ズボンという色気の無い格好をした鏡華は、椅子に座るとヨモギ饅頭を小さな口で一口齧って飲み込み、机に置いておいた温かいお茶を啜る。

 鏡華と鶴来のしかいないリビングで、ずずず……とか細い音が響き渡るが、それが止むと鏡華は一息ついた。

 未だに眉を顰めて憤りを露にしているものの、先程よりも表情そのものは柔らかくなった様に思える。


「……まぁ、さすがに有無も言わさず帰れと言うのは大人の対応ではないな」

「食い物の力ってすげぇ……ありがとう親父」


 食は荒んだ心に癒しを与えると良く聞くが、それは彼女に対しても例外では無かったらしい。

 ヨモギ饅頭を土産にチョイスしてくれた父に感謝である。


「なんか言ったか」

「い、いや別に」

「そうか。それじゃあ改めて言うが――きららさんには口裏合わせて適当に誤魔化しておいてやるから、安心して帰れ。そして二度と来るなよ」

「さっきと全然変わってねぇ!」

「何言っているんだ、こうやって面と向かって言ってやっただろう。それにサボりに協力してやると言う譲歩付だ、むしろ喜べ」


 正しく不遜な態度で言い放つ鏡華に、鶴来は額に指を当ててむむむと悩む素振りを見せる。


「……そうだ!」


 一体何を思いついたのか、鶴来はスマホを取り出して何やら操作し始めた。

 機械類は苦手そうな見た目をしている癖に、意外と速い速度で何度もスマホをタッチする鶴来。


「送信っと……これでよし、それじゃあ――遊びに行くぞ!」


 どうやらスマホでやる事は終わったらしい。勢い良く席を立ち上がっていまいち意図の読めない発言をした鶴来に、鏡華は3つ目のヨモギ饅頭に視線を向けて手を伸ばしながら適当にあしらう。


「何故そんな事をいきなり言い出すかは知らんが、別にいいぞ。一人で(・・・)好きなだけ行ってくるが良い、そして二度とうちには――」

「よっと」

「うわぁ!」


 いつの間にか鏡華の横にまで移動していた鶴来は、突然鏡華の脇に両腕を差し込むとひょいとその軽い体を持ち上げようとする。

 鏡華は抵抗しようとするも、先程ドアに引きずられた時と同じ様に物理的な力量差と彼女の体重の軽さからあっさりと持ちあげられた。


「な、なにするんだ馬鹿!」


 突然持ち上げられた事に焦る鏡華だが、持ち上げた側である鶴来は顔に似合わぬ不敵な笑い方をした。


「ふっふっふっ、お前がいくら抵抗しても俺はこうやって連れて行けるんだぜ?さぁどっちがいい!?」

「なっ……馬鹿の癖にお、私を脅すだと……馬鹿の癖に……!」


 鏡華はまるで親の敵を見るかのような憎憎しげな目で鶴来を睨むが、彼も負けじと得意げな表情、所謂『ドヤ顔』を鏡華に見せ付ける。


(うざい……物凄く殺したい……!)


 目の前のドヤ顔は見れば見るほど腹が立つ……を越えて軽く殺意が沸いてくるレベルだが、しかしこのまま抵抗し続けてもこの馬鹿に持ち上げられたままお天道様の元に晒されるという、新手の羞恥プレイを受けるだけである。


「ぐっ……うぐぐ……」


 自分に残されたただ唯一の選択肢。その内容を理解した鏡華は、どこか小型犬の唸りにも似たような感じで心底悔しそうに唸るのだった。




 竜胆家もといもりびと荘から徒歩で10分程歩いた先にあるコンビニのベンチに、鏡華は分かりやすい仏頂面で座っていた。

 そんな彼女に向かって、コンビニから出てきた鶴来がソフトクリームを一本持ってきて渡す。


「だから無理やり連れてきたのは悪かったって、はいこれお詫び」

「ふんっこんなもので機嫌が取れると思うなよ、大体なんでこんな所に――」


 鏡華は文句を言いながらもちゃっかりとソフトクリームを受け取る。

 その横に鶴来が座ろうとした時、不意に二人へ向かって横から声がかかった。


「よう鶴来、と……おいこのみ!馬鹿が馬鹿なのに美少女連れてきてるぞ!」


 声をかけてきた主は高校生程度の歳と思わしき、中肉中背な茶髪の少年だった。

 彼は鏡華を見るやいなや隣に立つ同じ年くらいで同じくらいの背丈の、顔付きも結構似た少女に向かって騒ぎ立てる。


「わぁほんと超可愛い良くやったわね馬鹿!でも彼女とか抜かしたらぶち転がすわよ!」


 『このみ』と呼ばれた、髪を多めに纏めた肩ぐらいまでの長さのツインテールにしたその少女も、鏡華を視界に捉えると隣の少年と同じ様に騒ぎ始めた。

 その二人はよく見ると、姿だけでなく服やアクセサリにも共通点が幾つか見受けられる。

 それは兎も角、自分を見て急にテンションを上げた見知らぬ二人に呆然とする鏡華に、鶴来が困った様に指で頬を掻きながら説明した。


「ええっと……いきなりでびっくりしたかも知れないけど、こんなんでも両方とも俺の友達なんだ」

「こんなんとかお前には言われたか無いわ馬鹿、それはそうと俺の名前は『地里守(ちさとまもる)』だ。よろしくな名も無き美少女A、それと特に他意は無いが現在彼女募集中だ。特に他意は無いけど!」

「ちょっとこのアタシを差し置いて自己紹介するんじゃないわよ守!ああ私はこの愚弟の双子の姉で『地里(ちさと)このみ』、それと特に他意は無いけど現在彼女募集中よ!特に他意は無いけどね!」


 むしろどう見ても他意しか無さそうな自己紹介×2と自分に向かって注がれる明らかに熱っぽい視線×2に、若干顔が引きつる鏡華。

 ところでこのみという少女は今『彼女』募集中と言ったが、はて自分の聞き間違いだろうか。まぁ聞き間違いだろう多分。


「おいちょっと待て兄は俺だ。例え数十分数時間の差だろうが生まれの早さは絶対なんだよその時点で運命は決まってんだよ」

「そんなんだからアンタは守なのよこの守!たかが数十分数時間の差なんて人生においては所詮塵よ塵!大体人生長い方が兄や姉だって言うならむしろアンタより人生より濃く生きてきたアタシの方が相応しいのよ。時は金なりって言葉があるけど、人生を金に換算するなら濃密な人生の方が価値が高いのは必然!そして濃密な人生を生きてきたアタシの方がアンタよりも人生の価値が高く、つまり逆算するとアタシの方が長寿でありアタシ=姉が成立するのよ!」

「……確かにお前の理論は完璧だ、唯一つ……『俺の方が人生経験が濃い』という事を除けば、な」

「ふぅん、中々の挑発ね……どうやらここいらで決着をつける必要がありそうね……!」

「面白い、俺もそろそろ白黒はっきりさせたいと思っていたところだ……!」


 地里兄妹がゴゴゴゴゴとでも効果音が出そうな程の気迫を纏う横で、鏡華は先程から思っていた事を鶴来に言ってみた。


「……お前は友人からも馬鹿扱いされているんだな、どんだけ馬鹿なんだお前は」

「いやお前らが特別酷いだけだからな!?」

「現実を見ろよ鶴来、お前は間違いなく馬鹿だ」

「そうよ馬鹿アンタは間違いなく馬鹿だからでも大丈夫そんな馬鹿でも私達というかけがえの無い仲間がついてるわ!」

「今かけがえが出来そうになったけど!?ていうかさっきまで喧嘩してたくせによくそこまで息が合うな!……いやまぁそれは置いといてだな。とりあえずこいつの紹介しても良いか?」

「この決着はまた今度ね!」

「一時休戦だな、いいだろう」

「ほんと息ぴったりだなお前ら……」


 先程まで纏っていた妙な気迫を跡形も無く消し飛ばして噂の美少女Aの紹介を待つ二人に、鶴来は呆れた様な声を出すと鏡華の紹介を始めた。

 ちなみに紹介される当の本人は、地里兄妹の切り替えの速さに呆然としていた。


「この子は竜胆鏡華だ、えーっと……俺の母さんの友達の子供で、普段は事情があって親であるその友達の下を離れて遠方の方で暮らしていたんだけど、そっちの方でもも何か事情があるらしくて昨日からしばらく親元……母さんの友達の元で暮らす事になったんだ。でもその友達も事情が会って遠出する事になって家に誰も居なくなるから、それじゃあ女の子の一人暮らしは危険だと言う事で俺が今その友達の自宅に居候させて貰っているんだ」


 普段は~からのくだりは多分、鏡華の嘘を元にきららがでっち上げて鶴来に聞かせた話だろう。

 それにしても義母よ、さすがに適当すぎ……というか『事情』が多すぎでは無かろうか。いや自分が無茶な嘘をついたのが悪いし確かに自分も『諸事情』で押し通した事があったが、とは言えこれでは家庭環境に疑念を抱く事間違い無しである。

 悩ましくこめかみを押さえながら、さすがにこれを何の疑いも無く聞くのは馬鹿しかいないだろうと思ったが、ああそういえばこいつ馬鹿だったなだから何の疑いも持たずこうやって説明しているんだと鏡華は鶴来を見て妙な得心を得てしまうのだった。

 しかしやはりと言うべきか、目の前の二人は眉を顰めると鏡華に背を向け肩を組み合い、こそこそと何かを話し合いだした。

 漏れる声からは『親と離れて……』『家庭内不和……』『というか片親……?』だの何だかアレな言葉が聞こえてくる。

 気持ちは分かるが別に心配される様な事情は何も無く、何だか居た堪れない気持ちになった鏡華は慌てて訂正をした。


「い、いや確かに人に言えない事情はあるが、別にやましい事は何も無いし心配される様な事も無いからその、何だ、あまり気にしないで貰えると助かるのだが……」


 会ったばかりの他人に強くは言えない為に、伏目がちにおずおずとそう言うと二人は振り返った後、互いに顔を見合わせる。

 さすが双子と言うべきか目と目で何かを語り合ったらしく、互いに頷いて鏡華に笑顔を向ける。


「そう言うなら気にしなくていいな、よろしく鏡華」

「何せ可愛い子の頼みだものね、よろしく鏡華ちゃん!それはさておき」


 このみと守と同時に鶴来へと視線を向ける。その顔は鏡華に向けたそれとは違い、怒りを露にした物だった。

 それにしても、この二人と言い鶴来と言い、初対面から速攻で名前呼びとは少々距離感近すぎではなかろうか。いや別にそこまで気にする事でも無いから言及はしないが。

 そんな事を考えていた鏡華を他所に、二人は鶴来に詰め寄っていく。


「美少女と二人きりで同居とかアンタは何処のエロゲ主人公よ!人生舐めてんじゃないわよ!」

「そんなお前にはこの世の恐ろしさと言うものをとくと叩き込んでやるぜ!」

「いや、お前ら何言って――」


 台詞なんぞ言わせまいと言わんばかりに速攻で鶴来の背後に回りこんだ守は、鶴来を両腕で羽交い絞めにしてこのみに叫んだ。


「今だこのみ!フォーメーションZだ!」

「んなっ!?」


 友人の凶行に驚く鶴来へと、このみが容赦無く迫り来る。


「ふふふフォーメーションZのZはズボンのZ!具体的にはズボンを脱がして醜態を晒すという単純かつ効果的な荒業よ、さぁパンツ一丁の情けない姿を晒して幻滅されるが良いわ!」


 勝利を確信して邪悪な笑みを浮かべる好み。

 しかし鶴来は何度も言うが特務組織の一員、一般人に遅れをとるはずも無く。


「何でこんな事されるのかはよく分かんないけど……そう簡単にやられてたまるかー!」


 羽交い絞めにされたままぐるぐるとその場で回りだすと、体を絡ませていた守の足が地を離れる。


「なんだとぅおおお!?」

「ぎゃー!馬鹿だけに正しく馬鹿力ってやつ!?」


 鶴来と一緒にぐるぐると回り始めた守と、それに当たりそうになって騒ぐこのみ。

 彼らのノリについていけず、一人ぽつんと佇んでいた鏡華の耳に鈴の鳴る様な綺麗な声が聞こえてきた。


「あら……貴方も鶴来君達のお友達かな?」


 声の主は、その声のイメージにぴったりな美貌を持つ一人の少女だった。

 綺麗かつ柔和な顔付きと長く艶やかな黒髪、そして彼女を纏う柔らかな雰囲気そのものが正しく『大和撫子』を連想させる、着物の似合いそうな美人だ。ちなみに身長は大体きららと同程度で、胸部は鏡華よりも一回り小さく見える。

 そしてそんな清楚な見た面に似合う大人しめな格好をした少女。

 正直彼女は少し離れたところでぎゃあぎゃあと騒ぐ鶴来達とは友人関係どころか縁すら無さそうなものだが、しかしその口ぶりを聞く限り彼女も鶴来達の友人らしい。

 ある意味場違いとも言える少女の美しさと雰囲気に、鏡華は逆に恐縮してしまう。


「えっ、お……私はただの知り合いというか何と言うか。それよりも、貴方は――」

「お、これで全員揃ったな」


 鏡華の言葉を遮るように鶴来が鏡華達の方に向かって歩きながら声をかけて来た。どうやら羽交い絞めから開放されたらしい。

 ちなみに守は回されすぎたのか少し遠くの電柱に左手をついて、右手は口を抑えて吐き気を堪えていた。

 一方このみは先程まで守と協力していたはずなのに、その守を我関せずと言わんばかりに放置して鶴来についていっている。


「おはよう鶴来君、このみ……ところで守君、どうしたの?」

「嫌な事件だったわね……」


 少女は向かってきた鶴来達に挨拶をしたが、少女はふと鶴来達の後ろでグロッキーになっている守を見て疑問を浮かべる。

 しかしこのみはわざとらしく目を伏せながらそれを一言で流した。

 そして鶴来がそれよりも、と一言頭に置き実にあっさりと話題を切り替える。


「実は紹介したい人が――」


 その後は、先程と大体似たような感じになった。

 鶴来が鏡華の身の上と同居の話について一通り話し終えると、前とは違いこそこそと良からぬ話はされなかったもののやはり聞かされた方の女性が何とも言えない顔をしたので、鏡華がまた誤解を解く。

 そして次は、これまた先程と同じ様な流れで少女が自己紹介を始めた。


「私は戸崎沙由(とざきさゆ)だよ。よろしくね、竜胆さん」

「あ、ああ。よろしく」

(あ、今苗字で呼ばれた)


 ちょっと嬉しくなるも、いや別に普通だろうこれとすぐに思いなおす。

 しかしその後ふとすっかり鶴来達の流れに巻き込まれている自分を自覚し、そして鶴来が朝自宅でスマホ打っていたのは鶴来の友人を呼ぶためだったのだと言う事も理解すると、まるで鶴来の掌の上で踊らされていた気持ちになる。実際にはそこまで大げさな話でも無いのだが。

 そんな発想をした鏡華がつい顔をむすっとさせるも、それに気づかない鶴来は大きな声で宣言する。


「よし、それじゃあ皆揃った事だし――遊びに行くか!」

【今日の戯言コーナー】

 実はプロットではもう一人男の友人が居たのですが、何か書いているうちにいつの間にか消えていました。まぁ些細な事ですね。

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